宮澤喜一の発言 (本会議)

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○国務大臣(宮澤喜一君) 高齢化社会の進展に伴いまして、国民経済の中で社会保障に要する経費が増大するということは不可避なことでございます。しかも、我が国におきましては、二十一世紀に向かいまして活力ある福祉社会を形成してまいらなければならない。この道は避けることのできない重要な課題でございます。
 そこで、私どもとしましては、ただいまから社会保障制度が長期にかつ安定的に機能し得るようなものにしておかないといけないというふうに考えておりまして、将来を展望しながら、給付の面あるいは負担の面で制度の整備を行っておるわけでございまして、ただいま御審議を願っております法案も、私どもといたしましては、そのような努力の一環と考えておるわけでございます。
 そのような過程におきまして、財政もまたその負担を免れることはできません。我が国の財政にとりまして、二十一世紀を展望いたしますと、この問題があるいは最も大きな課題であるかとすら思われるほど大きな問題であると思っておりまして、そのためには、私ども今、財政改革、いろいろの努力をいたしておりますが、財政改革そのものは、これだけが目的ではございませんけれども、財政の対応力を回復しておきませんとこのような難しい問題に対処できない、そういう気持ちもございまして財政改革をいたしておるわけでございます。
 と同時に、現在、我が国の経済はかなり低迷をしておると思いますが、内外の環境が変わりまして、もう少し我が国の経済が正常に運営されますと、かつてのようなことはありませんでも、もう少しいわゆる給付力であるとか、あるいは負担力であるとか、そういうものが大きくなり得る、それだけの日本の経済は潜在力を持っておると私は考えますので、将来のことを展望いたしますと、経済の運営もやはり一つ大事な課題ではないかというふうに考えるわけでございます。
 それから当面のことでございますけれども、先ほど社会保障といったような予算は、いわゆる一律削減そのものの対象にするのは無理ではないかというお話がございました。確かに社会保障予算は、国の主要経費の中では毎年最大に増加を続けておる項目でございます。そして、おっしゃいますように、その中でもいわゆる年金の成熟化に伴います増、これがそもそも削減ができない性格のものでございますことは言われるとおりでございますから、マイナスシーリングの中でもこれはいわゆる例外増の経費として認めております。またそうするより方法はないわけでありまして、六十二年度におきましては、六十一年度に比べまして五千二百億円程度の増が見込まれるわけでございます。一律削減の対象にするのは無理だろうと言われますのはそのとおりでございまして、そのようにまた扱っております。
 それから最後に、単年度主義のもとでこの社会保障計画を遂行していくことは無理だろうというお話がございましたが、ただいま申し上げましたように、この社会保障の問題は、これから将来にわたっての問題の性格が極めてはっきりいたしておりますから、毎年の予算の都合であっちへ行ったりこっちへ行ったりするわけにはまいらない性格のものでございます。そこで、私どもとしては、長期のスケジュールを持ちながら、その年その年の問題を単年度として御審議を願っておる、決してその都度その都度であれこれするようなわけにはまいらない、またそういうことはいたしておらないつもりでございますが、そういう意味では、この問題は、財政にとりましては、殊に改革路線にあります財政にとりましては、非常に大きな負担でありますこともまた事実でございます。(拍手)
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発言情報

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発言者: 宮澤喜一

speaker_id: 13804

日付: 1986-11-26

院: 参議院

会議名: 本会議