中曽根康弘の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(中曽根康弘君) 井上議員にお答えをいたします。
御所論は傾聴いたしましたが、私も中小企業政策については本当に大事な政策であると考えておるところでございます。
まず、貿易摩擦と円高の問題でございますが、我が国が国際経済社会に占める地位にふさわしい役割と責任を担い、自由貿易体制の維持強化、調和ある対外経済関係の形成及び世界経済活性化への積極的貢献、これを行うことが日本には必要であると考えております。そのために既に、市場アクセス改善のためのアクションプログラムを初め関税の引き下げ、基準・認証の改善等、着実に各分野においてかなり広範囲に政策を推進しているところでございます。今回の円高の定着を背景に、今後とも内需の拡大を図る中で、我が国市場の開放、輸入の促進、市場アクセスの改善等を推進してまいり、国際協調のための経済構造の調整を実施してまいりたい、中長期的な努力を継続していきたい、こう考えておるところであります。
為替相場の問題につきましては、長期的安定が重要でございます。そのためには、各国との政策協調が何にも増して重要でありまして、今回のサミットにおきましても、特に政策協調の点について強い合意を行ったところであります。相場の動きが急であり過ぎ、乱高下と判断される場合には適時適切に介入をいたしたいと思っており、既に実行もいたしております。今後とも、為替市場の動向には十分注意を払って、機動的に対処してまいる考えております。
中小企業に対する対策につきましては、昨年秋口以降の急激な円高に対処いたしまして、中小企業の事業転換、経営安定等を図るために、立法、金融その他の特別措置等を強化してまいってきているところであります。円高がさらに進展した現在の状況にかんがみまして、私はサミット前に関係各大臣にこれに対する対策を急ぐよう指示しておるところであり、今その詰めを行っておるという状況でございます。
預託金利の引き下げでありますが、預託金利については、時々の金利情勢のもとで、預託者側の事情、それから財投機関の事情等を総合的に勘案して決めておるものであります。現在は、長期金利の推移を注意深く見守っておるというところでございます。
抜本的な産業構造の転換の問題でございますが、我が国は中長期にわたり一層内需中心の成長を図り、国民生活水準を高める、そして世界経済の発展に貢献していく、こういう方向が正しいと思います。国際協調のための経済構造調整研究会の報告におきまして、「国際協調型経済を実現し、国際国家日本を指向していくためには、内需主導型の経済成長を図るとともに、輸出入・産業構造の抜本的な転換を推進していくことが不可欠」としておるのであります。政府は、五月一日の経済対策閣僚会議において経済構造調整推進要綱を決定し、その着実な実施に今入っておるところでございます。
財政による内需拡大につきましては、六十一年度予算は、厳しい状況のもとでございましたが、公共事業費については昨年は三・七%増がことしは四・三%増としておることは前に御報告したとおりであります。経済の安定成長の確保のためにも、財政改革を推進し財政の対応力の回復を図ることが必要であります。そのためには、やはり金融政策あるいは経済政策、景気の動向等を見守りながら、適切かつ機動的な経済運営に努めながら、財政改革に全力を挙げていく必要があると思っております。
残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