外交・総合安全保障に関する調査特別委員会

1986-04-23 参議院 全56発言

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会議録情報#0
昭和六十一年四月二十三日(水曜日)
   午後三時三十分開会
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         植木 光教君
    理 事
                佐藤栄佐久君
                杉元 恒雄君
                堀江 正夫君
                久保  亘君
                黒柳  明君
                上田耕一郎君
                関  嘉彦君
    委 員
                岩動 道行君
                石井 一二君
                大木  浩君
                大坪健一郎君
                曽根田郁夫君
                高平 公友君
                鳩山威一郎君
                大木 正吾君
                久保田真苗君
                中西 珠子君
                和田 教美君
                田  英夫君
   国務大臣
       内閣総理大臣   中曽根康弘君
   政府委員
       内閣審議官    高瀬 秀一君
       防衛庁参事官   瀬木 博基君
       防衛庁参事官   筒井 良三君
       防衛庁防衛局長  西廣 整輝君
       防衛施設庁長官  佐々 淳行君
       学施設庁総務
       部長       平   晃君
       外務省北米局長  藤井 宏昭君
       外務省中近東ア
       フリカ局長    三宅 和助君
       外務省国際連合
       局長       中平  立君
       大蔵省国際金融
       局次長      橋本 貞夫君
   事務局側
      常任委員会専門
      員         小杉 照夫君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○外交・総合安全保障に関する調査
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植木光教#1
○委員長(植木光教君) ただいまから外交・総合安全保障に関する調査特別委員会を開会いたします。
 外交・総合安全保障に関する調査を議題といたします。
 当委員会は、昭和五十八年七月設置以来、外交・総合安全保障に関し調査を進めてまいりましたが、本日はその締めくくりとして中曽根内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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堀江正夫#2
○堀江正夫君 ただいまの委員長の趣旨に基づきまして、安全保障の基本にかかわる問題の中で、時間の関係上三点に絞って総理の御見解を承りたいと思います。
 持ち時間が二十五分でございますので、私は各項目ごとに初めにまとめて申し上げ、それに対して総理のお答えを賜りたい、このように思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず第一は、総合安全保障の観点からする総理の現状認識と今後に処する決意についてであります。
 総理は、総理に御就任以来、山積する困難な内外の諸問題を、経済大国日本の総理にふさわしい卓越した御見識と強力なリーダーシップによって立派に処理をしてこられました。その結果として今日、米国を初め西側主要各国だけでなく、第三国からも高い評価と信頼を得られ、日本の国際的地位を不動のものとされたわけであります。同時に、国内でも世論調査で明らかなように、戦後歴代内閣の中でかつてない一貫した高い支持が国民から寄せられておりますことはまことに御同慶の至りで、深く敬意を表するところであります。
 しかし、ソ連の軍事力の強化は依然として強力に進められ、我々に対する軍事的脅威はさらに深刻なものとなっております。米ソの関係も決して楽観できるようなものではない、このように思っておりますし、さらに世界情勢は極めて複雑、流動の度を深めておるわけであります。
 加えて、経済摩擦も依然として我が日本の死命をも制しかねないような国際的な、国内的な大きな問題となっております。今日、国内的にも解決しなければならない問題がたくさんあるわけでございますが、これと同時に、西側諸国の理解と結束が今日ほど重大なときはないわけでございます。この中で、総理が主宰される東京サミットもいよいよ十日後に迫ってまいりました。
 そこで、総合安全保障の観点から総理が現状をどのように認識しておられるのか、また、その認識に立って今後どのように対処しようとしておられるのかをまず承りたいと思います。
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中曽根康弘#3
○国務大臣(中曽根康弘君) 国際情勢は依然として厳しい状況にあると思います。米ソ首脳会談が昨年の秋に行われまして以来、やや日差しが差しかけた感がありましたけれども、しかしその後の情勢を見ますと、やはり底流には非常に厳しいものがあって、それが時々また頭をもたげて出てきつつある、そういう感を禁じ得ません。
