戸井田三郎の発言 (本会議)

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○戸井田三郎君 ただいま議題となりました三法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律案について申し上げます。
 本案は、最近における労働力需給の著しい変化に対応するため、労働者派遣事業の制度を創設して、その適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する措置を定めようとするもので、その主な内容は、
 第一に、労働者派遣事業とは、自己の雇用する労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることを業として行うことをいうものとし、派遣労働者が常用雇用労働者のみであるものを特定労働者派遣事業といい、これを届け出制とし、それ以外のものを一般労働者派遣事業といい、これを許可制とするものとすること、
 第二に、労働者派遣事業は、港湾運送業務、建設業務等を除き、専門的な知識、技術、経験を必要とする業務及び特別の雇用管理を必要とする業務のうち、中央職業安定審議会の意見を聞いて政令で定める業務に限って行うことができるものとすること、
 第三に、労働大臣は、派遣元事業主が、この法律または職業安定法に違反したとき等には、許可の取り消し、事業の廃止または停止を命ずることができるものとすること、
 第四に、労働者派遣契約には、派遣労働者の具体的な就業条件等を定めることとするとともに、労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派遣労働者が労働組合の正当な行為をしたこと等を理由として労働者派遣契約を解除してはならないものとすること、
 第五に、派遣元事業主及び派遣先は、それぞれ責任者を選任して、派遣労働者に対する就業条件等の明示または就業条件等の派遣先関係者への周知、派遣労働者からの苦情の処理等を行わせなければならないものとすること、
 第六に、労働基準法、労働安全衛生法等の規定のうち、派遣中の労働者の労働時間の管理、安全衛生の確保等の事項についての使用者責任は、派遣先の事業主にあるものとする等所要の特例規定を設けるものとすること、
 第七に、労働大臣は、この法律の施行に必要な指導助言、改善命令、報告の徴収、立入検査等を行うことができるものとすること、
 第八に、無許可または無届けで労働者派遣事業を行った者等に対して、所要の罰則規定を設けるものとすること等であります。
 本案は、去る四月五日付託となり、同月十六日山口労働大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、同月十九日には参考人から意見を聴取するなど慎重な審査を行い、五月十四日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、事業計画書等への労働者派遣に関する料金等の記載、派遣元事業主が海外派遣をしようとするときの措置及び法施行後の見直し等について、自由民主党・新自由国民連合、公明党・国民会議及び民社党・国民連合より三党共同の修正案が提出され、討論を行い、採決の結果、本案は修正案のとおり多数をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 次に、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について申し上げます。
 本案は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律案の施行に伴って必要とされる関係法律の整備のための規定及び経過措置を定めるほか、これにあわせて、最近の経済社会情勢の変化に対処して、民間の職業紹介事業、労働者募集及び労働組合が行う労働者供給事業につき、その労働力需給調整機能が効果的に発揮されるよう、現行規制の簡素合理化等の改正を行おうとするものであります。
 本案は、去る四月五日付託となり、同月十六日山口労働大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、同月十九日には参考人から意見を聴取するなど慎重な審査を行い、五月十四日の委員会において質疑を終了し、討論を行い、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 次に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律案について申し上げます。
 本案は、さきの第百一回国会に本院において修正議決され、参議院において継続審査となっていたものでありますが、今国会に至り、参議院において修正議決の上、去る五月十日本院に送付され、同日本委員会に付託されたものであります。
 本案は、最近における女子の雇用情勢の著しい変化にかんがみ、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の批准に備えるため、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保が促進されるよう、勤労婦人福祉法の改正により事業主の責務等に関する措置を講ずるとともに、労働基準法の女子保護規定の見直し等を行おうとするもので、その主な内容は、
 勤労婦人福祉法につきましては、
 第一に、勤労婦人福祉法の名称を雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律に改めるものとすること、
 第二に、事業主は、募集、採用、配置及び昇進について、女子と男子を均等に取り扱うよう努めなければならないものとするとともに、労働省令で定める教育訓練、福利厚生並びに定年、退職及び解雇について、女子であることを理由として差別的取り扱いをしてはならないものとすること、
 第三に、男女の均等な取り扱いに関する紛争について、事業主は自主的な解決に努めるものとするとともに、都道府県婦人少年室長は、関係当事者から求められた場合には、必要な助言、指導または勧告を行うほか、都道府県婦人少年室に置かれる機会均等調停委員会に紛争の調停を行わせるものとすること、
 第四に、再雇用特別措置及び育児休業の普及促進等女子労働者の就業に関する援助の措置等を定めるものとすること、
 労働基準法につきましては、
 第一に、満十八歳以上の女子について、時間外及び休日労働、深夜業、危険有害業務の就業、生理休暇並びに坑内労働に関する現行規制を緩和するものとすること、
 第二に、産前休業を多胎妊娠の場合十週間に延長し、産後休業を八週間に延長する等母性保護措置の拡充を図るものとすること等であります。
 また、この法律による改正後の雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律及び労働基準法の女子に関する規定について、この法律の施行後適当な時期において、必要があると認めるときは見直しを行うこととしております。
 本案は、五月十四日の委員会において直ちに採決の結果、多数をもって参議院送付案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 110205254X02819850517_003

発言者: 戸井田三郎

speaker_id: 28548

日付: 1985-05-17

院: 衆議院

会議名: 本会議