中曽根康弘の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 渡辺議員にお答えをいたします。
 第一問は、コメコン・サミットの結果をどう評価するか、何かのシグナルありやという御質問でございます。
 今回のコメコン・サミットでは、経済問題についての文書のほか、前回のコメコン・サミットのときにはなかった国際情勢についての文書を採択するなど、ロンドン・サミットに対して東側陣営の団結を世界的に示すという意図があったものではないかとも考えられますが、しかし右文書には内容的に新味はなく、緊張緩和に向けての特段のシグナルは感知することはできません。しかし、今後とも我々はこれらの情勢を踏まえまして、情報を的確に把握するように努力してまいりたいと思っております。
 早期に米ソ首脳会談を開催するために努力せよ、ソ連との人的交流を進めるべきではないかという御質問でございますが、この点は同感でございます。
 米ソ対話促進、このためには、今回サミットにおきましても、また六月十四日のアメリカ大統領の記者会見の場でも打ち出しておるわけであります。ソ連がこれらの動きを真剣にとらえて、早期に会談が実現されるような情勢をつくり出すことが大事であると思います。対ソ交流につきましては、領土問題という避けて通れない問題がありますが、しかし議員交流あるいは経済人交流あるいは文化人交流等を開きまして、できるだけ対話の糸口を広げていきたいと考えております。
 次に、核軍縮について、ソ連がこれに復帰して交渉再開が行われるように努力せよ、そういう御趣旨の御質問でございます。
 我が国といたしましては、いつどこでも前提条件なしの交渉再開を表明している米国に、ソ連ができるだけ早期に建設的に積極的にこたえられるよう希望してやまないところです。そのためには、ロンドン・サミットの東西関係と軍備管理に関する宣言等で示された西側諸国の善意を粘り強くソ連に働きかけていきたいと考えております。いずれにせよ、これは相互信頼がなければできないことでございまして、アメリカとソ連の間に理解と信頼が起こるような情勢をいかにつくっていくかということが、我々の努力の方向ではないかと思います。
 また、新ラウンドに関する御質問でございますが、お示しのように日本やアメリカの経済が非常に隆起しておりまして、この新ラウンドを推進するにつきましては、西欧側の一部には警戒感、不安感があったことは事実でございます。特に、太平洋地方の力が隆起してきておるという面についても、関心が集中しておったのではないかと思っております。そういう点におきまして、我々は、今後あらゆるガットの加盟国に対しまして積極的に理解を求め、これらのラウンドを着実に推進するように努力してまいりたいと思っております。
 次に、いわゆる三極連帯に関して御質問がございました。
 日本、アメリカ、ヨーロッパの三極の連帯という意味は、これは政治、経済に関する連帯を意味すると思います。政治という意味におきましては、これは平和や軍縮を推進するという意味であり、経済という意味におきましては、世界経済の繁栄や途上国に対する協力等々を意味するものと思います。このような考えに立ちまして、今後とも我々は、世界的関心事について協調してまいるようにいたしたいと思っておるところでございます。
 開発途上国の累積債務の問題、アメリカの高金利の問題について御質問をいただきましたが、累積債務の問題につきましては、先ほど来申し上げておりますように、債務国が経済再建努力をみずから払っている場合には、民間債務の多年度にわたる繰り延べを奨励するとか、IMF、世銀の強化の検討に積極的に参加するとか、開発途上国への直接投資の流れの促進あるいは市場の一層の開放、これらにつきまして日本も積極的に努力してまいりたいと思います。
 ODAに関する御質問でございますが、目標期間中のODAの実績は、八一年、八二年、これは若干減少いたしました。しかし八三年は、前年度より二四・四%と大幅な伸びを示しておるのであります。本年は、予算におきまして九・七%増の努力をしたことは御承知のとおりでございます。これらの中期目標は、我が国が、ODAの拡充によりその地位にふさわしい国際責任を分担していく用意のあることを内外に表明したものであります。政府としては、引き続き同目標のもとでODAの拡充に最大限の努力を行ってまいります。
 ユネスコの問題について御質問がございましたが、アメリカが脱退を決定いたしました。日本は、アメリカに対しましては、確かにアメリカが指摘するような政治的な偏向という部分もございますから、内部的にこれらの弊害を是正するように努力しつつ、アメリカに対しては、二度にわたりましてユネスコにとどまるように我々は話し合いをしてきたところでございます。今後とも、このユネスコの不合理な点はこれを内部的に是正しつつ、あらゆる加入国がユネスコに対して協力するように積極的に努力してまいりたいと思っております。
 最後に、国際的責任に関しまして、南北のかけ橋になれ、東西の対話を再開せよ、そういう御趣旨につきましては同感でございます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 110105254X03019840619_019

発言者: 中曽根康弘

speaker_id: 15356

日付: 1984-06-19

院: 衆議院

会議名: 本会議