中曽根康弘の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 嶋崎議員にお答えをいたします。
第一は、ICBMを大気圏外の高空で破壊の実験あるいは巡航ミサイル、これらの問題について私の所見を求めるという御質問でございます。
私は、世界の平和を維持するということぐらい今重要なことはないと考えておるものでございます。その平和を維持するのに、なぜじゃ戦争は起こらないで維持されているかといえば、やはり均衡と抑止によって現実的にはそれは維持されていると考えざるを得ないのであります。そういう意味におきまして、現実的に平和を推進していきたいと思うならば、均衡と抑止が現に行われているということを検証して、みんなが安心できるようなそういう体制をつくることが現実的な軍縮に進む道であると考えておるのでございます。
そういうような面から見まして、今おっしゃったようないろんな問題というものも今のような信念と考えを持ちまして今後我々は努力していく、そして具体的にはINF及びSTARTに対して速やかに米ソが交渉を回復して世界に安心を与えてもらうように推進していきたい、そう考えておるわけでございます。
次に、世界的規模での対話の必要性を強調しようと言っておるが、これらの日本、アメリカ、西欧を通ずる三極の連携というものは同盟政策に関係しているのではないか、そういう趣旨の御質問でございます。
私がアメリカ、日本あるいはヨーロッパとの三つの協力を唱えましたのは、これはサミットの構成メンバーでございまして、政治的、経済的に連携していこうということを私は申し上げておるのであり、特に平和を維持する問題、あるいは経済を繁栄させ、あるいは発展途上国の面倒を見る、そういう面について協調しようということを申し上げておるのでございます。それと同時に、核兵器につきましてはこれを廃絶するということが我々の究極目標でございますが、段階的にこれを削減していく、そのために現実的な手段を我々は開発、開拓していく、そしてアメリカもソ連も建設的な現実的な態度になって交渉を行ってもらいたい、このように強く希望しておるところでございます。
次に、核兵器を使う使わぬは核保有国の勝手である云々という御質問がございましたが、こういうことは私は言っておりません。私が申し上げましたのは、要するに兵備をどういうふうにするかということは、その国その国々が主権的事項として持っておることでございまして、したがいまして、我々が外からいろいろ言っても、それは内政干渉に当たるようなことを我々が言った場合には機能しない、そういうおそれがあるということを申し上げたのでございます。もとより、核兵器を使わないということをその国がみずから宣言するとか、あるいは条約をつくって合意ができれば、それは当然歓迎すべきことなのでございます。
そこで、我々といたしましては、核兵器を廃絶するという究極目標に向かってたゆみない努力をしていきたいと思います。また、人道主義の精神に基づきまして、核実験そのほかにつきましては、これをできるだけ早く禁止する方向に努力していきたい。過般の国連軍縮会議におきまして安倍外務大臣がそのような具体案を提示したのもそれに基づくものでございます。さらに核不拡散条約、この条約を厳守していただく、それを広めていただくということも我々の大きな目標でございます。そういう意味におきまして、今後とも誠実に努力してまいりたいと思うのでございます。
次に、トマホークの問題について御質問がございましたが、我々は非核三原則を堅持し、かつ日米安保条約を効果的に運用しているものなのでございます。日米安保条約につきましては、両国の信頼関係に立ちましてこれを誠実に運用するということになっておるのでございまして、アメリカ側といたしましては、日本の立場をよく理解していると我々は考えておるところでございます。
なお、国会等におきまして疑義等をただせという場合には、外務大臣はアメリカ大使にこれを確認していると御報告もしておるとおりなのでございます。
次に、非核三原則の厳守あるいはGNP一%の厳守等々について御質問がございました。
これらにつきましては、我が国は、必要最小限度の自衛力の整備を図るとともに、日米安保条約の堅持によって我が国の安全を確保し、総合安全保障政策のもとに外交を進めておるところでございます。INF及びSTARTについては、いつでもどこでも前提条件なしに交渉再開を最近アメリカが表明しておりますが、我々はこれを歓迎し、ソ連が建設的にこれにこたえるように期待しておるところでございます。
