佐藤観樹の発言 (公職選挙法改正に関する調査特別委員会)

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○佐藤(観)委員 そこで、私は今度、衆参ダブル選挙という問題についてお伺いしたいわけでありますけれども、私の視点は、ただ解散があるかないかという問題ではないのです。一体、二院制のもとで衆議院と参議院というものが両方ともほとんど機能停止をしてしまうということが果たして是か非かという問題について、大臣のお考えをお伺いしたいわけであります。
 一つは、国民の側にとって、いわば候補者と有権者という立場から見ますと、衆議院の場合には、四十七都道府県のうち全県一区というのが十あるわけですね。それから、全県二区というのは十九あるわけですね。全県二区というのは県全体を絶えず見ているわけでありますから、そういった意味では全県一区的な考え方と申しましょうか、感じとして、確かに衆議院の選挙区は隣の選挙区だけれども、いろいろな意味で、気持ちの上で全県を一体化している。全県三区となりますと、少しまた感覚が違ってくると思いますが、有権者の意識からいうと、昔の地方区と、全県一区と、一県二衆議院選挙区というのは余り変わりないだろうと思うのです。
 そういう意味では、四十七都道府県のうち十九がこういう選挙区だということは、衆議院と参議院の選挙を一緒にやるということはただ定数だけが違うということになるわけでありまして、有権者の側から見ますと、一体何ゆえに二院があるんだということにつながってくるのだと私は思うのです。
 もう一つは、憲法上の問題であります。
 大臣、衆議院手帖をお持ちでしょうから、憲法のところを見ていただければいいのですけれども、何も難しい話をするわけじゃないのでございまして、一体、憲法というものは、衆参が同時に選挙をやるなどということを想定していただろうかという問題であります。
 憲法の五十四条を見ていただきたいのでありますが、五十四条では参議院の緊急集会というのを想定しております。「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであって、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。」いわば条件つきで参議院の緊急集会というのを認められているわけであります。
 では、この緊急集会というのはどれだけの人数があればいいかということを考えてみますと、第五十六条には「両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。」「三分の一以上の出席」と書いてあるのですね。
 そうすると、非常に極端な場合でありますが、過去にもあったのでありますが、参議院の任期満了後の選挙ということになりますと、二百五十二人全部議員がいらしたと想定しますと、死亡その他がないという条件のもとでは、現にそのときの参議院議員というのは半分の百二十六人しかいらっしゃらないわけであります。その三分の一で議事が成立をするわけでありますから、その三分の一は四十二名であります。四十二名以上いらっしゃれば、参議院に集まれば議事が成立をし、そして議案も審議できる、あるいは採決もできるという状況が整うわけであります。しかも、その五十六条の後半には「両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。」ということでありますから、いわば過半数でそのことが決せられるということになるわけですね。そうなってまいりますと、四十二名以上の出席があり、最悪の場合を想定しますと、その半分でありますから、半分より一名多い二十二名が賛成をすればこの緊急集会、そういうときには緊急事態でありましょうから、これは成立をする、こういうことになるわけでございます。これはあくまで任期満了後の参議院選挙をやる、そして衆議院も同時に解散をすると想定をした場合でございます。
 ちょっと選挙部長、そういうことでよろしいですね、私の憲法上の解釈の問題、今数字を申し上げた憲法上の問題だけで結構でございます。その後の解釈の問題は大臣にお伺いいたしますから。

発言情報

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発言者: 佐藤観樹

speaker_id: 20147

日付: 1986-03-05

院: 衆議院

会議名: 公職選挙法改正に関する調査特別委員会