小澤克介の発言 (本会議)
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○小澤克介君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま報告のありました研究交流促進法案に反対の討論をいたすものであります。
そもそも科学技術の研究交流は、人類の平和と福祉の向上のためにこそ促進されるべきものであって、軍事目的の研究交流は国際的にも国内的にもむしろ抑止することこそが、平和憲法を持つ日本の義務でもあります。ところが、日本では、国家公務員一般と自衛隊員とは、今日まで法体系においても基本的に区別されてきたところであるにもかかわらず、本法案においては、他の国家公務員と全く同等の立場で自衛隊員が加えられ、産学官軍の共同研究体制が公然と整備されようとしております。
具体的に言えば、本法案第一条は、科学技術の概念に軍事技術を公然と含め、第五条から第九条までは、防衛庁関係研究機関や自衛隊員と民間や外国の研究機関との共同研究を容易にし、さらに、第五条は、一般の研究公務員と自衛隊員がそれぞれその出向先で合流して共同研究を行うことをも容易にし、また、第九条は、民間等に出向した自衛隊員が一般の国立研究機関の施設を使用して研究することをも容易にするものです。本法案は、まさに軍事研究交流法と言わなければなりません。
また、見逃せないのは、本法案は明らかに、目下アメリカから強く要請されているSDI研究開発への参加を容易に可能にするための法整備であることです。なかんずく、原案にはなかったにもかかわらず、閣議において突如追加された「配慮事項」第十条なるものは、既に内閣が武器輸出三原則を破って推進している日米武器技術供与を土台に、日米安保条約と日米相互防衛援助協定及びそれに伴う秘密保護法等々を誠実に履行すべき義務を定め、あるいは先端技術の東の諸国や低開発国への流出の防止に努めることを要求して、いずれにせよ、SDI計画への参加を可能にしようとするための言語道断な条項であると言わなければなりません。
SDI、すなわち宇宙戦争構想なるものが、どんなに危険なもので、日本国民と世界諸国民をどんなに深刻な事態に追い込むものであるかは、委員会審議における参考人の陳述からも明らかになっております。この研究開発への参加が、宇宙の開発と利用は平和の目的に限るとする国会決議に真っ向から反するものであることは、小学生にもわかることであります。SDIが軍事目的のシステムではなく、平和目的のシステムであるなどということは、全くの詭弁にすぎません。左手に盾のみを持つ場合、これを防御兵器と言い繕うことはできます。しかし、同時に右手に矛を持つならば、これは、一体として機能することは明らかです。
これは、国会決議をほごにするばかりでなく、憲法の第九条に反し、その上、軍事機密や企業機密の名のもとに研究発表の自由を制限して、学問の自由を保障した憲法第二十三条を無意味にし、また、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」と定めた第十五条にも反して、研究公務員に特定私企業への奉仕者、さらには特定外国への奉仕者になることを強いるものであります。
このような危険な法律案は、ぜひ不採択としていただくとともに、改めて科学研究者の地位に関するユネスコ勧告及び日本学術会議の一九七六年の勧告に基づき、科学研究基本法をこそ速やかに制定し、その上に、研究公務員の身分保障を定める研究公務員特例法をこそ制定すべきであります。
以上をもって、研究交流促進法案に対する反対討論といたします。(拍手)