長野祐也の発言 (社会労働委員会)
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○長野委員 官僚統制につながるものでは毛頭ない、医療の公共性を高めるものであるという大臣の答弁の趣旨を評価をいたしたいと思います。
今の答弁は評価できるのですが、なお幾つかについて考えてみるべき問題がこの改正案の中にはあるように思われます。
まず、医療計画に関してでありますが、法文の用語が明確さに欠けるため、医師会等の関係者の間に種々懸念を生んでおるという問題がございます。
具体的に言いますと、すなわち都道府県の医療計画案の作成に当たり、診療または調剤に関する団体の意見を「聴かなければならない。」とせずに「聴くものとする。」とされている点。また、都道府県知事は、医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合には、病院の開設そのほか必要な事項に関して、病院を開設しようとする者等に対し勧告することができるようになっておりますが、この都道府県知事が勧告できる範囲が必ずしも明確ではない点。そのほか医療圏や、医療計画に記載する事項について「高度又は特殊な医療」とか「高度又は特殊な医療を提供する病院」といった表現が見られるのでありますが、これにつきましても、医療に高度であるとかあるいは中程度であるとか低度であるといった区分をされている点であります。また、医療計画の達成の推進に資するため、病院の開設者等は病院の建物や器械を病院に勤務しない医師または歯科医師の診療や研究等に利用させるように努力することになっており、このことは大変結構なことでありますけれども、これに薬剤師の方についても同様の規定を設けることが適当ではないかという点であります。
一方、医療法人に関しては、今回の法改正による法人の組織的な整備を通じまして適正な運営が期待されるところであり、民間医業経営の中核的主体として、その健全な育成を今後一層積極的に図っていくべきものと考えています。その意味において、今回の法改正により医療法人に対する指導監督規定が整備されたわけでありますが、指導監督に関し都道府県知事が行うことができる処分のうち業務停止命令、役員解任勧告、設立認可の取り消しにつきましては、法人に重大な事態をもたらすものであるため、特に慎重な手続が望まれるわけであります。このため都道府県知事がこれらの処分を行うに当たっては、あらかじめ都道府県医療審議会の意見を聞かなければならないことにすべきではないかと考えます。
また、現在の医療法人の設立要件を見ますと、診療所につきましては、医師または歯科医師が常時三人以上勤務することが求められておりますが、医師または歯科医師が常時一人または二人勤務する診療所についても、他の法人制度の例も参考としつつ法人化の道を開き、医業経営と家計とを明確に分離し、経営の近代化を図る必要があると考えます。
そのほか、資産要件について各都道府県ごとに異なった取り扱いを受け混乱を来しているといった問題や、会計年度につきましても、現在のように「四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。」という、法律で一律に決めて強制すべきではないといった指摘もなされております。これらの点についても適切な措置をとることが必要であると考えます。
最後に、複数の都道府県において医療施設を開設する医療法人については、都道府県知事の段階で法人全体の十分な監督を行うことが極めて困難であるという指摘がなされており、このような医療法人の設立等に当たっては、都道府県知事ではなくて厚生大臣の認可を受けなければならないというようにすべきではないかと考えます。このような取り扱いは、宗教法人あるいは厚生省所管の公益法人などの例もあり、私は妥当なものではないかと思っております。
これらの点につきまして、私としても所要の修正等に努力していきたいと考えておりますが、厚生大臣としての御見解を承りたいと思います。