中曽根康弘の発言 (本会議)

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○国務大臣(中曽根康弘君) 小野議員の御質問にお答えをいたします。
 まず第一問は、戦後政治の総決算にかかわるものでございます。
 私は、この施政方針演説でも申し上げましたが、戦後四十年の日本の民主政治というものについては非常に高く評価しておるものであり、このいいところをますます伸ばしていこう、しかし、ひずみや悪いところも出てきておるからこれは直しておこう、そして二十一世紀へ向かっての軌道を正しく設定しよう、こういう意味で申し上げまして、国際国家への前進、あるいは行財政改革、あるいは教育、あるいは税制の改革、そのほかの改革に邁進する、これは二十一世紀への準備であり、国際国家への準備でありますと、こういうふうに申し上げたのであります。
 我々自民党はよく保守主義と言われますが、英国のバークという政治家がリフォーム・ツー・プリザーブという言葉を言っております。つまり、保持せんがために改革する、改革が目的である、しかしそれはいいものを残して保持しようとするために改革するのだと、こういうことを言っておりますが、我々はこういうような基本的な態度をとっておるのでございます。社会党も先般新宣言に移行されましたが、これもやはり保持せんがために改革するというお考えであって、一種のこれも総決算ではないかと私は拝察しておるのでございます。
 次に、靖国神社の公式参拝の問題でございます。
 私がやりました公式参拝は、戦没者の追悼を行うことを目的としたものでありまして、過去の我が国の戦争行為を正当化しようなどと思ってやったことでは絶対にございません。追悼を中心にして、平和と不戦の誓いを新たにしようという意味で私は参ったのであります。関係方面については理解をいただくように一生懸命努力いたしまして、最近におきましては理解が極めて深まっていい状態になっておる、このように考えております。
 安全保障会議の設置の問題でございますが、これは、従来の国防会議の任務に加えまして、例えば大韓航空機の緊急事件のようなもの、あるいはダッカにおけるハイジャックのように国際関係に重大関係を及ぼす問題をも所掌させようと、今までそのような問題に対する内閣の仕組みというものがなかったのでございます。そういう意味において、ふだんからそのような仕組みをつくっておこうというので、今回、安全保障会議設置ということに決まったのでございまして、いずれ法案を提出いたしますので、よろしくお願い申し上げる次第であります。
 ゴルバチョフ軍縮提案につきましては、私は今回このような提案をいたしたこと自体については評価をいたしております。そして、三段階に分けまして二〇〇〇年に至るまでの考え方を示されたことについては、私はその積極的意図については評価しておるものであります。
 その中でも、例えばINFの問題、これは従前とは若干微妙なニュアンスの差があります。あるいは検証についてさらに積極的に前進してきたようなしるしもございます。あるいはさらに化学兵器の廃絶に向かって一段と強く主張してきたような様相もございます。これらの点やあるいはいわゆる大型のICBM等の処理、大体二分の一に減らそうとか、六千発以内にしようとか、そういうことも言っておられますが、内容についてまだ不明確の点が非常に多うございます。しかし、これらを取っかかりにいたしまして、アメリカとの間でさらに合理的な前進が行われるように期待をしたいのであります。我々は側面的にもそれが実るように協力してまいりたい、このように考えております。
 特に検証の問題は、現実的、具体的に軍縮やあるいは核兵器の廃絶を進めていくために大事な一つの手段でございまして、これらにつきましては、日本も地震探知その他でかなりの実績を持っておる国でございますから、積極的にも貢献してまいりたい、このように考えております。
 次に、日本の防衛に関しまして、いわゆる抑止論から脱却すべきではないかという御質問でございますけれども、遺憾ながら現在の国際情勢は核の抑止と均衡によりまして維持されている、まことに残念ではありますがそうであります。私は、前から核兵器というものは業の兵器である、一たん相手が持ったらこっちも持たざるを得ない、そしてそれが増殖していく傾向にある、これはまさに業の兵器と言うべきで、日本はかかる中に埋没し、入るべきではないと、このように申し上げているとおりなのでございます。
