菅原喜重郎の発言 (本会議)

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○菅原喜重郎君 私は、民社党・国民連合を代表し、ただいま議題となっております昭和五十九年度補正予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 今日、我が国が、国際国家の指導的一員として二十一世紀に向け活力ある福祉社会の基盤を築くためには、庶民経済の救援をも兼ねた「増税なき財政再建」の達成と内需主導の適正な経済成長の確立が必須であり、この解決こそ、当面する政治の緊急課題であります。しかしてこの「増税なき財政再建」を実現するためには、我が党が主張している行政改革の断行による構造的赤字の解消と内需喚起の積極的経済政策による自然増収の大幅財源確保にまつほかないのであります。
 しかるに、中曽根内閣における財政運営と行政改革は、口頭の強がりに反し不徹底であり、いまだ惰性的であります。外需の僥幸に支えられた昭和五十九年度経済成長実質五・三%を口にするも、反面、中小企業倒産件数は前年比約千七百件も多い二万八百四十一件を数え、その負債総額も一兆円上回る約三兆六千五百億円の最高に達しました。勤労者の生活水準は停滞を余儀なくされています。このことは、群れの小さな一員をも損なわじと使命する民主政治の本旨から見て極めて遺憾であり、富の分配の偏向を危惧させるものでもあります。
 行政改革の柱である公務員の定数削減も、五十九年度は三千九百五十三人の実質減で、わずか全体の〇・四%にすぎません。地方行革もしかりであります。民間への過度の行政介入を改めさせるために必要な許認可事項と補助金の整理は、その対象となる事務事業の抜本的見直しを行うべきにあるにもかかわらず、殊に約十四兆円もの補助金には根本的メスが入れられていないままになっております。このままでは構造的改革は不可能であり、政府が公言する赤字脱却も夢物語にあります。
 税制改正において政府は、五十九年度一兆千八百億円の所得減税の実施と裏腹に、法人税、物品税、酒税、自動車関係諸税から、減税規模の大増税を強行しました。パート減税を不十分なものにとどめ、教育費減税を無視するなど、健保においても政府の単純一律削減方式による財政の帳じり合わせは本人給付率の低減となる改悪であり、このことは我が国経済の現況と庶民生活の実態に対する無理解と言わねばなりません。また、我が党が要求する中小企業に対する思い切った投資減税の実施は、景気回復に不可欠の施策であるにもかかわらず、政府はこれを見送ったのであります。さらに、減税と並んで積極経済政策のもとである公共事業費も五十九年度に二%の削減を見ました。また、国際的競争力の付与と先進型知識集約産業であるべき農林漁業の振興に関する根本的対策も欠如しているため、地方ほど景気のまだら模様を形成し、一部は危機的状況にあることも看過し得ません。
 私たちは、既に予想される六十年度末国債残高百三十三兆円の重圧が民間活力に宿る景気の自律回復を阻害しかねないと憂えているとき、このたび提案された補正予算は、従来の圧縮均衡型経済運営をなおも踏襲せんとするものであり、我々の主張からして受け入れられないのであります。
 第一に、強く要求されている一兆円規模の公共事業費などの追加が見送られていること、第二に、自動車重量税からの道路整備事業に本来充当されるべき本年度一般会計繰り入れ分が補正予算に計上されていないこと、第三に、労働基本権制約の代償としての人事院勧告を一方的に抑制していること、これらは政府がなせばなし得ることであり、我々は容認できません。
 再度、日本経済の潜在成長力と自己調整力に信頼を置く我が党提唱の路線に政策の転換を強く求め、補正予算三案に対する私の反対討論を終わりますで(拍手)

発言情報

speech_id: 110205254X00919850209_014

発言者: 菅原喜重郎

speaker_id: 17579

日付: 1985-02-09

院: 衆議院

会議名: 本会議