服部信吾の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○服部信吾君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和五十九年度決算について、中曽根総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 決算議題に入る前に、総理の政治姿勢について若干お伺いいたします。
 まず初めに、昨日総理は、各野党との党首会談を行ったわけでありますけれども、その内容と感想を率直に述べていただきたい。野党側としては、去る五月十二日、円高における影響が余りにも大きく、早急にこの対策を練るべく総理に党首会談を要求したわけでありますが、総理は打ちひしがれていて要求に応じなかったわけであります。もしその時点で応じていれば、総理の言われる円高立法も会期中において成立していたわけであります。会期末を一日に控えて応じたということに対して総理はどのように弁明するのか。総理の考え方は、円高対策を犠牲にしておくらせ、会期末ぎりぎりまで持っていき、総理の望んでいる衆参同日選挙を行い、自分自身の三選、延命を図るものだとの一部批判があるわけでありますが、総理はこの批判に対してどのように答えるのか。
 また、我々は、総理が意図する同日選挙は憲法に定められた二院制に反し、参院の緊急集会に支障を来し、さらに参院の独自性を破壊し、参院無用論を助長するもので、断固反対するものであります。
 また、総理は円高立法を考えていると言われておりますが、その内容について述べていただきたい。また、仮に円高立法を提出するなら、行政指導で徹底的な救済策を行い、解散含みの臨時国会に出すのではなく、参院選後、時間をかけてしっかりとした対処をすべきであると考えるかどうか。政局不安定の中、ここで衆参同日選挙ということにでもなれば、かえって円高に苦しんでいる中小企業の方々に大きな影響を与えるのではないか。総理の御見解をお伺いしたい。
 次に、総理は、定数是正法案が国会を通過した後、総裁談話を発表するようであります。新聞報道によりますと、定数是正がなされ、速やかに合憲の国会が実現することが望ましいとの内容となっておるようでありますが、このような談話を発表する理由は何か。もし総理が考えている臨時国会を召集し衆参同日選挙を行うためのものであるならば、これは党利党略以外の何物でもないとの批判は免れないのであります。また、違憲の疑いのある同日選挙で合憲の国会をつくることは矛盾すると思うかどうか。総理の明快なる答弁を求めるものであります。
 次に、五十九年度の経済運営についてお伺いいたします。
 我が国経済は、現在このような急激かつ大幅な円高に見舞われ、産業界を中心に厳しい状況に追い込まれております。私は、今日のような事態は、ここ数年政府が内需拡大を怠り、外需依存の経済成長を放置してきた結果であると言わざるを得ません。円高の背景となっている我が国の経常黒字は、五十八年度において政府見通しの九十億ドルを大幅に上回る二百四十二億ドルに達し、本来であれば、五十九年度予算において積極的な内需拡大策を実施し、経常黒字の縮小に取り組むべきであったのであります。
 ところが政府は、五十九年度の税制改正で七年ぶりの本格的な所得減税と喧伝したものの、その見返りにそれを上回る増税を行い、しかも公共料金の値上げ、さらに健康保険の被用者本人の給付率の引き下げ等福祉の後退を強行し、国民は厳しい生活を強いられたのであります。これでは消費拡大につながらず、内需拡大に弾みがつかないのも当然であります。私は、五十九年度政府の財政、経済運営は極めて問題があったと指摘せざるを得ないのであります。外需依存型経済をさらに拡大させた五十九年経済運営について、総理の御所見を伺うものであります。
 次に、円高対策について具体的にお伺いいたします。
 昨年九月以来、余りにも急激に高騰する円相場は、我が国の輸出関連企業、特に中小零細企業に対して大きな打撃を与えているのが現状であります。そこで、我が党は、かかる深刻な事態を重視し、本年三月から四月にかけて全国の中小下請企業千社における実態調査を行ったところですが、その結果に基づいて若干質問を行います。
 調査結果によると、中小企業において大変厳しい金融事情と、仕事がない、何とか仕事を確保してほしいとの要請があったわけですが、そこでまずお伺いしたいことは、政府系中小企業金融機関の融資限度額の引き上げ、金利の一層の引き下げを図るとともに、既往貸付金の返済条件の緩和、信用保険法に基づく普通保険、無担保保険及び特別小口保険の付保限度額の引き上げを図るべきであると思うかどうか。
