中曽根康弘の発言 (本会議)
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○国務大臣(中曽根康弘君) 太田議員にお答え申し上げます。
まず、教育改革を進めるに当たり臨教審に何を期待しているかという御質問でございます。
臨教審におきましては、社会の変化や文化の発展に対応し得る教育の実現を期して、我が国社会における教育の諸機能全般にわたり総合的な検討
をお願いいたしたいと思っております。
次に、生涯教育の立場から教育体系を総合的に再検討し、学校教育をその中に位置づけなければならないと考えるがいかんという御質問でございます。
教育は、学校教育のみならず、幼児期からの生涯全般にわたるものと考えております。このような生涯教育の立場に立って、総合的に教育改革に取り組む所存でございます。特に、学校教育のみならず、社会環境、家庭、あらゆる分野にわたってやはり検討していただく必要があると考えます。
臨教審が総理直属の諮問機関であるために教育の中立性を侵すおそれはないかという御質問でございますが、臨教審は、国民的課題たる教育改革に政府全体として取り組むために総理の諮問機関として設置しようとするものでありまして、教育の中立性に何ら影響を及ぼすものではないと理解しております。もとより、教育の中立性確保については今後とも十分注意してまいるつもりでございます。
次に、国民合意の形成という観点から審議は原則として公開すべきではないかという御質問でございます。
審議会の具体的運営方法、公開等の問題は、審議会自身でお決めいただくことであると思います。ただ、審議の公開は、ややもすれば委員の自由な発言が制約されるおそれがあると思っております。審議経過の概要を必要に応じて適宜公表する等によりまして、国民各階各層の意見が十分反映されることを期待しております。
次に、政治と教育の関係についての御質問でございます。
私は、前から申し上げますように、政治権力は文化に奉仕するものであると申し上げておる次第でございますが、教育のあり方は国の将来を左右する重要な問題でありまして、これらについて公党がさまざまな御主張、御政策を持つことは当然でございます。しかし、教育の目的を実現していくには教育の中立性を確保することが重要であり、常にこのことに配慮していかなければならないと思います。ある政策等を実現するために公党がさまざまな主張、主義は持っておるけれども、一たん制定された法、教育方針というものを実行していく段階につきましては、特に中立性を確保するように政党政派は注意深く配慮して実行しなければならない、政府はもとより当然のことでございます。
次に、中教審の四六答申等これまでの答申を今回の審議に活用すべきではないかという御質問でございますが、中教審の四十六年の答申あるいは四十九年の答申等の中には非常に参考にすべき重要な問題点が含まれていると思いまして、これらの審議の経過、これは当然取り上ぐべき参考の重要な課題であると考えております。
教育改革を行財政改革と同一視する視点から考え、いたずらに効率化を図ることは適当でないという御質問でございますが、それは私も同感でございます。行政改革という場合は、行政機構や人員等の節減合理化を目的とするものであり、将来への対応力を回復せんとするものでございます。ややもすればこれは物の面がかなり大きいと思いますが、教育の問題は青少年や幼児の心身の成長発達を対象とするものでありまして、基本的に違う点があると考え、そのような配慮に立って実行しなければならないと思っております。
「教育基本法の精神にのっとり、」という法的規制についてどのように考えるかという御質問でございますが、これは、教育基本法の精神のもとにこれに取り組むという大方針をここで明示しておるという次第で、この方針にのっとって審議が行われることを期待しておるものでございます。
次に、教育及びこれに関連する分野の諸施策という点についての御質問がございました。
教育及びこれに関連する分野の諸施策とは、広く社会における教育諸機能のあり方にかかわる諸施策を指すものであります。学歴だけでなく資格や実力が社会で正しく評価されるようにする、あるいはいわゆる学歴重視の社会構造を改めていくということ、就職等社会での受け入れの際の資格問題の改善に関する御指摘、これらは今後の教育改革に関する重大な示唆に富む課題であると考えております。
委員任命についての基本的考え方の御質問をいただきましたが、広く国民各界各層の意見が十分反映されるように配慮いたしたいと思います。具体的な人選につきましては、国会における論議を十分踏まえまして、今後慎重に検討をするつもりであります。
学制改革を含めた諮問を行うのかという御質問でございますが、本審議会設置の趣旨が十分生かされるよう包括的な内容の諮問をいたしたいと思います。審議会における審議の過程において、学校制度のあり方についても十分検討されるものと理解しております。
残余の答弁は文部大臣からいたします。(拍手)
〔国務大臣森喜朗君登壇、拍手〕