 しかし、このような抑止と均衡によって、いわば、悪い言葉でございますが、恐怖の均衡によって平和が維持されていることは冷厳な事実であります。この事実に基づいて、このレベルダウンを次第次第に行っていって廃絶まで持っていく、そういう具体的、現実的方法が必要であります。ゴルバチョフ提案におきましても、二〇〇〇年までかかって三段階というふうに分けた構想を示しているというのは、一挙にいかないということを知っているからでありまして、そのためには具体的、現実的にそれを有効に実現する道を見つけようと、そういう考え方から三段階にも分けておるのでありまして、私はこれも均衡と抑止に基づいて言われていると、そう考えておるのでございます。
 次に、SDIの問題でございますが、私はレーガン大統領から直接説明を受けまして、これは非核兵器であり防衛兵器である、そして核兵器の廃絶を目的とするということを聞きまして、それはよく理解すると、そういうふうに申し上げたのでございます。しかし、この参加の問題につきましては、SDIというものが今後どういうふうに発展していくか、その内容がどういうものであるか、その他について慎重によく検討する必要がありますので、目下、調査検討を続けているという状態でございます。
 次に、ソ連との間の長期経済協力協定の締結という御質問でございますが、やはり日ソ間の最大の我々側の問題は、領土問題を解決して平和条約を締結して長期的安定関係を樹立するということでございます。それがやはり一番の基本でございまして、これが妨害されるようなことがあってはならない、そう考えております。
 日ソ間におきましては、経済問題あるいは文化問題、人材交流問題、さまざまな問題がありまして、これらも我々はもちろん考えていかなければならぬと思っております。しかし、一番基本にあるこの問題を回避してそれらはできないのであります。そういう意味において、私は、包括的に、基本をわきまえつつやろうと、そういうふうに申し上げておるのでございます。両方においてそういう政治的な安定、安心感というものが出てきて、初めて経済的にも長期的なそういう問題が芽生えてくる。現在の状態におきましては、やはり経済は経済で、一つ一つケース・バイ・ケースで話し合いをしていく、しかし我々としては友好関係を増進したいと。漁業問題もございますし、さまざまな文化問題もございますし、そういう考えにおきましては対話を積極的に強化していきたい、そのように考えておるところでございます。
 次に、東京サミットの問題でございますが、これはアジアで開かれるサミットでございますから、しかも世界経済全般が、昨年の五カ国蔵相会議の通貨調整の結果、微妙に将来が心配されている面もなきにしもあらずでございます。また、米ソの首脳会談も行われ、第二回会談が次に行われるという状態でもございます。そういう意味におきまして、世界が異常な関心を持って眺めておるやさきの東京サミットでございますから、この七カ国の首脳はこれらの問題について忌憚なき話し合いをして、世界経済の安定、特に発展途上国や債務国に対する措置の問題、あるいは日本側からすれば、アジアにおいて開かれるものでございますから、太平洋、大西洋協力関係を設定する第一歩にいたしたい、そういうようなさまざまな意味を持った有益なサミットにいたしたい、そう考えており、また平和と軍縮の問題につきましては、ジュネーブ会談が開かれたこと、そもそもその一つの理由としては、やはり西側が結束しておったということがございます。
 ヨーロッパにおきましてもいろいろ平和攻勢や何かがあったようでございますが、オランダにおいてもドイツにおいても、やはり国家としてまとまり、あるいは西欧の一員としての立場をしっかりとってきた。そういう意味において、自由主義陣営が結束、連帯を維持していくということは、平和を確保し、軍縮を推進していくときにも役立ってきていると、ジュネーブ会談が証明していると私は思うのです。そういう意味におきまして、東京サミットにおきましてもこれらの自由主義陣営の連帯と結束というものを私たちはさらに進めていくよすがにいたしたい、こう考えております。
 次に、防衛努力と対米関係でございますけれども、アメリカの議会が日本の防衛について関心を持っておることは当然でございます。日米安保条約によりまして、アメリカもいざという場合には日本を守る責任を持っております。相当の負担もかかります。そういう意味において、アメリカの税金を支払っている方々に議員の皆さんが非常に注意しているということは当然考えられることでございます。しかし、日本の防衛はあくまで日本の憲法のもとに日本の国策に基づいて自主的に決められるべきものでありまして、アメリカの決議やアメリカの意向というものは我々が施策を推進していく上の一つの参考として我々は考える、このように考えておるところでございます。
