宮島滉の発言 (エネルギー対策特別委員会)
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○宮島滉君 私からエネルギー対策特別委員会派遣委員の御報告をいたします。
去る一月に行いました委員派遣について、その概要を御報告申し上げます。
派遣地は福岡県、佐賀県、熊本県及び大分県で、派遣期間は一月十六日から十八日までの三日間であります。派遣委員は太田理事、小西理事、小柳委員と私の四名であります。また、視察先は新日本製鐵株式会社八幡製鐵所、電源開発株式会社若松火力発電所、工業技術院九州工業技術試験所、三井石炭鉱業株式会社三池鉱業所及び九州電力株式会社八丁原発電所の五カ所であります。
以下、その概要について簡単に申し上げます。
まず、新日鐵八幡製鐵所におきましては、エネルギー多消費型素材産業の一つである鉄鋼業の省エネルギー対策について会社側から事情を聴取し、関係施設を視察いたしました。
当所の省エネルギー対策は、大型炉の導入及び連続鋳造機の増設に加え、高炉ガス、コークス炉ガス及び転炉ガスの熱回収を積極的に実施し大きな効果を上げております。特に、第二次石油危機前にわずか二三・五%の導入にすぎなかった連続鋳造比率、いわゆるCC化が現在では九八%となっており、省エネルギーに大きく寄与しております。最近の省エネルギー実績は五十三年から五十八年までに一四・七%を達成し、さらに五十八年下期から六十一年下期までに一〇・六%の達成を目指し、設備の近代化、省エネルギー設備対策及び操業努力を中心とする新しい省エネルギー運動が展開されております。
次に、電発着松火力では、石炭の利用技術に関する各種技術研究について調査しました。
まず、在来の微粉炭ボイラーにかわる流動床燃焼技術の研究開発につきまして、これまでにパイロット試験を終了し、現在五万キロワットの実証プラントを建設中で、六十二年度から本格実証テストに入る計画となっております。この技術の特徴は、微粉炭ボイラーと違って石炭に流動媒体である石炭石を混入することにより炉内脱硫が可能となるほか、燃焼温度が摂氏七百七十度から五百五十度に低くなるため窒素酸化物の発生が少なく、相対的にコストダウンに寄与することとなります。
次に、超高温タービン実証試験では、高温・高圧化による熱効率の改善を図り、省エネルギー化を目指すことが目的であり、このために耐熱合金材料の信頼性及び安全性の検証が重要な研究要素となっております。今後の計画として、現状の蒸気温度摂氏五百三十八度を二段階で六百四十九度まで上昇させることを目指しており、約四三%の熱効率が得られるものと期待されております。このほか、石炭のハンドリング技術として注目されている高濃度石炭スラリー、いわゆるCWMについて実情を聴取いたしました。
次に、九州工業技術試験所において、新エネルギーの研究開発の一つである石炭の液化技術について説明を聴取した後、研究施設を視察いたしました。
当試験所における液化プロジェクトの試験研究課題は、いわゆる歴青炭液化のNEDOLプロセスの開発が始まるのに伴い、六十二年度までに液化初期工程における石炭のいわゆる挙動、反応等を解明し、合理的な液化プロセスの開発、予熱器の設計に必要なデータを提供することであります。このほか、低品位陶石の有効利用技術、高効率ガスタービンのための耐熱材料の開発及び産業界で広く利用されている通気性金属の高性能製造技術の研究などについて各施設を視察しました。当試験所は材料開発に強い力を発揮しているところでありますが、昨今の定員削減及び予算縮減に
かんがみ、所長から研究開発の充実及び研究者の確保等について格段の配慮を願いたい旨の要望がありました。
次に、三池鉱業所において、生産及び保安状況について会社側から説明を聴取するとともに、坑外諸設備を視察しました。
三池炭鉱は、年産四百五十万トン、出炭能率百十万トン・パー人・月と良好であります。これは炭層条件に恵まれ、シールド型自走枠とドラムカッターの組み合わせによる大型機械化採炭が可能であることによります。また、出炭比率は原料炭三五%、一般炭六五%となっております。炭鉱の安定生産を確保するためには、まずもって保安対策を確実に・実施することであります。
当炭鉱は、去る五十九年一月、有明鉱において死者八十三名を出す坑内火災事故を起こしておりますが、この教訓を踏まえ、六十二年度から二カ年計画で四山、三川、有明の各鉱な大がかりなコンピューターを利用した保安情報処理装置を導入し、坑内の環境及び設備を総括的に監視し、緊急事態発生に即応するシステムを完成させるとともに、各種保安対策の実施並びに新技術の開発に取り組んでおります。幸い六十年は死亡災害ゼロで、これは二十五年ぶりとのことであり、今後とも設備の充実とともに保安教育を重視し、保安の確保と安定操業の維持に努められることを切に念願する次第であります。
次に、最後の視察先となりました八丁原発電所において、地熱の利用状況について実情を聴取しました。
当発電所は五十二年六月に完成、出力五万五千キロワットで、我が国最大の地熱発電所であります。会社側の説明によりますと、これまでの発電所では各蒸気井ごとに、それぞれの井戸元に汽水分離器を設けておりますが、当所では各蒸気井からの蒸気及び熱水は混合状態のまま移送される二相流体移送システムを採用しており、発電原価の低減が図られているのが特徴であります。
また、汽水分離器で分離された熱水から再度蒸気を取り出すダブル・フラッシュ・システムを導入し、在来型のものに比べ約二〇%の出力増加が図られております。現在、二号機建設に向けて調査が進められておりますが、今後とも地熱エネルギーの有効利用が促進されることを期待する次第であります。
最後に、第八次石炭政策について福岡県から要望を受けましたが、その内容については会議録末尾に掲載方を委員長にお願いいたしますとともに、今回の調査に当たりまして御協力を賜りました関係者の方々に感謝の意を表しまして、報告を終わります。