久保亘の発言 (外交・総合安全保障に関する調査特別委員会)

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○久保亘君 明日、特別委員会に総理の御出席をお願いすることができませんので、この際、外交、国際経済に関連をする問題でいわゆるマルコス疑惑のことについて対外援助のあり方で少しお尋ねをしておきたいと思います。
 私は、先般アメリカの下院のアジア・太平洋小委員会のソラーズ委員長が成田で日本のテレビのインタビューを受けましたときのメモをここにとっております。そのときソラーズ委員長は、いわゆるマルコス資産の資料を読んで私が得た結論の一つは、マルコス政府は一口で言えば泥棒の集まりでした、自国の富を横領することしか考えていなかったのです、こういうことを明確に言われました。これが今のマルコス疑惑を一言であらわしたものだと思っているのであります。
 これが前マルコス大統領とフィリピン国民との関係だけの問題ならば、私はこれはフィリピンの内政の問題だと思うのであります。しかし、この疑惑に対してマルコス文書やその後サロンガ委員会等から出されてまいります資料などによって、日本の経済援助に深く絡んでおって、日本の企業がそこで活躍をしてこのようなマルコスの、泥棒の集まりとアメリカの国会議員に言われるような不正が長年にわたってやられてきた、これは日本政府としても重大な関心を持ちその責任を感じざるを得ない問題だと思うのであります。
 そして、このマルコス疑惑の最も日本の海外援助と絡んで的確に言いあらわしている言葉は、「世界」の四月号に引用されております。そこにある閣僚経験者の発言として、「援助のカネは機密費みたいなもんだ。どこの国へいくら、と国会で決めるわけじゃなし、どう使われているか国民にはほとんど知らされていない。おまけに、もっと増やせ、増やせだ。政治資金というタマゴを産むニワトリとしては、とびきり上等だよ」、こういう元閣僚経験者の言葉として引用がございます。これがこの日本の海外援助の欠陥を最も端的に言いあらわしておる。そして、その海外援助の欠陥が今日、泥棒の集まり、自国の宮を横領することだけを考えていたと言われるようなフィリピンの政権をつくり出した。こういうことになれば、その海外援助の根本を見直すことが今我々にとって最も重要なことではないだろうかと思うのでありますが、今回のマルコス疑惑に象徴的に出てまいります対外援助の見直しについて総理はどのようにお考えになっており、具体的にどのようなことを政府の関係者に指示しておられるのか、承りたいと思います。

発言情報

speech_id: 110413945X00219860423_016

発言者: 久保亘

speaker_id: 7804

日付: 1986-04-23

院: 参議院

会議名: 外交・総合安全保障に関する調査特別委員会