 次に、中期防衛力整備計画と海空重視論の問題でございます。
 防衛計画の大綱の基本的枠組みのもとに、我が国の地理的特性あるいは諸外国の技術的水準、あるいは周辺の軍事力の情勢、そういうものをすべて総合的に勘案いたしつつ、日本の防衛力を効率的に節度のあるものにして自主的に整備していく、かかる観点から中期防衛力整備計画は編成されました。その中におきましても、本土の防空あるいは海上交通の安全確保、あるいは洋上や水際撃破能力の強化、あるいは陸上における対処能力の向上、こういう点を中心に今回の中期防衛力整備計画はつくらせた次第でございます。もとより、平和憲法のもとに我が国の国策に従って推進していくということは論をまたないところであります。
 いわゆるGNP一%の問題につきましては、これはGNPというものがどういうふうに今後変化するか、給与の改定がどういうふうに行われるか、景気の動向がどうであるか、そういう問題にすべてかかっております。しかし、いずれにせよ、三木内閣が防衛関係費に関係いたしましてつくりました閣議決定につきましては、これを尊重し、守りたいと念願しておる次第でございます。
 次に、財政運営の問題でございます。
 昭和六十一年度予算におきましても、この六十一年度の景気の動向については深甚の注意を払いまして、景気の維持拡大に積極的に努力してまいる予算を編成した次第でございます。現在の景気の状況自体は内需中心の緩やかな拡大局面にございます。もちろん円高によりまして一部の中小企業等に苦難が来ていることは事実でございます。それらにつきましては、我々は最大限注意深く手当てをしていかなければならぬと思いますが、昨年の十月及び十二月の二度の内需振興政策等、あるいはさらに今回の公定歩合の引き下げ等によりまして、六十一年度につきましては四%程度の成長はできる見込みでございます。
 公共投資につきましては、財政運営の関係から見まして、赤字国債に頼るとかあるいは建設国債をやたら増大するという点は考えものであります。我々は現在百三十三兆の国債を抱えており、来年三月にはこれが百四十三兆になる予定でございます。そうして、六十一年度予算において国債費だけでも十一兆三千億円を先取りされるという状態で、財政の運営が極めて弾力性を失いつつあります。そういう面からいたしましても、できるだけ公債の元利払いの負担から解放される、そういうことが大事でございまして、そういう面に注意しつつ公債を増大させないように、減らすように、六十五年度赤字依存体質から脱却するというこの目標はあくまで貫徹するように今後とも努力してまいるつもりであります。
 社会資本の整備につきましては、厳しい財政事情でございますが、公共事業関係については、総額として前年度を多少下回りますけれども、一般公共事業の事業費は、民間資金の活用、財投の活用等によりまして、昨年が約三・七%増でございますが、ことしは四・三%増、住宅関係の資金まで入れますとこれが六・四%でございましたか、その程度の増になるように取り計らっておるところでございます。社会資本の整備は非常に重要でございまして、特に日本はストックがおくれておりますから、住宅対策あるいは防災安全対策、あるいは下水道対策、そういう問題についても力を入れてまいりたいと思っております。
 減税につきましては、シャウプ税制以来の三十数年の経過から見まして、このゆがみ、ひずみ、あるいは特にサラリーマンに対する重税感、こういう問題を直す必要はある、そういう意味において今、政府税調に諮問しておるところでございます。大体、春のうちに減税政策を出していただこう、そして秋までにこの財源措置まで含めた一体とした案をつくりまして、そして法案を準備したい、そういう関係で今進めております。今回、所得税の減税を行わなかったのは、このような抜本的な大規模の減税案を今諮問しているところでございまして、六十一年度は、今その中途の段階でもございますので、減税は行わないということにいたしたのでございます。
 実質四%成長達成のための政策いかんということでございますが、ただいま申し上げましたような諸施策、さらに本年度の経済の動向も見据えまして、適切かつ機動的な財政と金融の運営を行っていきたい、さらに民間活力を最大限に発揮するように法的準備もひとつ検討したい、このように考えておる次第でございます。
