中曽根康弘の発言 (本会議)
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○国務大臣(中曽根康弘君) 上田議員にお答えをいたします。
まず、最初にお話しになりました新潟県下の雪崩の遭難者に対しまして、政府といたしましても心から哀悼の意を表し、国土庁長官を早速現地に派遣いたしまして、関係各省挙げて今対策に万全を期しておる次第でございます。
なお、私の姿勢につきまして温かい御指導をいただきまして、謹んでお礼申し上げる次第でございます。
まず、定数是正の問題につきましては、先ほどもお答えいたしましたとおり、前国会におきまして各党の努力にかかわらず成立を見なかったことは遺憾でございます。この問題につきましては、衆議院議長の御見解が示され、かつ衆議院本会議の決議もなされたところでありまして、各党間の協議、協調により、今国会において速やかに定数是正が実現できるように努力してまいるつもりでおります。
米ソ首脳会談及び両国への働きかけでございますが、ともかく、大きな相違点は残しつつも軍備管理交渉の促進について合意を見たということは慶賀すべきことでございます。新たな出発点と、そう申しておるようでございますが、私もこれが真に新たな出発点として実りある結論を得るように深く期待をしております。我が国といたしましても、従来同様、側面的にもこれが実るように積極的に協力してまいりたいと思います。
ゴルバチョフ書記長の提案につきましては、先ほど申し上げましたように、二〇〇〇年に至るまでの三段階に分けて、究極的には核廃絶を行うという目標で提案がなされております。そして、検証の問題、INFの問題あるいは化学兵器の禁止の問題等について若干我々が注目すべき提案もあるように思います。しかし、我々といたしましては、アジアにおけるSS20がどういう処理を受けるか、この点についても重大な関心を持っておるのでございまして、先般のシェワルナゼ外務大臣との会談におきましても、私は極東における、最近におけるソ連軍の増強問題、北方四島における軍事的強化の問題、あるいはアジアにおけるSS20の展開問題について重大な憂慮を示しまして、それに対して我々の国民が納得するような措置を行わんことを切に要望した次第なのでございます。ヨーロッパにおいてINF、SS20が削減されるという場合には、アジアにおきましてもそれに比例してこの削減が行われるように強く望んでおる次第なのでございます。
次に、安全保障条約の事務レベルの協議の問題でございますが、さきの日米安保事務レベル協議におきましては、ソ連の軍事力増強の情勢、特に極東への配備の情勢等について説明もあり、両国の防衛努力について具体的にいろいろ協議をし、そして意見の一致を見た点もあるのでございます。国際情勢は依然として事実上厳しい状況にあると思います。我々はいたずらに幻想を抱くものではございません。しかし、現実の立場に立って、一歩一歩事態が打開するように善意を持って努力していくことが大事である、そう考えております。我が国としては、日米安保体制を基本的に堅持するとともに、自衛のために必要な範囲内の防衛力を憲法に従って整備していく、防衛計画の大綱の水準達成に向かって努力していく、こういう考えで今後とも努力してまいるつもりでおります。
外相間の定期協議がソ連との間に行われます。この約束は評価するものであり、かつ、私とゴルバチョフ両首脳の会談について約束が行われましたことも評価しておる次第でございます。前から申し上げますように、手ごわい相手に対してはできるだけ対話の機会を多くし、相互理解を進めるという努力が必要であると、そう考えております。今後とも、領土問題を解決して平和条約を締結するために粘り強く交渉もし、対話を深めていきたいと考えておるところであります。
領土問題につきましては、先般来申し上げているとおり、これは我が国の最大の重要事項でございまして、避けて通ることはできない問題であり、不退転の決意を持って全国民とともに北方領土を我々の手元に返す努力を継続していくつもりでおります。
今回のサミットにつきましては、昨年の秋のレーガン・ゴルバチョフ会談あるいはG5の経済調整等々の結果にかんがみまして、国際的にも非常に注目されているサミットであると思います。まず、経済の持続的成長をいかに確保するか、国際的な通貨の安定措置をいかに協議するか、自由貿易体制、特にガットの九月における閣僚会議に向けていかに準備を進めていくか、あるいは発展途上国の問題や累積債務国の問題、さらに太平洋、大西洋両洋協力の問題をいかに具体的に進めていくか等々の問題について、明るい展望をもたらすようなサミットにしていきたいと考えておる次第でございます。
このサミットの開催都市の問題でございましたが、京都も、また宮崎も点検したところでございます。しかし、何といっても一つは交通問題がございます。それから安全保障、警備の問題等があり、特に京都の場合には、市民に対して交通途絶その他でかなり迷惑を及ぼすという危険性もございました。また、最後に宮中におきまして天皇陛下の晩さん会が行われることもございまして、場所を移動することはいかがであるかと、そういうような諸般の点を考えまして東京に決めた次第でありまして、御理解をいただきたいと思う次第でございます。
景気の先行き等については、鉱工業生産は今のところ一進一退でございますが、しかし全般的には緩やかにまだ成長拡大を続けていると、こう考えておりまして、今後も景気の動向については深甚なる注意を行いまして、財政的にあるいは金融的にできるだけ機動的な措置を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
公共事業の上半期への集中の問題でございますが、現在の状態では、全体としては緩やかな拡大傾向を続けております。六十一年度のこの施策につきましては、経済の実態、情勢をよく見きわめつつ、与党とも相談をしてまいりたい、そう考えております。五十九年度、六十年度においては自然体で執行をいたしました。六十一年度につきましても、今申し上げたような情勢を踏まえつつ、与党とも相談してまいりたいと考えておるところでございます。
東京湾横断道路、明石海峡大橋の事業につきましては、いよいよこれを実行するということを決定いたしまして、所要の予算並びに法律的措置を講じていくつもりでございます。漁業調査とか地質調査とか、環境アセスメント等からまず始めるということになると思います。
六十五年度赤字公債依存体質からの脱却、これはあくまで貫徹する決心で努力してまいるつもりでございます。なかなか厳しい状況になってきていることは私も承知しておりますが、しかしこれを一たん崩すということになると、やはり相当な行政需要や予算要求等が出てまいりまして今までの努力が水泡に帰する危険性もございますし、現在の国債の累積状況を見ますというと、決して財政を緩めるような状況にはないのでございます。何としても財政の対応力を回復して、自由な政策が展開できるような基礎をつくることが今重大でございまして、我々としては、懸命の努力を国民の御理解をいただいてやりたいと思っております。
なお、中期的な展望については、中期展望及び仮定計算例を国会にお示しすべく準備しているところでございます。
次に、税制改革の問題でございますが、これらにつきましては、先般来申し上げましたとおり、この春に税調より、まず税の重圧感、ひずみ、減税、これらに関する答申をいただきまして、秋に財源措置も講じた一体としたものをつくりまして、法制の準備をいたしたいと考えております。
教育改革につきましては、第二次答申の基礎となる「審議経過の概要」が先般公表されました。第二次答申の提出については重大な関心を持って今見守っておるところでございますが、この答申を得ましたら、最大限に尊重して実行していきたいと思います。
国鉄改革につきましても、今やじんぜん日を送ることは許されない喫緊の課題になってきております。従業員の皆様方にもいろいろ御心配をおかけしていますが、御心配のないようにやることが政府の仕事であり、かつ国民の皆さんの御協力を得られるようなやり方で推進することが大事であります。今回、三塚大臣を運輸大臣に任命いたしましたのも、そういう点についてそごのないように十分腕前を発揮してもらいたいと思ってやったところでございます。
残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手)
〔国務大臣安倍晋太郎君登壇、拍手〕