 それから、単に軍備関係の問題のみならず、国際情勢全般を見ますと、経済問題というものが非常に重要な問題として台頭しつつあります。すなわち、いわゆる債務国の債務累積の問題であります。これらの問題も決してゆるがせにはできない問題で、これが政治あるいは安全保障に絡んでこないとは限らない。石油の問題一つにしてもそうであります。石油が今急に低下しつつありますけれども、これがある限度を超すというと反動が将来起きないとも限りません。
 そういうような諸般の問題を考えてみますと、単に軍事的な安全保障のみならず、政治的にも経済的にも世界は非常に複雑化してきつつありまして、そういう意味においては我々はますます総合安全保障の観点に立って、広い、豊かな長期的観点から安全保障問題を考えていかなければならない。東京サミットが近く行われますが、やはりそういう基本的な立場をもって私は臨んでいきたいと考えておる次第であります。
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堀江正夫#4
○堀江正夫君 ぜひとも、極めて厳しい情勢下を総理の御見識とリーダーシップによって対処していただきたい、このように願ってやみません。
 次に、我が防衛政策の基本であります専守防衛について若干お伺いしたいと思います。
 この用語は、総理が防衛庁長官のときつくられたものであります。総理が防衛庁長官のときつくられたこの専守防衛の意味については、四十五年に初めて出されました防衛白書の中ではっきりと書かれております。時間の関係上、私はその内容を要約して申し上げますと、万一の場合は戦略守勢によって国土防衛に徹する、したがって保有する防衛力の質も星も、さらにこれを運用する場合も自衛の範囲に限る、こういったものでございます。
 いろいろ私は調べてみたわけでございますが、戦略守勢と言っておられますが、特に自衛の範囲内の自衛力の運用について、当時、中曽根防衛庁長官が具体的にどのように考えられておられたかは必ずしもはっきりすることができませんでした。
 自来、今日まで衆参両院のいろいろな場で、この専守防衛が具体的に何を意味するのかということが論じられてまいりました。そして、その論議の中で具体的な枠が次々とはめられてきたわけでございます。この中で、自衛の範囲内の量と質につきましては、大体政府は一貫した方針で貫いておられまして、大きな基本的な問題はありませんけれども、問題はその運用についての考え方なのであります。
 以下、今日までの議論を通じて、逐次、政府によって枠がはめられてきましたこの運用についての若干につきまして、軍事的な合理性という観点からの私の意見も交えて申し上げてみようと思うわけであります。
 その第一は、相手が武力攻撃を行う以前に我が先制的な攻撃を行うことはできないということ。このことは、開戦後といえども、実際に我を攻撃する、大きな被害が出ると認定される場合以外は不可であるとされている点であります。この後段は、バルチック艦隊を要撃した日本海軍の行動の例示に対して当時政府が示されたものであります。これはいわゆる自衛権発動の第一原則の、我が国に対する急迫不正な侵害があった場合という根拠に基づくものと思います。
 しかし、このことは例えば我が航空力が必然的に、開戦後、極めて短期間で壊滅的な打撃を受けることを覚悟せざるを得ないということにもなるわけであります。また、開戦後の武力行使につきましてもこのような拘束を受けるとすれば、まともな作戦の遂行は極めて困難になると考えられるところであります。
 その第二の運用上のはめられた枠は、他国の領空、領海、領土での武力行使はいけない、相手の国内の基地は開戦後といえども攻撃できない、武装機による偵察もできないという点であります。もっとも、法理論的には、座しておれば死を得たざるを得ないような場合に、ほかに手段がなければその基地をたたくことは、憲法の趣旨から自衛の範囲と考えて差し支えないと。これは三十一年に政府が出された見解でございますが、これもその後の論議の中で、だからといって、このような能力を平素から持つことは許されないとされているわけであります。
 考えてみますと、そのような万一に処する能力を持たない。まして、そのような訓練もできないわけでございます。どうして死活存亡の関頭に立って自衛の目的をそれて達成できるのだろうか、こういう疑念を抱かないわけにはいかないわけでございます。
 さらに、第三の枠でございますが、これは公海、公空から相手の領海、領空に向かってミサイルを発射する目的で公海、公空に行くことも建前としては不可であって、この場合、日本の領域からの発射を含み、その行動は憲法九条の自衛の範囲がどうかを検討し、判断することが必要であると、このようにされておることであります。
 この第二と第三につきましては、侵害の排除は必要最小限度の力の行使にとどめるという自衛権発動の第三原則によるものかと思うわけでございます。このような具体的な枠による拘束というのは、結局目隠しで相手と戦えということになるのじゃないかと思います。また、追尾攻撃をしていま一歩で撃滅できるかもしれないというときに回れ右をしなければならないということにもなろうかと思います。火事は降りかかってくる火の粉を消すだけで消すことができるのだという錯覚の上に立っておるとしか考えられないわけであります。かつて専守防衛を双葉山に例えられた官房長官がおられましたが、双葉山は受けて立った後、自分が腕組みをしたままで相手が倒れたわけではないわけであります。私は、この第二と第三の拘束というものは、戦術行動として勝つことの道をみずから封じたものと、このようにも思えてなりません。
 以上、従来の政府の具体的な見解の幾つかを申し上げたわけでありますが、これらは自衛行動というものを軍事的な合理性というものを無視して、みずから極めて困難というよりも、その達成をほとんど不可能にしておるということを私はあえて指摘をさしていただいたわけでございます。