 先ほど来申し上げましたように、来年三月には百四十三兆の公債累積になり、たしか昭和六十五年度になりますと、今のような情勢で公債を減額していったとしても、公債費というものは十五、六兆以上になる危険性がございます。そういう点を考えますと、やはり財政が出動することは将来においてもかなり厳しい、増税ということをやるということは国民は歓迎しない。そういういろいろな面を考えてみますと、民活を思い切ってやる以外にはない、民間には膨大な貯蓄がございます。そういう意味においてデレギュレーション、これをさらにもう一段前進させまして、全国におきまして民間活動が活発に行われるように法的規制を緩和して、民間の力を十分に発揮するようにさらに進めたい。そう考えまして、江崎国務大臣等にも特にその検討をお願いしておるところでございます。
 さらに、増税なき財政再建という考え方は一貫して今後も進めていきます。今回、若干の増税と見られるものがございますが、これは大体毎年行われている調整限度にとどめておるのでございます。臨調答申はあくまでも尊重してまいりたい、こう考えております。
 国鉄再建監理委員会の職務についてでございますが、関係各方面の意見を約二年間にわたりまして再建監理委員会は聴取して、「国鉄改革に関する意見」を作成したと考えております。やはり委員が議論を自由に行いまして外部から拘束を受けないようにするためには審議を非公開にするということが適切である、そう考えており、そして定期的にこの審議会の会長が記者会見等を行いまして経過報告をやっておりますが、私はこのようなやり方が適切であると考えております。
 国鉄再建にとって一番重要なことは、一つはこの雇用問題と、もう一つは長期債務の処理でございました。この点につきましては、政府は責任を持って行わなければならないというので、雇用対策につきましては、全内閣を挙げて今手分けをして進めておるところでございます。政府自体がやること、あるいは公社公団等にも協力を頼むこと、地方公共団体等についてもお願いすること、それから財界にお願いすること、こういう点で今懸命の努力を運輸大臣も行って、着々と雇用対策については進められ、私は明るい方向に向かっていると確信しておるものでございます。
 また、長期債務の問題については、これはいわゆる国鉄、旧国鉄と申しますか、これがいろいろ土地を売るとかあるいは節約するとか諸般の政策を行い、最終的に残ったものにつきましては、新会社が負担すべきものと、それから最終的には国がやはり面倒を見なければならぬ分もある。こういうふうに区分けをいたしまして、その区分けに基づいて国において処理すべきものは処理しよう、こういう考えに立脚しておるところでございます。具体的な処理につきましては、さらにその展開の状況を見据えまして、財政の歳入歳出全般との見合わせでこれを最終的に検討し、決定していきたいと考えております。
 国鉄分割に伴いまして国民の便益の確保の問題でございますが、やはりある程度の競争原理が働きませんと国民の便益は確保されない、サービスはよくならない、そういうことであります。私鉄と国鉄の能率性やサービス性等を見ますと、今までいろいろ言われて、国鉄に弱点があると指摘されております。そういう面から見ましても、競争原理を活用する、あるいは民間の手法を導入するということは必要である。現在、当面することは、いかにして鉄道の機能を存続させて、そして従業員に心配のないような始末を行っていくかということなのであります。既に国鉄の年金財政はパンク状態に陥らんとしております。これだけを救うだけでも大変なことで、関係労働組合にもいろいろ御迷惑をお願いしておるところでございます。
 そういうような諸般の面を考えてみますと、やはり国民全体が納得のいく処理が行われなければ国鉄の改革は推進できないということでございます。国民全体が納得がいくということは、サービスの向上であるとかあるいは経営の能率化であるとか、そういういろいろな面がございまして、我々は、そういう点に十分対応できるような案をつくって国会に提出したいと考えているわけであります。
 教育の問題で、いじめの問題についての御質問でございますが、これはやはり社会的背景あるいは家庭や学校の問題等も複雑に絡み合っていると思います。何といっても学校で起こる問題ですから、先生と学校がまずしっかりしていただかなければいけない。数年前に東京都下で不幸な事件が中学に起きましたが、校長先生以下が一体になって懸命な努力をして、一年間で解消したという例がございます。そういうことも見まして、やはり先生と学校がまず第一である、それから家庭の父母が次である、それから教育委員会やそれを取り巻く社会環境が協力しなければならない、そういう考えに立ちまして、真剣に政府としても協力してまいりたいと考えておるところであります。
