宮川尚三の発言 (社会労働委員会)

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○宮川参考人 ただいま御紹介にあずかりました日本事務処理サービス協会の監査を務めております宮川と申します。
 私は、現在、マンパワージャパン株式会社の経営統括マネジャーとして働いております。僭越な表現でございますが、日本におけるテンポラリー・ワーク・サービスの歴史というものは私どもの会社の歴史と重なる点が多々ありますものですから、私の立場、ときどきマンパワージャパンの立場でお話し申し上げた方がよく御理解いただけるのじゃないかと思います。まずはそのことをおわび申し上げます。
 まず、この事務処理サービス業の実態をお話しする前に、私としましては、このいわゆる派遣労働者と派遣先企業、また派遣元企業の関係をお話ししてみたいと思います。特に派遣労働者につきましてはぜひ皆様に御理解をいただきたい、このように思います。
 マンパワービジネスで働くフィールドスタッフ、私どもは派遣労働者をこのように呼んでおりますが、この労働者像がどういうものであるかということを申し述べたいと思います。全く従来の常用雇用型の労働者像と違うのでございます。つまり、フリーワーカーとして、自分の能力を使って、自分の時間管理のもとに、自分に適合した業務を、自分の選択によって労働に従事する労働者なのです。
 私どもが八年前から実施していますフィールドスタッフの意識調査から若干例を引いて御説明申し上げたいと思います。
 昨年七月に第八回の意識調査を行ったのですが、マンパワースタッフ八千名のプロフィルを申し上げますと、その構成年齢は、二十五歳から二十九歳が三〇%、三十歳から三十四歳が二六・四%、つまりこの層が五〇%強を占めているわけです。そうして平均年齢は現在三十一・六歳になっております。これは第一回の調査から見ていきますと年々高くなっております。
 次に、その家族構成というものを見てみますと、未婚が六七・二%、既婚が三二・八%の比率になっています。
 さらに、マンパワーで仕事をしようと思った動機につきまして調べてみますと、「希望の時間、期間に働ける」という方が四二・九%、「能力と経験を生かしたい」という方が一三・二%、「年齢制限がない」一二・四%、「再就職まで仕事がしたい」五・五%、「いろいろな職種を経験できる」五・五%、「一つの企業に縛られたくない」五・二%と挙げています。
 また、それを裏づけるようなことだと思いますが、マンパワースタッフになってよかったと思うことということで、「時間を自由に使える」ということを三一・八%の方が挙げています。「自分の経験、能力が生かせる」という方が二九・八%、こういうふうに高い比率を示しています。少し変わったデータになると思いますが、「年齢に関係なく仕事ができる」という方が一八・〇%。先ほど高梨参考人の方からもお話がございましたと思いますが、女性の再就職というものは、なかなか日本の現状において年齢の問題というのが大きく存在すると思います。こういう点からもこういうシステムというものは一つの有効なシステムだと考えられます。
 もう一つ、当社の宣伝めくと思いますが、「マンパワーはすぐれた事務処理サービス会社である」という項目に五・九%の数字があらわれています。私としては感謝しています。それでは「今後もマンパワースタッフとして仕事を続けていきたいと思うか」という設問に対しまして、六六・九%の人が「思う」と答えているわけです。
 さらにもう一つ重要なことは、先ほども申し上げましたけれども、このフィールドスタッフの方々は自分の意思で仕事を選択するということができるわけです。
 もう少し具体的に申し上げますと、私どもの支店のサービス担当者が業務の内容とか時間であるとか場所であるとか等を連絡しますと、フィールドスタッフの方は自分の能力、条件に合っているかどうか判断してその業務に就労するかどうかを決められるわけです。例えば晴海の方の倉庫会社というようなところで英文ワープロ、そういう英文の仕事があっても、自分がどうも場所的にそこまで行く時間がないということであれば、それを拒否することも可能なわけでございます。つまりフリーワーカーとして、先ほども申し上げましたように、その能力を使って自分の時間管理のもとで自分に合った仕事を選択していくという新しい労働者像だということです。
 次に顧客、つまり派遣先企業の実態を申しますと、私どもが、これも毎年実施しておりますが、新規顧客先調査というものをやっております。それの第十回の調査から引用してみたいと思いますが、まずマンパワーサービスを導入した動機につきましては、「社員では間に合わない」ということを四九%の方が挙げております。「社員が退社」したという方が二三%、「社員が休んだ」一〇%、その他一八%となっております。つまり、業務量が一時的に増加したときに社員の方々の負担を減らそうということで導入されるケースが多いわけでございます。