 かつてある官房長官が、軍事的には大変難しいかもしれない、しかし我々はこのような選択をしたのだ、難しいが手段を尽くしてやらなければならないのだ、こういう趣旨を私の質問に対して答えられたことがございます。確かに予算を必要なだけ投じたり、兵力や装備を画期的に充実強化することによって、ある程度これらの枠による不利というものはカバーすることができる面もないわけではないと思います。しかし、これらの拘束による基本的な不利、欠陥というのは、軍事力の本質から決して抜本的に救済できる性質のものではない、私はそう思っております。
 大変長々と申し上げたわけでありますが、専守防衛はあくまでも我が憲法下、日本の防衛政策の基本であることを私も確信をしておる一人であります。この精神を貫かなければならないことは言うまでもないわけであります。ただ、この我が憲法下の自衛行動の範囲についての解釈は自衛というものの原点に立って、その目的が達成されるように具体的に軍事的な合理性との接点が探究されなけりゃならないのじゃないか。そうでないと、自衛隊そのものがあるいは絵にかいたもちになりかねないし、国の存立を危うくすることにもなりかねないのだと深く憂うるわけであります。特にきょうこの席で私がこの問題を取り上げましたのは、もちろんこれは極めて重要な問題であるからでありますが、同時に、私が申し上げましたこの内容というのは、ほかの政治家にはなかなかわかってもらえないけれども、総理には十分に御理解いただけるのじゃないか、また当時の防衛庁長官としてお考えになった場合、内容と現状とは大分隔たりがあるのじゃないかなと、そのような懸念も持つからであります。どうかこれについての総理の具体的かつ率直な御見解を承りたい、このように思います。
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中曽根康弘#5
○国務大臣(中曽根康弘君) 専守防衛という考え方は日本の憲法に根差しておりまして、それに基づいて当時国防の基本原則という五原則が決められております。これは現在も厳然として存在するものであります。その国防基本原則の上に立ちまして、受動的な戦略体制に徹して、この受動的な防衛戦略の基本に立って、しかも自衛権を全うするに値するだけの必要最小限の装備と力を持つ、そういう考えに立っておるものであります。具体的な問題については今まで歴代の政府及び政府委員が国会で御答弁申し上げているとおりでございますが、基本的な点はやはり個別的自衛権の範囲でなければならない。それからもう一つは、外国に脅威を与えるような侵略的な攻撃的兵器は持たない、そういう範囲内において日本の領土、領空、領海を守り抜く。しかも、想定されているものは、防衛計画の大綱におきましては、やはり限定的な非核の、小規模のいわば局所的な侵略に対抗して独力で撃攘できるという装備を持ちつつそれを果たす、そういうことが今行われておる防衛計画の大綱の基礎にある考え方、それはいわゆる基盤防衛力とも他面言われますが、そういう基本的構えと姿勢、運用というものを我々は専守防衛というふうに考えておるわけであります。
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堀江正夫#6
○堀江正夫君 よくおっしゃる意味はわかるわけであります。ただ、私が申し上げましたことは、当然憲法の精神に基づいてやるわけでありますが、これは国の存亡をかけた事態におけるところの武力の行使でございます。これに当たりまして、ただ憲法の観念論だけで部隊行動の軍事的な原則というものが没却されて、果たしてその目的が達成できるのだろうかということを懸念するからでございまして、この憲法の精神のもとで、その解釈において、私はやはり軍事的な合理性というものも十分に加味していかなければならないのじゃないかと、こう深く思うからでございまして、どうかひとつこの点は、総理の御見識とリーダーシップによってその接点を探求するようにしていただきたいと心からお願いをする次第でございます。
 次は、防衛計画大綱の基本的な考え方についてお尋ねしたいと思います。
 私は、五十二年につくられました防衛計画の大綱を達成するための防衛庁の計画を昨年政府計画に格上げをされまして、中期防衛力整備計画を策定されましたことを、当面の政策として妥当かつ適切なものと十分に評価するものでございます。ただ、考えてみますと、五十二年にこの大綱を作成された当時、基本としておったところの情勢や目標というのは、言うまでもなく米ソが戦うというようなことはないのだ、しかし極東ソ連軍は能力的にも地政学的にも、他に関係なく日本への小規模、限定的な侵攻を可能にしておる、したがって、目標とする防衛力は平和時の領空侵犯その他の各種行動に対処できることを基本としながら、あわせて今申し上げましたような侵略に独力で対処できる程度の防衛力を主として質の改善によってつくり上げようというものであったと思います。しかし、その後大きく情勢が変わってきたことは私がちょうちょうを要しないところでございます。
 その第一は、情勢が全般的に極めて厳しくなった。第二は、我が国に対する侵攻は基本的に米ソ戦等の一環としか考えにくくなってきた。すなわち、単独でほかに関係なく日本への侵攻というものはほとんど考えられないようになってきたということ。第三は、侵攻能力が当時考えられていたものよりも質的にも量的にも画期的に増強されておるということ。第四は、我が日本に対する米の支援能力に変化を来しておるということ。さらに申し上げますと、第五は、日本の経済力と国際的な地位と責任が当時とは比較にならないほど大きくなったということなどでございます。すなわち、現在は大綱とは基本的な幾つかの面で大きく違ってきたということでございます。質の強化等によって大綱の基本は変える必要はないという説もあります。それによって対処できるのだということも言われております。しかし、今申し上げましたような客観情勢の変化をどのように見ておられるのだろうかということがお尋ねする第一点でございます。