 円高差損を理由に親企業から不当な圧迫を受けている中小企業を守るため、親企業に対する監視指導を行い、下請代金支払遅延等防止法の運用強化、下請企業振興協会の下請あっせん業務を強化し、公共事業等に係る元請業者への代金支払いについては現金で支払うよう指導監視すべきと思うかどうか。国及び地方公共団体は、中小企業の仕事量を増加するため地元中小企業への優先発注、官公需適格組合の積極的活用に努めるべきと思うかどうか。
 最後に、円高問題の相談窓口を地方通産局、地方自治体、商工会等に設け、円高から中小企業を守るべく、きめ細かな経営の相談事業を早急かつ適切にすべきと思うかどうか。この点についてお答えを願いたい。
 次に、行政改革について若干お伺いいたします。
 第二次臨時行政調査会の後設置された臨時行政改革推進審議会の最終答申も間近でありますが、この改革審解散後、これにかわる行革の推進を監視するための第三者機関の必要性を含め、総理の考えをお伺いしたいと思います。あわせて、今後の大きな課題であります国と地方との職務権限及び財源の再配分にどのように取り組まれていかれるのか、方針をお伺いいたします。
 次に、マルコス疑惑の解明についてお伺いいたします。
 この疑惑解明については、衆参両院において特別委員会を設置し、当初、政府は積極的な取り組みの姿勢を示したわけでありますが、いざこの委員会を開催してみると、その積極姿勢は全くかけ声倒れのポーズにすぎないのであります。重要質問に対しては何ら解明のための前向きの答弁はせず、我が国の疑惑企業に対する資料要求に対しては企業秘密等の理由によって何ら提出しておらず、何のための特別委員会かと言わざるを得ません。そこで、ここでお伺いしたいことは、現在我が国において一兆円以上の国民の血税を海外援助に投入していることを考えるなら、早急に会計検査院法を改正し、これら援助に対する実りある検査ができるようにすべきではないのか。また、現在進められているODA開発援助による第三次中期目標四百億ドル計画について見直しをしないのか。また、政府開発援助基本法の制定を急ぐべきではないかと思うが、あわせてお伺いをしておきます。
 最後に、スポーツのあり方が教育に与える影響を総理及び文部大臣にお伺いいたします。
 最近のアマチュアスポーツ界の傾向として、従来のあり方とは根本的に異なるような商業主義の台頭とアマチュアリズムの急激な後退という現象が見られているのであります。例えば、日本陸上競技連盟の選手への出場料、賞金の還元や日本サッカー協会の賞金つき大会の実施決定もこういう流れの一例でありますが、このような傾向が今後強まることにより、物質的利益や名声を追い求めないというアマチュアリズムの精神が失われていくことを危惧するのであります。特に、我が国のスポーツが学校教育を中心に発達し、心身育成のための教育の重要な方法として取り入れられてきた側面を考えても、商業主義の台頭によって金のためのスポーツという金権主義的考え方が中学、高校生などを初めとする青少年へ波及し、教育に非常な悪影響を及ぼすのではないかと思うのであります。これらの点に対してどのような対応策を講じていくつもりなのか、お伺いしたい。
 また、このようなアマチュアスポーツ界の流れの中で、今回、日本体育協会が制定したスポーツ憲章は、全く現状を追認しただけのものと言ってよいのであります。この憲章によれば、体協加盟の各種競技団体の競技者規程は各団体に全く任されており、選手の金品受領やプロ選手登録の是否について体協が口を挟まないことになっているのはアマチュアスポーツ界の総本山と自負する体協の形骸化であり、責任放棄と言ってよいと思うのであります。この点の歯どめ措置は必要と考えますが、文部大臣の見解をお伺いいたします。
 次に、体育、スポーツ関係の補助金についてであります。
 近年の文教関係予算の抑制傾向の中でスポーツ関係の補助金も圧縮されており、例えば日本体育協会に対する補助金もこの五年間、毎年度一億円程度削減されている状況であります。こういったことがアマチュアスポーツ界の商業主義への接近の一要因となっているとしたら、政府の施策がこのような方向を助長しているとも言えるのであります。教育を看板に掲げる中曽根内閣としても、青少年の育成、スポーツ振興からもこれらに対する予算の重点配分を行うべきではないかと考えますが、総理、文部大臣の見解をお伺いいたします。
 また、今回のスポーツ憲章の制定に当たっては、体育協会に加盟していない団体、特に国民の関心のある全国高校野球連盟などに対しては及ぼす影響が非常に大きいのではないかと心配するものであります。これら体協に加盟していない諸団体に対し、今後どのような話し合い、指導を行っていくのか、大臣のお考えをお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 110415254X01919860522_015

発言者: 服部信吾

speaker_id: 32414

日付: 1986-05-22

院: 参議院

会議名: 本会議