馬場昇の発言 (文教委員会)

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○馬場議員 木島委員にお答えを申し上げます。
 実は、この障害児諸学校の定数法、今提案しておりますのと同趣旨の法律案を我が党は十二年前に、一九七三年、昭和四十八年に参議院に提出して議論をいたしております。それから十二年たつのです。それから、本衆議院におきましては八年前の一九七九年、昭和五十四年に提出をしておるわけでございまして、それから八年経過をいたしております。そうして審議は第一回目が一九八一年、昭和五十六年、第九十四国会で審議をしたわけでございますが、それから二回目が一九八三年、それより毎年審議をいたしまして、実は本日で本委員会でも五回目の審議でございます。そして、さらにつけ加えるならば、質問者は公明党が三名質問なさっております。民社党が一名、共産党が四名、社民連が一名、そして我が党は四名実は質問しておるわけでございまして、自民党を除きまして十三名の者が既に質問を終わっておるわけでございます。私は、この法律についての現状認識といたしましては、既に慎重に審議はし尽くされておる、こういうぐあいに思うわけでございますが、特に重要なのは、この審議の過程の中でこの法律に対して特に反対というような趣旨の意見というのはほとんどございませんでした。そういう中で、審議し尽されておるのにまだ日の目を見ないという点について、私は本当に現在の状況は遺憾である、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
    〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕
 さらに、今質問者も言われましたように、やはりこれが閣法であったなら本当に早く通っているんじゃないか。これが衆法だからといってこういう格好に放置されておる。まさに衆法軽視、議会制民主主義の軽視、あるいは文教委員会の自殺行為だとさえ私は現状を考えておるわけでございます。
 さらに、次に、特殊教育、特殊学校という呼称の変更については、これまた非常に議論の歴史は古いわけでございます。やはりその議論する基本というのは、「特殊」というのは、さっき質問者が言われましたように普通と違うことというのを特殊というわけでございますので、特殊教育、特殊学校というのについてはやはり世間的に偏見と差別を感ずるという用語であることでございます。
 そういう点で、やはりこれは変更すべきだということが、この国会におきましても一九六九年、昭和四十四年ですから、今からいいますと十七年前になります。今衆議院議長をなさっている坂田道太さんが文部大臣であったときに議論なさって、坂田さんはこういうような答弁をしておるのです。用語が適切でないので早急に改めるように検討したい、これが昭和四十四年、十七年前の坂田文部大臣の答弁でございます。
 それから、参議院にこれと同趣旨の法律が提案されまして、一九七三年、昭和四十八年に議論しておるわけでございますが、そのときに当時の奥野文部大臣はこういうような答弁をしております。教育そのものは個人の特性に応じて可能性を見出していかねばならない、それを心身障害者に限って特殊教育という言葉を使うのは穏当ではない、適当な言葉があれば積極的にそういう言葉に切りかえるのにやぶさかではない、そして後日の委員会でさらに奥野文部大臣は、いろいろな言葉を探し求める努力やアンケート調査などをやってみて検討する、こういうことを昭和四十八年に答弁しておられます。
 今のは参議院ですが、さらに衆議院におきましても昭和五十年、一九七五年に、今御質問なさっております木島委員が当時の永井文部大臣にこの問題について質問をなさっておるのですけれども、特殊教育という言葉については好ましくないので、何かよい言葉があったら教えてもらいたい、改めるという意思の表明を永井文部大臣もこの席上でなさっておるわけでございます。
 それから昭和五十八年、一九八三年、今は亡き湯山委員がここで熱心にこの問題を追及なさったことは私は今でも目の前にはっきり浮かんでくるわけでございますが、当時の瀬戸山文部大臣も、学校教育法の特殊教育という言葉に固執しているわけでは全然ない、改正の問題について研究するということを言っている。さらに、湯山さんの質問に対して前の森文部大臣も、瀬戸山大臣が検討すると述べておられるのですから、おくれておっておしかりを受けるかもしれないけれども、もう少し検討させてもらいたい、こういうようなことを実は答弁しておるのです。
 そういう経過をずっと振り返ってみますと、この問題については二十年近く議論してきて、歴代の文部大臣も実は検討を約束しておるような問題でございまして、私は、これは国会の権威にかけてきょうここで海部大臣から、直ちに改正するんだ、こういう言質がなされてしかるべきだということを経過の上から感ずるわけでございます。こういう問題は、この国会のやりとりだけでなしに、やはり何としても、障害を持つ子供の気持ちあるいはまたその親の立場で考えれば当然であるわけでありますし、さらに障害児学校とか障害児教育という言葉は既に定着しておる言葉でございますので、今質問者がおっしゃいましたように、この問題は直ちに改正すべき問題であろう、こういうぐあいに考えております。

発言情報

speech_id: 110405077X01319860516_056

発言者: 馬場昇

speaker_id: 10581

日付: 1986-05-16

院: 衆議院

会議名: 文教委員会