 そして第二点として、中期防衛力整備計画の三年後のローリングの道が開かれておるわけでありますが、この三年後のローリングのときに、今申し上げましたような点を勘案して検討されるべきではないだろうか。もちろん現代の状況では、計画そのものがまだ達成できていないのだからこの達成が第一だという意味もわかるわけでございますが、単に基本的な大綱の考え方をそのままにして、別表の総枠内で陸海空の指揮をとるだけでは余りにも矛盾が多い、理論的にも整合性がない。その後の変化に対応できるものとはならないのじゃないか、このような懸念を持っておるわけであります。
 この二点をお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
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中曽根康弘#7
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛計画の大綱をつくりましたときの国際情勢の判断に関しては、基本的枠組みにおいてはそう変化はしていない。しかし、最近の極東におけるソ連軍の増強というものはかなり強力なものが出てきている、そのように認識しております。しかし、抑止と均衡という考え方に立ちまして見た場合には、あの大綱をつくるときの基本的枠組み自体は変化していない、そういうふうに大まかにまずとらえております。
 それから、大綱自体にも明記しておるところでございますが、科学技術の変化に相応して質的に効率化し合理化する、そういうことは自由を認められておるわけであり、現にそのようにF104がF4になり、あるいはF15になるというふうに変化もしておるわけであり、あるいは大綱の別表の中のいろいろな仕切り等についても、大綱の枠の中におきまして仕切りの変化をつくるということも必ずしも禁止されておるわけではない。もちろんその場合には国防会議とかあるいは閣議の決定を必要としますけれども、そういうような基本的な考えに立ちまして、大綱というものを維持しつつ我々は効率化していきたい、また変化に対応していきたい、また現にやってきた、こういうことであります。
 そこで、大綱のローリングの問題でございますが、我々はこの間新五カ年の中期計画をつくりました。あれをまず大綱を達成する努力目標としてつくったわけでありまして、あの五カ年計画を忠実に実現するように今後とも汗を流して努力していきたい。その間はあの五カ年計画を変更するという考えはありません。言いかえれば、大綱及び五カ年計画の枠内において改革、改善を行っていくという考えに立ちます。もちろん三年たつとローリングをやりますけれども、それは次の段階を目指してのいろいろな新しい構想あるいは改革点等をとらえた改革論としての見直しというものが当然出てくるべきであり、それはあくまで研究、検討の段階として考えらるべきものであると思いますが、新中期五カ年計画に関する限りはこれを実行していく、そういう考えに立っておるものでございます。
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久保亘#8
○久保亘君 昨日来、衆参の本会議で問題になっておりまして、総理からもたびたびお答えがされている問題でもございますが。私はリビアに対するアメリカの武力攻撃について、この際、お尋ねをしたいと思います。
 私は、いかなるテロ行為も一切これを認めてはならないと思っております。しかし、テロ防止を理由として、多くの一般市民を巻き添えにして殺傷する軍事行動が認められていいはずはないと思うのであります。日米首脳会談で、アメリカがリビアに対して近く必要な措置をとるという、武力行使を示唆するような説明をしたと報道されておりますが、総理はこのようなレーガン大統領の説明に対して、日本の首相としてどのような立場を御主張になったのでしょうか。
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中曽根康弘#9
○国務大臣(中曽根康弘君) キャンプデービッドにおきまして私とレーガン大統領夫妻と三人で会食をしておりました。いろいろよもやま話があった中に、その懇談の中に出てきたのがリビアの問題でありまして、大統領は、ベルリンのあのテロについてはリビア政府が関与している、そういう確実な証拠が出てきておる、それは事前においてもそうであったし、事後においてもそれをアメリカは確認しておると。こういうような情勢で、しかも、アメリカの在外公館そのほかに対するテロの危険性というものは各地にまた存在しているという話がありまして、自衛のためにアメリカとしては近い将来必要な措置をとらざるを得ないという話がありまして、いつ、どこで、何をするかというような話はもちろんなく、いわゆる外交上の事前通告というような、そういう話ではなかったのであります。いろいろなよもやま話をしている中にそういう話が出ておりましたから、私はそのまま聞き流しておった。
 それで、後で安倍外務大臣に会いまして、安倍外務大臣の方に聞きましたら、シュルツ国務長官からやはり同じような話があったということを聞いて、それで安倍外務大臣のステートメントをワシントンで出した、そういうことであります。その基本的な考え方は、米国が今回の攻撃をリビアのテロに対する自衛のための措置であると説明していることについては、米国としての理由があるのであろうが、詳細については承知していないので、事態の推移を重大な関心を持って見守る。我が国としては、国際テロ事件が頻発し、今後事態が一層悪化、拡大することを深く憂慮し、事態の正常化、鎮静化を強く希望する。我が国は、従来より、理由のいかんを問わずいかなる形の国際テロにも断固反対しており、今後とも国際社会全体の問題としてこれらテロ防止のための国際協力を積極的に推進していきたい。これが日本の立場でございます。
