グレゴリー・クラークの発言 (国民生活に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(グレゴリー・クラーク君) 理由は二つあると思います。例えば中国人の排他性は、中国だけではない、どこの国もある程度排他的です。ただ、日本以外の国はどちらかといえば文化の次元で排他的です。人の次元でもうちょっとオープンなんです。だから、例えば中国の場合は、もし外国人に対して壁があれば、文化の次元でもっと高い壁がある。みんなそうなんです、外国で。フランスが一番極端です。人の次元でほとんど壁がないけれども、文化の次元で高い壁がある。アメリカでも人の次元でほとんど壁がないけれども、例えば共産主義者だったらアメリカの場合ビザがもらえない。イデオロギーの次元で排他的です。みんなそうなんです。日本人だけ逆です。文化の壁は低い。人の次元で壁がある。そんなに高い壁ではないです。一〇〇%だったら私きょうここにいるはずないんですから。けれども、ある程度壁があるんです。それが外国人にとって不思議な現象なんです。説明はできないんです。私も一生懸命記事とか本の中で説明しようとした。日本人の独特な国家アイデンティティー。いつも失敗に終わっています。
 日本だけこういうふうになってしまって、外国人の目から見ておかしいんです。日本人はわざと人に対しての壁をつくっている、鎖国を守るため。あるいは日本人は精神分裂症ではないか、そういう批判もありますよ、外国では。理解をされていないんです。だから、仕方がなくて、もしいわゆる人の次元で摩擦があれば、どうしても何とか解決しなければならない。
 例えば難民問題、アメリカのインテリは、私まだ覚えていますが、三年前、日本の貿易摩擦よりも日本人の難民に対しての態度の方がもっとひどいという世論調査の結果が出ました。なぜひどいか。日本は外国の文化を取り入れてそんなに恩恵を受けているのに、どうして外国の難民を取り入れたくないか。それで、私理解はできますけれども、私の方から説明はできなかったんです。それがまず一つ。
 それでもう一つ。私今大学の教師なんですけれども、一九六九年から七四年まで特派員として働きました。なぜか。さっきの話なんですが、ビザを頼みまして断られまして、日本にもう一度行くために新聞社に入りました。特派員だったら必ずビザがもらえますから、それで私の陰謀が成功しました。とにかく非常にその時代はおもしろかった、よかったと思います。
 ただ、そのときは、例えばこの間の総理大臣の発言問題がありまして、私の目から見て大した問題ではないですけれども、十年前、十五年前に同じ問題があれば、ほとんどだれも外国でも気がつかないんです。だけれども、今日になって明らかに外国人の日本に対しての意識は根本的に変わってきました。日本は、いわゆるトップでなければ、日本の政治家は何を言っても結構なんです。だけれども、外国では日本はもう一流国家になっているんです。ある意味では経済の面で怖い国なんです。それで貿易摩擦問題が外国で、特にアメリカで非常に意識されています。だから、日本はちょっと外国人の目から見て一つだけ間違いを犯せば、もうすぐ批判の的になりかねない要因がこのごろ出てきました。だから、例えば十年前と比べれば、はるかに日本はこれから慎重に行動しなければならないではないかと思います。

発言情報

speech_id: 110714330X00119861015_026

発言者: グレゴリー・クラーク

speaker_id: 312

日付: 1986-10-15

院: 参議院

会議名: 国民生活に関する調査会