中曽根康弘の発言 (本会議)

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○国務大臣(中曽根康弘君) 小野議員にお答えをいたします。
 まず、総理直層の臨教審構想については、これは軍事大国あるいは総動員体制をつくるためのものではないかという御質問でございますが、このたびの教育改革は、国民的要請にこたえ、社会の変化や文化の発展に対応する教育の実現を目的とするものでありまして、軍事大国実現などという意図は一切ございません。やはり平和と文化の担い手を新しくつくっていこう、そうして文化の継承と創造的発展を行う旗手をつくっていこう、こういう考えで教育の改革をお願いしておるわけでございます。
 次に、教育改革につきましては、全国民的合意に基づいて慎重かつ民主的な手続を経てその方針が形成される必要があるという御質問でございますが、その点は御指摘のとおりであると思います。臨教審の設置や審議の過程で、広く国民各界各層の意見が反映されるように配慮してまいりたいと思いますし、そのように成果が上がるように念願しております。
 次に、今回の臨教審構想は、結局は国会を空洞化しようとすることになるのではないかという御質問でございますが、このたびの臨教審法案は、国民的合意のもとに教育改革を進めるためのものとして国会の御審議を得て設置しようとするものでありまして、国会の空洞化を意図するものではございません。
 この臨教審の成果につきましては、答申を尊重するということ、あるいは国会の同意を得て人事を行うということ、また臨教審の成果については逐次報告をすること、そういうことによりましても国会のいろいろな御監督を受けるという形になるわけでございます。
 次に、臨教審は思いつき的であり、このような法案は撤回して出直すべきであるという御質問でございますが、今まで申し上げましたような種々の理由により、今や臨教審を設置して教育を改革する時期に来ていると私は考えて、法案撤回は考えません。
 次に、臨教審設置は憲法改正や基本法改正の布石ではないかという御質問でございますが、そういうような政治的思惑によるものではございません。先ほど来申し上げますように、今や全国民的に教育改革の声は翕然として起こっておるのでございます。まさに教育改革の時期に来ている。そういう意味において政府はその責任を果たさんとしておるものなのでございます。
 「教育基本法の精神にのっとり、」とは具体的に何を意味するかという御質問でございますが、これは憲法、教育基本法の精神を基本としつつこれに取り組むということでございます。
 次に、臨教審での審議内容について文部大臣と意見の相違があるのではないかという御質問でございます。
 審議会の審議内容というものは審議会によってみずから決めていただくことが適当であると思いますが、今までの中教審の答申やあるいは文化と教育に関する懇談会の御提言というものは、審議の重要な参考資料であるとは思います。しかし、それは審議を拘束するものではございません。これらの問題点につきまして、文部大臣と何ら意見は異なっておるものではございません。
 次に、臨教審に対してはどのような方法、手続で審議することを期待しているか明らかにすべきであるという御質問でございますが、臨教審への諮問は、その設置の趣旨にかんがみまして、基本的、包括的に行うべきであると思います。そして、審議会における自由な討議を通じてその具体化を進めることが重要であると思います。審議会の具体的な運営のあり方等については、国会審議の結果を踏まえつつ審議会自身でお願いする、このように考えております。
 委員の人選について御質問をしていただきましたが、これは、教育改革は国民全体にかかわり、かつ我が国の将来を左右する重要な課題であり、そのためにもこのような審議会が設けられているところでございます。したがいまして、国民各界各層の意見が十分反映されるよう幅広い分野から適任者をお願いすべく、国会における審議を踏まえ、今後慎重に検討すべきことでありまして、いまだ人選には着手しておりません。新聞報道は先走りの報道でございます。
 次に、国会報告に関する修正によって、委員に守秘義務を課したことは秘密性を高めることになりはしないか、審議は公開すべきではないかという御質問でございますが、この委員の守秘義務の規定は、国会同意大事に伴う、国会同意大事によって八条機関の特別職の公務員になるということでございますので、これは必然的な性格になるわけでございます。そうしてそれは、審議の公開とは関係するものではないものでございます。
 審議を公開するかどうかは審議会によって決定すべきことでございますが、一面において、我々の危惧しているところは、審議を公開するということは、そのやり方にもよりますが、外部団体、圧力団体の影響やあるいは圧力を受ける危険性がかなり日本の社会においてはあるわけであります。遺憾ながらそういう状態でございます。委員の自由な発言を制約しないように、そういう意味におきまして、これらは審議会の委員の皆様方がお考えいただく、そういうことになると思います。公聴会の開催あるいは審議経過の公表等、種々の工夫をいたしてこれは運営されるであろうと期待しております。
 次に、今回の改革はスケールが大きくて金のかからない改革、すなわち基本法改正、ひいては憲法改正の地ならしを期待しているのではないかという御質問でございますが、そういうことはございません。今まで申し上げたような教育改革の純粋の理念にのっとりまして行わんとしているものなのでございます。
 なお、文教予算につきましては、財政事情を勘案しつつ行うべきでありますが、必要なものは確保することに努力いたしたいと思っております。
 また、教育改革に当たりましては、憲法を守り、教育基本法のもとにこれを進めるということは一貫して申し上げているところでございます。
 残余の答弁は担当大臣からいたします。(拍手)
   〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 110115254X02219840713_013

発言者: 中曽根康弘

speaker_id: 15356

日付: 1984-07-13

院: 参議院

会議名: 本会議