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久保亘#10
○久保亘君 国際テロを一切否定するという立場はよくわかります。しかし、今の総理の御発言をお聞きいたしましても、アメリカの武力制裁に対して、これをやむを得ないものとして認めるのか、これは認められないものなのか、そこのところについて日本政府としての見解は私はないと思うのです。そこがあいまいになっているところであります。何か「自衛のために」という言葉を力説されますと、自衛のためにあの武力攻撃は容認されるというような意味にも聞こえるのであります。私は、いかなる理由があっても、一般市民を多数殺傷するようなそういう軍事行動が日本の立場で認められるべきはずはないと思う。
 総理は、国際連合の総会で演説をされまして、平和憲法を人類至高の理想としてお話しになったはずであります。であるとするならば、平和を志向する日本国憲法の立場に立ては、いかなる紛争も武力で解決することは日本は認めていないのであります。それならば、今度のリビアに対するアメリカの軍事攻撃に対しては、これは日本政府としては認めるわけにはいかぬという日本政府の立場が明確になるべきなのではないでしょうか。
 今の御報告を聞きましても、どうもアメリカ側の立場の説明はあるが、そこから先は何もない。あなた自身も、キャンプデービッドでレーガン大統領から話があったが聞き流しておいた、こういうことになっておりまして、主体的な日本政府の責任者としての立場が全く明らかにされていないから、そこをお聞きしているのであります。
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中曽根康弘#11
○国務大臣(中曽根康弘君) 外務大臣がステートメントとして正式に出しましたこれが日本政府の立場でありまして、以上に尽きるものであります。
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久保亘#12
○久保亘君 外務大臣のステートメントも今お読み上げになりましたけれども、そこにも日本政府が今度のその武力行使をどう評価するかということについては触れられておりません。それは我々日本国民としては日本政府がどう評価したのかというのがわからないのであります。そこを説明してください。
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中曽根康弘#13
○国務大臣(中曽根康弘君) 今申し上げましたとおりでございまして、自衛権の問題云々という国際法上の解釈その他については我々は当事者でもないし、また確実な資料を日本が直接握っているわけでもありませんから、それに対する論評は避けておる次第であります。
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久保亘#14
○久保亘君 短い時間ですから、これ以上お聞きしても総理のお立場を御説明願えぬのではなかろうと思いますが、私は武力制裁で国際テロが防止できるとは思わないのであります。むしろ武力制裁を加えることによってこの国際的なテロが思わぬところに波及するおそれさえ、今日世界じゅうの報道ではその懸念が伝えられているのでありまして、日本の総理として今回のアメリカの軍事行動に対して日本政府の評価を加えることができないとするならば、今回のような武力行使を再び繰り返すことについてこれは否定さるべきものとお考えになりますでしょうか。
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中曽根康弘#15
○国務大臣(中曽根康弘君) 国連憲章の精神のもとに各国は動くべきであり、国連加盟国はそういう責任があると思います。しかし、国連憲章のもとにおきましては、たしか五十一条等におきまして自衛権の行使というものは認められておるわけであり、そういうような考えに立って我々は国際社会に生きておるわけであります。日本は日本の独自の憲法を持っており、また非核三原則等も持ち、個別自衛権の範囲内において我々は行動すると申し上げているのでありまして、我が国に関する行動については今まで政府がいろいろ申し上げたとおりの行動をとりますが、外国の行動等については国連加盟国は国連憲章の精神あるいはその規則のもとに行動すべきである、そういうことを申し上げる次第であります。
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久保亘#16
○久保亘君 明日、特別委員会に総理の御出席をお願いすることができませんので、この際、外交、国際経済に関連をする問題でいわゆるマルコス疑惑のことについて対外援助のあり方で少しお尋ねをしておきたいと思います。
 私は、先般アメリカの下院のアジア・太平洋小委員会のソラーズ委員長が成田で日本のテレビのインタビューを受けましたときのメモをここにとっております。そのときソラーズ委員長は、いわゆるマルコス資産の資料を読んで私が得た結論の一つは、マルコス政府は一口で言えば泥棒の集まりでした、自国の富を横領することしか考えていなかったのです、こういうことを明確に言われました。これが今のマルコス疑惑を一言であらわしたものだと思っているのであります。
