池端清一の発言 (社会労働委員会)

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○池端議員 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました雇用保険法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 最近では、景気が上向いたと言われても失業者が減少しないところか、総務庁の労働力調査によれば、昨年平均の完全失業者数百六十一万人、完全失業率二・七%と、相変わらず高水準で推移しております。
 このような状況の中で、東北、北海道など、積雪寒冷の地では、ただでさえ狭隘な冬期の就労が、ますます困難になっております。これらの地域では、積雪寒冷という気象条件下にあって、冬期間の産業活動が著しい制約を受け、雇用面にも大きな影響を及ぼしておりますが、最近の冬期における完全失業率は、例えば北海道の場合を見ますと、総務庁の労働力調査によれば昨年三月現在六・二%と、極めて高いものとなっているのであります。
 積雪寒冷という気象条件に制約されて、季節的に循環雇用を余儀なくされた季節労働者は、全国で約七十万人ほどいると言われ、その約九割が北海道、東北、北陸で占められております。これらの地域の雇用情勢は、建設投資の停滞等により、極めて悪化しており、また、大都市に職を求めようとしても、産業構造の転換の中で、容易に職は得がたく、季節労働者の失業期間が長期化しているのが現状であります。また、就労の機会が得られたとしても、実質賃金は、ここ数年、低下の一途をたどり、季節労働者の生活は破綻寸前と言っても過言ではありません。このため、冬期間の生活保護世帯が増加しつつあります。
 憲法第二十七条は、すべての国民に勤労権を保障しております。国は、国民に対して勤労の場を保障しなくてはならない責務を有しているのであります。それが果たされないまま、多くの国民が季節的に失業の憂き目を見ている今日、雇用保険法は本来の趣旨に基づき、こうした失業者をよりよく救済するのが当然であります。
 したがって、このような雇用失業情勢を踏まえるならば、これら季節労働者に対して、特例一時金五十日分だけではなく別に四十日分までを上乗せすることによって、せめて従来の失業保険制度のように、九十日分までの手当を支給すべきであるとするのは、ごくささやかな必要最小限の要求であると言わなければなりません。
 日本社会党・護憲共同は、このような実態にかんがみ、これら雇用と失業を反復する季節労働者救済のため、雇用保険法の改正を提案する次第であります。
 次に、この改正案の内容について御説明申し上げます。
 第一は、短期雇用特例被保険者に対する特例基本手当の新設についてであります。
 この改正法は、特例一時金の支給を受けた者が、離職の日の翌日から起算して六カ月を経過する日までの期間内において、当該特例一時金の支給を受けた日以後、失業している日が通算して五十日を超えた場合に、当該五十日を超えた日から当該六カ月を経過する日までの期間内の失業している日について四十日を限度として、特例基本手当を支給するものといたしております。
 なお特例基本手当に係る失業の認定、手当の日額、支給方法等は、一般被保険者に対する基本手当の支給に準じて行うものといたしております。
 第二は、特例傷病手当の新設についてであります。
 この改正法は、特例一時金の支給を受けた者が、前記の五十日を超えた日以後、公共職業安定所に出頭し、求職の申し込みをした後において、疾病または負傷のために職業につくことができない場合に、当該五十日を超えた日から当該六カ月を経過する日までの期間内の疾病または負傷のために、特例基本手当の支給を受けることができない日については、四十日から既に特例基本手当を支給した日数を差し引いた日数分を限度として、特例傷病手当を支給するものといたしております。なおこれに係る疾病または負傷の認定、手当の日額、支給方法等は、一般被保険者に対する傷病手当に準じて行うものといたしております。
 最後に、この改正法は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行することといたしております。
 以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして、御説明申し上げました。
 この法律案は、厳しい生活環境に働くすべての季節労働者とその家族の切なる願いであることを十分に勘案され、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。(拍手)

発言情報

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発言者: 池端清一

speaker_id: 12662

日付: 1985-04-23

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会