 次に、導入したスタッフの数を見ますと、一人というのが七六%を占めております。これも前の理由を裏づけているものではないかと思います。
 さらに、サービス期間について見ますと、二日以上一週間未満が二四%と最も多く、次に三週間以上三カ月未満が二〇%、一週間以上三週間未満が一五%、一日が一二%、三カ月以上六カ月未満と、六カ月以上が、同じくそれぞれ九%となっています。
 では、今後導入計画はあるのかという設問に対しまして、「時々使いたい」という方が七一%、「計画なし」という方が一七%、「定期的に使いたい」という方が八%となっています。つまり、一時的に事務作業のオーバーフローをカバーするために使われていて、しかも少人数の導入であるということが明確に言えると思います。
 そしてマンパワースタッフに対する評価としては、技能、能率、勤務中の態度、社員との協調性、時間を守るなどのすべての点で高い評価を受けています。
 また、マンパワーサービスの体制に対する評価も、「必要なときに必要なサービスが得られた」とするものが八一%、「希望したとおりの人数が確保された」と言っている方が九〇%。これは複数回答になっておりますからそういう数字になります。
 マンパワーの窓口担当者に対しては、「面倒見がよい」という方が五四%、サービス料金に対しては、「適正」という方が六二%となっております。これは先ほどもお話がございましたように、民間企業のサービスに対する姿勢と経営効率というものが表現されているのではないかと思います。昨今アメリカにおいても地方公共団体の行政の民間委託ということが大きく取り上げられて、その効率が云々されておりますが、形が変わっていても類似のケースじゃないかと思います。
 それでは、派遣元である私どもマンパワージャパンのシステムはどういうものかといいますと、単に人を右から左に動かす人的サービスとして把握するのではなくて、労働力の総合的な需給システムとして運用しなければならない、このように思っております。つまり、派遣労働者と派遣先企業とが満足するシステムの確立と言うことができるんじゃないかと思います。フィールドスタッフ側は自分の能力、技能の正しい評価、その活用ということが大きなテーマでしょうし、派遣先企業としては的確かつ迅速なサービスが得られるということが条件であると思います。
 そういうためには、マンパワーは適正な技術査定方法の開発とかスタッフ教育等の付加価値向上の施策をとっています。一例としまして、アメリカで五千万ドルかけて開発されましたスキルウエアの導入に約三億の費用を投じたり、キャリアパスプログラムの開発に四%の開発費を投入しております。このように、マンパワーとしてかなりそういう管理体制というものに投資をしているわけでございますが、例えば一例としましては、八千名の人の週給をコンピューターを使って給与計算をいたしたりしております。こういうように、管理体制の充実ということがこのシステムの運用上どうしても必要なことだと思います。
 また、当然法治国家である日本でこのシステムを運用していくわけでございますから、労働基準法上の施策というものをできる限り取り入れようという遵法精神で臨んでおります。千五百時間を超しますと五日間の有給休暇であるとか、労働保険の適用とか、保養施設の充実等も図っております。
 以上が三者のトライアングルにつきましての御説明でございますが、最後に協会の立場としましてお話し申し上げますと、昨年七月に日本事務処理サービス協会が創立されまして、現在二十二社が加入しております。先ほどからございましたように、この協会内部におきまして、この法制化に対して従来の法のはざまにいたところから脱却して、一つの枠づけの中で認識されるということは結構であるという意見が大半を占めております。しかし、中には、その枠づけが余りにも実態からかけ離れて本来のこの需給システムの機能を果たさない法制化ならば、現状のままの方がいいのじゃないか、自由競争の中で一つの需給システムを持っていった方がいいのじゃないかというような強硬な意見を持っていらっしゃる会員もいらっしゃいます。
 一例を挙げますと、中職審で審議されました対象業務でございますが、単に名称の列挙で制限するということは、現代の複雑な事務処理に合わないのではないか。例えば事務ということをとっても、現在は事務室の一角にオフコン、パソコンの端末機が置かれ、自分で営業データ、管理データを入力するのが常識ということになっております。
 こういうような実態をよく踏まえていただいて、この法制化を御審議いただきたい、このように思います。
 ちょっと時間が過ぎまして、大変失礼いたしました。(拍手)

発言情報

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発言者: 宮川尚三

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日付: 1985-04-19

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会