 これが前マルコス大統領とフィリピン国民との関係だけの問題ならば、私はこれはフィリピンの内政の問題だと思うのであります。しかし、この疑惑に対してマルコス文書やその後サロンガ委員会等から出されてまいります資料などによって、日本の経済援助に深く絡んでおって、日本の企業がそこで活躍をしてこのようなマルコスの、泥棒の集まりとアメリカの国会議員に言われるような不正が長年にわたってやられてきた、これは日本政府としても重大な関心を持ちその責任を感じざるを得ない問題だと思うのであります。
 そして、このマルコス疑惑の最も日本の海外援助と絡んで的確に言いあらわしている言葉は、「世界」の四月号に引用されております。そこにある閣僚経験者の発言として、「援助のカネは機密費みたいなもんだ。どこの国へいくら、と国会で決めるわけじゃなし、どう使われているか国民にはほとんど知らされていない。おまけに、もっと増やせ、増やせだ。政治資金というタマゴを産むニワトリとしては、とびきり上等だよ」、こういう元閣僚経験者の言葉として引用がございます。これがこの日本の海外援助の欠陥を最も端的に言いあらわしておる。そして、その海外援助の欠陥が今日、泥棒の集まり、自国の宮を横領することだけを考えていたと言われるようなフィリピンの政権をつくり出した。こういうことになれば、その海外援助の根本を見直すことが今我々にとって最も重要なことではないだろうかと思うのでありますが、今回のマルコス疑惑に象徴的に出てまいります対外援助の見直しについて総理はどのようにお考えになっており、具体的にどのようなことを政府の関係者に指示しておられるのか、承りたいと思います。
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中曽根康弘#17
○国務大臣(中曽根康弘君) 政府は、対外援助の適正かつ効果的、効率的な実施を確保すべく事前調査の充実、交換公文における援助資金の適正使用及び施設、機材等の適正な使用、維持の義務づけ、それから評価活動の充実等の諸措置を講じておるわけでございます。
 いわゆる円ローンというものを出す場合にも、まず事前に調査を綿密にやりまして、そしてちゃんとその使用方法等につきましても交換公文で義務づけてやっておる。また、外務省は、それらの今までの協力についてこれを人を派遣したり、そのほか調査も行いまして評価もやってきておる。概して言えば、東南アジアあるいはアフリカあるいは南米、そのほかの国々に対して日本は相当大きな経済協力、援助をやっておりますが非常に感謝されておるところでありまして、フィリピンのような例は例外中の例外であると考えて、今後も対外援助は日本の国策の大きな大事な要素であるとして我々は実行してまいりたいと思っております。これはまた日本の国際公約でもあり、各国が日本に期待している点でもあります。
 ただ、フィリピンの問題につきましては、疑惑とかうわさとかいろいろございますから、この真相究明については政府も誠意を持って努力してまいりたいと思っております。そして、もし万一日本の国法に触れるようなことがあり、あるいは汚職とかそういう疑惑が濃厚であるとか、あるいは政治倫理に触れるというような具体的な事案が出てきた場合には、フィリピン政府とも協議して必要な資料の交換とか協議も行う、そういうことも十分あり得ると考えておりますが、今はそういう段階ではないのであります。
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久保亘#18
○久保亘君 対外経済援助が日本の国際的な役割として非常に重要であり、これからもますます重要になってくるということについては私も総理のお考えに異議はありません。しかし、ますますその役割が重要になり大きくなってくればくるだけ、この経済援助が目的に沿って正しく使われなければならないのでありまして、フィリピンを例外と言い切っていいのかどうかということについても、前にもインドネシアをめぐる問題もいろいろと論議されたことがございます。また、ソウル地下鉄の問題も国会で議論されたこともございます。だからこれは経済援助の役割が大きくなればなるだけ、そういう疑惑を生まないようにやっていくことについて政府の責任をきちんとしなければならない。
 ところが、今総理がおっしゃったようなことは、これは行政府の内部の問題でありまして、それで足りないから問題が起きているのであります。私がわざわざ先ほど閣僚経験者の言葉として使われているものを読み上げましたのは、どこの国へ幾らいったと国会で決めるわけじゃない、これを国会で審議できるようにしなければいけないと思うのであります。また、どう使われたか国民にはほとんど知らされていない。国民の税金や預貯金を使っているのでありますから国民にその使い道と効果がはっきりわかるようにしなければ、こういう疑惑は再発の可能性を持つのであります。今は交換公文でさえも国会には提出されていないのであります。ましてやOECFの審議過程のいろいろな資料や契約内容などについては全く秘密にされているのであります。
 五十七年に通産省がアジア経済研究所に委託をいたしまして、この円借款プロジェクトのフィリピンの代表的な一つである日比友好道路を中心とする効果の測定をやりました。その報告書は五十七年の十二月に提出されたはずでありますが、驚くことにこれすら部外秘のように扱われて外には一切出てこなかった。最近になって、直接通産省からではなく私どもはこの文書を手に入れております。そういうところに問題があるのではないか。
 政府は、極力海外援助に関する中身を国会の審議に供すること、この海外援助の使い道や効果について、国民のお金を預かってやっているのですから国民に知らせる、そういうことをやらなければこれらの疑惑は私は根絶されないと思うのであります。今行政府内部の措置についてはおっしゃいましたが、対国民、対国会について総理は、いわゆるマルコス疑惑のようなものをなくしていくために私が申し上げたような御処置をおとりになるお考えはございませんか。