 教育の荒廃に関する御質問でございますが、今、臨教審におきましては第二次答申に向けて懸命な努力をいたしております。教育改革に寄せる国民の期待は非常に大きいものがございまして、臨教審も深く広く掘り下げてこれを行っていかなければならないと思いますし、今そのようにやっていただきまして、いずれ第二次答申がこの春のうちに提出される、これが大体基幹部分をなすものであると推察いたしておりますが、提出されましたら、検討いたしまして最大限に尊重して実行する考えでおります。
 特に、御指摘の偏差値教育という問題については、これはやはり社会的な背景、特に学歴偏重の社会的風潮、あるいは学校や教師の指導のあり方、あるいは過度の受験競争、こういういろいろな問題が絡み合っております。この問題の解決には、学校における指導体制の改革と同時に、入学者の選抜制度の改革とか教育内容の改革とか、さらにひいては、このバックグラウンドをなしているのは学歴社会という日本の社会の風潮でございます。そういう面についてメスを入れていかなければこの抜本的改革はできません。そういうあらゆる面について、我々は強い改革を行わんとしておるところでございます。
 学校の内部において適切な規則を定めて生徒を誘導しているということは、私は当然であると思います。特に小学校や中学校という場合には、人間として生きていく基本の型を教えることが大事であります。礼儀であるとか、あるいは弱い者をいじめないとか、そういう基本の型を教える。そういうためには、学校に校則があるということは私は必要であると思っておるのであります。しかし、その校則が余りにも章条的な細か過ぎる煩瑣なものであってはならない。生徒を伸び伸びと自由に伸ばしてあげる、そういうていのものでなければならない。それらは学校と教育委員会が独自に御判断なさってやっていただくことである、そのように考えております。
 国庫補助負担率の引き下げと地方財政の問題でございますが、この問題については、地方に御迷惑をおかけして非常に恐縮に存じておるところでございます。六十一年度予算においては、補助金問題関係閣僚会議の決定に基づいて、補助金問題検討会の報告の趣旨を踏まえまして、今回、社会経済情勢の推移等も勘案して補助金の全般的な見直しを行ったところでございまして、御理解をいただきたいと思う次第でございます。六十二年度以降についても、各年度の地方財政収支見通しに基づき所要の地方財政対策を講じつつ、地方団体の財政運営に支障が生じないように対処していくつもりでございます。
 職務執行命令訴訟制度の見直しの問題でございますが、機関委任事務の整理合理化は、国と地方との関係に係る長年の議題でありました。あわせて、機関委任事務の適正な執行の確保もまた大事な点でもございます。行革審は、機関委任事務の整理合理化とともに、職務執行命令訴訟制度の見直し、あるいは首長の罷免制度の廃止を提言しておりました。しかし、事柄は国と地方との関係の基本にかかわる重大な問題であり、地方制度調査会等の意見も十分に聴取しながら調整を進めまして、今回所要の法律案を提出する予定でございます。
 食糧の安定確保については、前から申し上げますように、農は国のもとであり、農業は生命産業であると申し上げているとおりで、厳しい財政事情の中におきましても食糧の安定供給に必要な予算は確保した次第であります。特に、生産性の向上とバイオテクノロジー、そのほかの科学技術の新しい前進、こういう面については力を入れようと考えておるところでございます。
 最後に、私の施政方針演説についての御質問、お言葉がございましたが、「天上天下唯我独尊」という言葉は、人間の尊厳を知れ、人間はみんな平等であってお互いに尊厳性を持っている、そういう釈迦の言葉を引用したものなのでございます。私は、今後は公約を実行して、謙虚に国民の御期待に沿うように努力するつもりであります。(拍手)
   〔国務大臣安倍晋太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 110415254X00319860130_004

発言者: 中曽根康弘

speaker_id: 15356

日付: 1986-01-30

院: 参議院

会議名: 本会議