小倉武一の発言 (予算委員会)

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○参考人(小倉武一君) お答え申し上げます。
 まず、新しいタイプの間接税の導入についての理由でございますが、これまで間接税にも種々ございますけれども、どうも経済の進展というものとうまくマッチしない嫌いがあるわけです。なかんずく物品税などはその最たるものであります。多少手直しを加えてはまいりましたけれども、これに限度があると。さらにまた、これまでの間接税は個別的でございました。個別間接税でございました。物品税もその一つでありますが、またサービスという分野、これが非常に経済の発展に伴って拡大をしてまいりましたのですが、サービス一般についての課税ということは考えられていないといいますか、そういう税制はないというふうなことで、これまでの間接税につきましては個別にいろいろ手だては講じてまいりましたけれどもそれぞれに欠点が生じてまいった、それを手直しをする、大幅に手直しをする必要があるんじゃないかということはかねて考えられておったことであります。
 さらにもう一つは、一方において所得税あるいは法人税、住民税の減税ということがあります。そういう減税の財源をどこで求めるのかということになりますと、むろんいろいろ財源はあり得ると思いますけれども、減税に限れば、税制調査会としては、あるいはまた国の財政事情からいいましても、減税ということでありますればやはりその財源は税に求めざるを得ないというような状況かと思います。
 そこで、そうなれば一つ今申しましたような間接税ということの手直し、あるいは抜本的な手直しということが考えられるのじゃないかというふうに思うわけです。また、そういうことが可能ではないかと思われる経済的な実態もございます。と申しますのは、国民所得の配分というようなものが非常に平均化してきた。貧富の差といいますか、所得の上での貧富の差というのが非常になくなりまして、階層別に見ました場合の所得の格差というのは縮小してまいったということがございます。したがいまして、そういう点から見ますというと、消費に対して税を求めるということもあながち不合理ではない、むしろある程度合理的ではないかと思われる節もあるわけであります。と申しますのは、所得課税が一番公正の理念に適しておるということでこれまでそういう意味での直接税を中心に税制が組み立てられてきたわけでありますが、何しろ所得を総合的に把握するということは、理念としては考えられることでありますが、実態としてはなかなかできにくい。その実態としてなかなかできにくい総合課税ということをそのまま実施してまいりますというとかえって不公正がそこに生じてくる。消費でありますればこれは所得のように把握が困難ではないというわけで、消費に着目して税をいただく。よく直間比率の見直しということが言われますけれども、直間比率の見直しというようなことが言われるゆえんのものはおおよそそういうところに根拠があるのではないかと思います。そういうような意味で新しいタイプの間接税の導入ということが税制調査会で多くの方々の支持を得たわけであります。
 そこで、新しい間接税のタイプでありますが、どういうものが考えられたかと申しますと、御承知のとおり、製造業者の売上税、それから事業者間の免税の売上税、それから最後が日本型の付加価値税という三つでございます。三つが典型的なタイプでありますけれども、それをまたいろいろ組み合わせる、あるいはそれにいろいろの限定をするというようなことがむろん考えられるわけでありまして、したがいましてタイプとしては三つに限らず幾つものタイプが考案でき得るかと思います。それらの長短というものについて今後なお検討がなさるべきものであるというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 小倉武一

speaker_id: 5417

日付: 1986-11-10

院: 参議院

会議名: 予算委員会