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中曽根康弘#19
○国務大臣(中曽根康弘君) 対外援助は、御存じのように政府対政府の間で協定を結んでやるものであります。日本政府とフィリピン政府、あるいは日本政府とタイ政府、あるいは日本政府とインド政府、そういうふうに政府と政府の間でやるものであります。したがって、政府間のそういう話し合い、協定等については日本政府としては厳格にその条件等も規定もし、また公正に行われるようにやっておるわけです。それで援助が行われた場合には、今度は相手側政府がこれをその政府の方針に従って企業と契約するなり、いろいろな諸般のことでその国の条件に従って、また、日本との協定の基準に従ってそれは自由に相手方政府はおやりになっておる部分があるわけであります。したがって、その相手国政府と企業との関係その他について我々が関知するということはできない立場にあるわけであります。しかし、そういう問題が起こるというようなことになれば相手国政府に対して照会するということもなきにしもあらずであると、そうは思っておりますが、原則的にはそういう立場で、契約内容その他については我々としては関知する立場にない、そういうことであると御了解願いたい。
 しかし、フィリピンに対する第何次円借款について、総額幾ら、いつどうしたと、そういうようなことは外務省からも発表されており、各国、インドネシアの場合でも、あるいはインドの場合でも、あるいはエジプトの場合でもそれは発表しておるわけなのでございます。
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久保亘#20
○久保亘君 確かに部分的なその発表はございます。しかし、それはこの経済援助の中身を十分私どもが議論するようなものとはなっていないのであります。しかも、今日、フィリピンの疑惑に限って言うならば、マルコス文書それからフィリピン自体が出している資料、証言、こういうものがたくさんございます。この中には明らかに日本の国民の税金が不当、不正に使われたのではないかと思われる内容を多く含んでいるわけであります。
 だから、疑惑を解明して今後経済援助が正しく使われるようにしなければならないというならば、その疑惑を解明するためには、今疑惑として出されている一切の資料が正確であるかどうかを確認するために、これに対応する政府の資料を出してもらわなければいかぬのであります。しかし、この資料を一切政府が出さないというならば、政府がフィリピンにおけるいろいろな疑惑にこの疑惑を隠すことにおいて加担していると言われても仕方がない。だから、今後行われる契約とかいろいろなプロジェクトを進めていくために、公表できない時間的な制約を持っている資料などを無理に出せと言っているのではないのであります。疑惑の解明に必要な資料については、政府がみずから、または国会が求めればこれは積極的に公表し、国会での審議に付する、こういう態度を政府がおとりになることが今後の海外経済援助を根本から見直していくまず第一歩であると思うのでありますが、その点で中曽根内閣として御協力いただけますでしょうか。
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中曽根康弘#21
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本の政治及び行政は、日本国国家、日本の憲法のもとに法治国家として運用されておるのでありまして、したがって、日本の国法に違反して、汚職事件であるとか、あるいは違法事件、あるいは政治家の名前が具体的にどうこうというのが証拠を持って出てきた場合には、これは政治倫理の問題になるでしょう。そういう国法に違反する、それに類するような問題が出てきた場合には、これは日本の問題でございますから、政府としては全力を挙げて真相究明にも努力し、そして非違があればこれは摘発していかなければならぬところであります。しかし、そういうものが出てきていないという状況のもとにおいて相手国政府に対して、相手国政府が何もしないという状況のもとにこちらからどうこうするということは内政干渉の疑いも出てきます。そういう意味におきましても、やはり我々としては国際法を守りつつ、その範囲内において、また日本の国法を遵守するという範囲内において事を行っていかなければならない、そう思っておるのであります。
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久保亘#22
○久保亘君 結局、突き詰めていけばなかなか資料の提出には協力できないというふうに聞こえるのでありますが、それでは疑惑の解明を政府みずから壁をされると、こういうことになると私は思うのでありまして、やはり今度のいわゆるマルコス疑惑については、まず疑惑の中身を日本とのかかわりにおいて明らかにする、これが一つ。そしてこのような疑惑を将来にわたって生まないようにするために経済援助のあり方を徹底的に見直しをやる、こういうことだと思うのでありまして、この国会の論議に対して、視点に対して中曽根内閣として十分な協力が行われるべきものだと私は思っております。今日の段階においてはそれは政府の義務とも考えている。国際的協力についても、ソラーズ委員長も日米の協力ができれば大変いいということを言っておられる。フィリピンの関係者もそのようなことをしばしば発言されております。だから、そういう意味で私はもっと資料の提出や証人の証言を得ることについて政府は積極的な態度をおとりになるべきだということを主張して、時間が参りましたので私の質問を終わります。
