中曽根康弘の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 木下議員にお答えをいたします。
 まず、円高の問題でございますが、この原因はどこにあるかと言われますれば、先ほど来申し上げましたように、日本の膨大な黒字の累積、この経済の強さというものが基礎にありまして、そこに変動相場制を採用しておるものでございますから、昨年のG5以降、円ドルの調整が行われたというところでございます。しかし、今後の問題等につきましても、経済構造の調整等も今我々は懸命に努力もいたし、また、膨大な黒字をできるだけ減らすように努力もいたしておりまして、この状況の変化に応じて為替相場もまた変わっていくものである、そう考えておりまして、去年来行われましたこの急激な乱高下というものについては、我々はこれに対する適切な調整政策も将来考えていかなければならぬ、そう考えておるところでございます。
 次に、空洞化への対応の問題でございますが、海外直接投資の問題については、内需を中心とした景気の着実な拡大、これを通じて雇用機会及び景気の着実な伸展というものを拡大してまいりたいと考えております。自由経済下、貿易の自由化のもとにおきましては、やはり資本あるいは産業等の流動性というものは当然考えられるところでございますが、しかし、これが過度に行われるという場合には、必然的にいわゆる空洞化であるとか雇用問題が出てまいります。そういう点につきましては、深甚の注意を払って対策は考えてまいるべきであると考えております。
 次に、円レートの問題でございますが、いわゆるターゲットゾーンという考え方につきましては、どの程度に為替相場の水準を決めるかという点にまず問題がありますし、それを維持していくという問題につきましても、現在、膨大な投機筋の資金量が言われておるという状況のもとで、なかなか難しい問題があるわけであります。したがいまして、大事なことは、各国間の政策協調が重要である。そして、乱高下が行われると判断した場合には適切に介入する、こういうことでいくことが適当であると考え、東京サミットにおきましてもその線を確認したところであります。
 次に、四%成長の問題でございますが、最近の経済情勢にかんがみまして今回の総合経済対策を行い、約三兆六千億円の補正予算を組ましていただいたわけでございます。これらの仕事によりまして四%にできるだけ近づける努力をいたしておりますし、金融の弾力化というものによりましてもそれを達成するように努力してまいりたいと思っておるところでございます。
 六十五年度特例公債依存体質脱却、これはあくまで臨調、臨行審の線に沿いまして努力してまいりたいと思っておるところでございます。
 次に、税制改革と国民負担率の問題でございます。
 今回の税調答申は、財政改革につきまず徹底した経費の節減合理化を訴え、次いで税制の抜本的見直しを答申はうたっておるところで、そして、税収中立性の原則というものは堅持すべきである、こう言っております。私は、臨調答申あるいは行革審の答申を今後も守っていくと申し上げているところでございますが、いわゆる「増税なき財政再建」という考え方も守っていく、そういう考え方に立っており、今やっておる一連の仕事は、やはり臨調答申の中に含まれていることを実行しているというふうに御理解願いたいと思うのでございます。
 次に、税調答申と間接税との関係でありますが、選挙中の私の発言等も十分念頭に置いて今回の税制調査会の答申は行われていると考えております。これを受け取りまして、どのような税制を選択するかということにつきましては、私の公約を守ってもらい、与党ともよく相談をして、世論の動向も見据えながら、いよいよこれから選択し、我々は採択していきたいと考えておるところでございます。
 非課税貯蓄制度の問題につきましては、多額の利子が課税ベースから外れて所得種類間の税負担の不公平をもたらしているという現状にかんがみまして、一部、老人、母子家庭等に対してはマル優や郵便貯金の非課税制度を維持しつつ課税を行う、こういう方針で見直すことを今回の税調答申は提言しております。これらにつきましては、慎重に検討してまいりたいと考えております。
 森林・河川緊急整備税の問題につきましては、御指摘の点も多々考慮に入れ、また、関係省庁間で調整を今行っている最中でありまして、また、党内のさまざまな御議論もよく見きわめた上で判断をしていきたいと考えております。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕

発言情報

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発言者: 中曽根康弘

speaker_id: 15356

日付: 1986-10-31

院: 衆議院

会議名: 本会議