次に、債務累積国の問題について御質問をいただきました。
南北問題の解決という問題は非常に大きな、大事な問題でございます。これにつきましては、まずは高金利の問題がございます。これにつきましては、今回のサミットの宣言におきましても、高金利を是正するという趣旨のことが我々の合意として形成されております。
なお、開発途上国の直面する諸困難につきましても、我々の一層の市場開放とか、あるいはさらに債務国に対する特別の我々の配慮であるとか、国際機関を通ずる協力であるとか、その他が合意されておるところでございます。
御指摘の政府開発援助につきましては、〇・三三%に昨年はなっております。これは昨年はかなり伸びてきておるのでございます。我々は今後ともこの面で努力してまいりたいと思っております。
次に、米の問題について御質問をいただきました。
これは五十三年産米に限られた問題でございまして、主食の米の需給については、これは万全を期しておりまして心配はないのでございます。いわゆるせんべいとかみそとかという加工米につきまして、五十三年米を充てる予定になっておったところでございますが、これが残留農薬の関係で使わない方がいいということになりまして、そこで韓国に約六十二万トンでございましたか、お貸ししてあるお米の一部をお返し願うということでありまして、輸入ではございません。この点につきましては御理解をいただきたいのであります。これはお貸ししたものの現物返還をお願いする、そういうことなのでございます。
次に、減反政策に関する御質問でございますが、米の生産力は潜在的には依然として需要を大幅に上回っており、今後とも需要に見合った計画的な生産を行うことが必要であると考えております。主食である米の安定供給を図るために適正な在庫水準の確保に努力することも必要であると考えて、そのように推進してまいります。
次に、内需主導型の安定成長に向けて経済政策を正せという御質問でございます。
我々は、物価の安定というものを最大限に念頭に置きまして、インフレのない持続的成長を今後も図ってまいりたいと思っております。なお、今度のロンドン・サミットにおきましても、節度のある財政金融政策をとり、国の赤字を解消するという合意をやっておるわけでございまして、このような合意に基づいても、我々は今後努力していかなければならぬところなのでございます。しかし、適切な、機動的な経済政策の運営により、物価の安定を維持しつつ、民間需要を大いに起こすことにより、かつ民間活力を大いに活用することによりまして、経済の発展拡大を期してまいりたいと思っております。
予算編成とシーリングについて御質問がございました。
現在の我が国の経済は、国内民間需要を中心に自律的拡大の局面に入りつつあります。他方、財政は異常に厳しい状態にあるのであります。なお、ロンドン・サミットにおきましても、節度ある財政金融政策の維持強化が合意されているところでございます。
私は、前から申し上げておりますように、「増税なき財政再建」のこの理念を堅持すること、六十五年度までに赤字国債依存から脱却するということ、そして臨調答申を最大限に尊重してこれから運営していくということ、やはりこの路線に沿いまして今後も努力していかなければならないと思っておるのでございます。もとより、来年度の問題につきましては、今行管長官が 臨行審にその意見を求めておりまして、この御意見を承りました上、政府・与党一体になりまして、来年度予算の編成、シーリングの問題について対処してまいりたい、そのように考えております。
次に、積極的な財政へ転換を行えという御質問でございますが、ただいま申し上げましたように、財政改革は今や緊急の仕事でございます。五十九年度に当たりましても、歳出の節減合理化あるいは公債の減額等努力してきたところでございます。
景気は、幸いにも今回復しつつあるところでございまして、この景気回復の弾みをつけていくという面については、また機動的運営等において考慮しなければならぬと思いますが、財政をどういうふうに運営していくかという基本的な線につきましては、やはり臨調答申の線に沿って着実に努力していく必要がある、そのように考えておるところで御理解をいただきたいと思う次第でございます。
残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)
〔国務大臣山村新治郎君登壇〕