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和田教美#23
○和田教美君 私はまず、SDI研究参加の問題についてお尋ねしたいと思います。
 政府は、きょう、SDI研究に参加するかどうか、それを検討するための関係五閣僚協議をスタートさせたはずであります。今まで政府はSDI研究を理解という態度をとってこられたのですけれども、これによってSDI研究参加を検討するという方向へ一歩踏み出したのかどうか、そういうふうに受け取っていいのかどうか、それが第一点です。
 それで、きょう、さきに帰国しましたSDI官民合同調査団のリポートというものが我々の手にも配られてきましたけれども、これを見ますと、技術的には明らかにSDI研究参加に前向きの態度を打ち出しておるというふうに私は受け取ります。総理はこれをどう評価されておるか。
 それから、いつまでも結論を出さないというわけにもいかぬでしょうから、大体いつごろ政府の態度決定をするのか。
 その三点についてまずお尋ねしたいと思います。
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中曽根康弘#24
○国務大臣(中曽根康弘君) 本日朝、内閣官房長官主宰のもとに、外務、防衛、通産、科学技術庁の関係四閣僚間の会合が開催され、先般のSDI官民合同調査団の調査結果について報告が行われたと承知しています。
 SDI研究参加問題についての我が国の対応は、まず基本的には理解するということであり、そして今検討中である、そういうのが依然として続いている状況でございます。
 それから、調査団のリポートにつきましては、私はその概要を読んだだけでございますけれども、これは、一九九〇年代の初めごろアメリカの大統領やアメリカの国会がこのSDIというものをどうするかということを決めるための今の基礎科学的調査研究をしている段階であります。それで、その調査研究というものは局部的にはかなり進んでおる部分もある、そういうようなことでアメリカ国内においては取り扱われている、こういうことが私の記憶に残っているところです。したがって、開発とかこれを配備するという問題とは別であって、大統領や国会がそういうことを将来していいか悪いか、そういうものを判断するその基礎研究あるいは技術的研究を今やっておる、そういう段階の過程の問題である、私は報告書を読んでそう感じた、それが非常に強く印象に残ったところであります。
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和田教美#25
○和田教美君 いつごろ決めるかということについて。
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中曽根康弘#26
○国務大臣(中曽根康弘君) これはいつというタイムリミットは決めないで、今政府内部でこの報告書等を検討しまして、政府内部でいろいろ今研究を始めておる、そういうことであります。やはり外国のやり方等も研究する必要もありますし、科学技術的な面もありましょうし、あるいは制度面からの検討もございましょうし、技術面からの検討もございましょう。そういう意味において、政府として真剣に取り組んでそれらを研究している、そういう段階でございます。
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和田教美#27
○和田教美君 今度の東京サミットでは、先進国経済の持続的成長を維持するため各国の経済構造の調整をどう進めるかが重要なテーマになるとされております。それに関連いたしまして総理は、さきの日米首脳会談でレーガン大統領に、今後日本経済を輸出志向型から輸入志向型に変えていくと約束されて、例の経構研の報告を引き合いに出して、そこに盛られた提言を政策に移していくと約束をされたわけでございますけれども、総理はきょうの緊急質問でも、それは対米公約ではないというふうにおっしゃっております。しかし、アメリカ側がこの前川報告を高く評価して、そして事実上国際公約というふうに受け取っているというところが非常に問題だろうと思うのですけれども、どうも総理の発言を聞いておると、この問題についてアメリカ向けと国内向けと言い方を要するに使い分けているのではないかという印象を受けるのですが、いかがですか。
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中曽根康弘#28
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は一貫して同じことを言っておるのでありまして、使い分けているというようなことはございません。きょう参議院本会議で御報告を申し上げたとおりの言動も行い、そういう考えも持っておるという次第であります。
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和田教美#29
○和田教美君 また、日米会談では、日米高級事務レベル協議でマクロの経済構造問題についての対話を行うことに合意しております。外務省は、これは日本のこの経済構造転換についてアメリカ側が一方的に注文をつけるような性質のものではないというふうに言っております。しかし、このダイアローグの合意のいきさつから見まして、結局日本が前川レポートにあるような構造転換を実際にやるかどうかについて米側が監視する、そしてその達成度を見るという、そういうことで非常に不公平な運用になる危険性がないかどうか。そうなれば一種の内政干渉になると思うのですが、総理の見解はいかがですか。
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