斎藤十朗の発言 (本会議)

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○国務大臣(斎藤十朗君) お答えをいたします。
 まず、一部負担についてでございますが、今回の一部負担の引き上げは、世代間の負担の公平化、健康に対する自覚と適正な受診という観点からお願いしているものでありまして、医療費の抑制を目的とするものではございません。また、病気の早期発見、早期治療の観点から、健康診査等の保健事業を計画的に進めてきたところであり、引き続き昭和六十二年度を初年度とする第二次五カ年計画の策定等により、その一層の推進を図る所存であります。
 次に、老人医療の世代間の負担につきましては、現在、四兆円を超える老人医療費のうちお年寄りの一部負担は約一・六%であり、残りの大部分は若い世代の負担に負っている実情にあります。このため、増加の避けられない老人医療費をお年寄りも若い世代も公平に負担するという観点から今回の改正をお願いしているものであります。
 一方、保険外負担の問題につきましては、従来からその負担を適正な範囲のものとするなど指導、是正に努めてきており、今後ともその徹底を図ってまいります。また、保険外負担について、昨年、全国の老人病院に対する調査を行ったところであり、その調査結果は実態を反映したものと考えておりますが、今後ともこの調査結果を踏まえ、さらに実態の把握に努めてまいる所存であります。
 次に、国保との関連についてのお尋ねでございますが、退職者医療の影響については、政府としてはあらゆる努力を重ね、六十年度に国保持別交付金千三百六十七億円を措置したところであり、今後とも市町村国保の安定的な運営が行われるよう配慮してまいる所存であります。また、老人保健法改正法の実施時期のおくれにより市町村国保財政に大きな影響が生じておりますので、一日も早い改正法の成立をお願いいたしますとともに、市町村国保の安定的な運営が図られるよう十分誠意を持って対応してまいる所存であります。
 次に、国保の保険料については、高齢者を国保が多く抱える結果、比較的負担が高くなっておりますが、今回の老人保健制度の改革により老人医療費の公平な負担が図られる結果、負担の軽減が図られるものと考えております。給付が低く保険料が高いという中沢議員の御指摘の問題につきましては、六十年代後半のできるだけ早い時期に実施を予定しているいわゆる医療保険制度の一元化の中で解決してまいりたいと考えております。
 他制度から拠出を求めるのであれば国の負担をふやせとの御指摘でありますが、今回の改正は、老人医療費を各制度で公平に負担することを目的とするものであります。また、現行の国保の国庫負担については、事業主負担がないことや低所得者が多いこと等を勘案し、他制度に比べ高率の負担を行っているところであります。なお、全制度を通ずる給付と負担の公平化については、六十年代後半のできるだけ早い時期に実施する方向で引き続き検討してまいる所存であります。
 次に、老人保健施設についてのお尋ねでありますが、この施設は寝たきり老人等の医療と生活の両面のニードに積極的に対応するために創設するものであり、単なる財政対策として御提案申し上げたものではありません。施設創設後も、特別養護老人ホームにつきましては、着実にその整備を推進していく考えであります。また、入院治療の必要な方は病院において、入院治療は必要がないが在宅での療養が困難な方は老人保健施設において、それぞれの心身の状態にふさわしいサービスを提供できるようにいたしたいと考えております。
 次に、保健事業についてのお尋ねでありますが、保健事業は市町村が必要な要員、施設を確保してみずから実施することが原則でありますが、これが困難な場合等は地域の関係機関に委託できることとしております。委託先については、保健所等の公的機関を原則とするよう指導してきておりますが、住民の利便や公的機関の配置状況等も踏まえ、民間医療機関への委託も一部認めております。なお、この場合においてもその水準が適正に保たれるよう配慮いたしてまいります。
 老人保健事業の実施状況につきましては、これまで第一次計画に基づき計画的に実施してまいりました結果、ほぼ全市町村で事業が実施され、また、脳卒中や胃がん等の死亡率の減少が見られるなど、着実に成果を上げてきております。第二次計画においては、第一次計画の実績も踏まえ、地域住民の多様なニーズにきめ細かく応じられるよう循環器疾患、がん等について魅力ある健診づくりを図るなど、質的な工夫、改善を凝らし、保健事業の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
 最後に、保健所運営費交付金についてのお尋ねでありますが、地域保健対策について、人口の高齢化等に伴い、二十一世紀を見通した体系の見直が必要となっており、保健所業務については、当面老人保健対策、精神保健対策、医療計画の推進等の重要施策の充実を図ることが必要と考えており、そのための予算要求を行っているところであります。一方、近年の行財政改革推進の趣旨から、国庫補助金についての厳しい見直しが要請さているところであります。このため、来年度の予算要求においては、保健所運営費交付金について、老人保健事業等に要する経費以外の一部の経費について、国庫補助の対象から除外して一般財源化することといたしております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕

発言情報

speech_id: 110705254X00619861017_023

発言者: 斎藤十朗

speaker_id: 20119

日付: 1986-10-17

院: 衆議院

会議名: 本会議