遠藤要の発言 (法務委員会)
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○遠藤国務大臣 先生のお尋ね、これは、先生のみならず一般の国民の皆さん方がそういうふうな疑問を持たれておるのではないかなと、こう思っております。私も率直に、当委員会でこんなお話を申し上げるということは軽率かもしれませんけれども、私自身法務大臣を拝命する前は先生と同じような疑問を実は持っておったわけです。それで大臣に就任直後に、法務省の首脳部を招致して、一体どうなのかということで改めてただしたという経緯がございます。その結果、一つは、平沢死刑囚はやはり間違いなく真犯人であるということを私は再確認をいたしたということが一つと、なぜこんなに、今先生のお話しのように三十数年判決を行った後に放置しておったか、これは役所の怠慢ではないかというような考えも私自身持っておったわけでございますけれども、いろいろ調査をしてみると、今刑事局長のお話しのとおり、再審請求、そして恩赦ということで十八回、五回、二十三回ということになりますると、大体一つの再審に二年かかったとしても、先生御承知のように三十何年はたっぷりかかるという点がございます。
きのうも実は参議院の法務委員会で私の心境を率直に申し上げ、マスコミからもお褒めか御批判かわかりませんけれども御指摘を受けておるというような状態ですが、やはり長く刑の執行を行わないと何が不信感が持たれるということで、役所の怠慢のそしりを受けるということになると思います。一般の自由刑とか財産刑とか、そういうような問題は直ちに執行されますけれども、死刑執行は最終的に法務大臣によって決するということは、やはり当初に先生のお話しのとおり、人命尊重と申しましょうか、人の命というのはいかにとうとく重いものかというので、慎重に慎重を期せということが、そのような状態に法が定めておるのではないかなと、こう思っております。
一部マスコミや何かでは、法務大臣はその決裁をすることを回避しているというような話もございますけれども、私の立場から言うと、各大臣とも同じ心境だろうと思いますけれども、法務大臣として就任した限りは、やはり皆さん方にも常に強調しておるように、法の秩序保持ということを言うたら、法は皆さん方に守ってもらいたいと言うとき、大臣自身が法を守っていくということは当然なことで、法に私情を絡ませるというようなことは考えてはいかぬと、こういうような点は私は持っておるわけでございます。
平沢問題について、やはり再審請求が何回も時間を待たずしてすぐすぐということで出されると、途中でそれを打ち切った例も先生のお話のとおりございますけれども、もしもこれを打ち切って執行したということになると、一体国民の皆さん方からどういうふうな反応が、あれは口をふさぐために早くやったんだというようなことで一つの疑問を残すということも、やはり法のこれからの秩序保持のためには遺憾なことでもあるという点を考え、また怠慢のそしりとか、どうも判決に対して法務省自体が疑義を持っているんじゃないかというようにもとられるということになると、一体どうすればいいのかというようなことで、再審請求の制限などということも考えてみなければならぬのかなというようなことを、きのう法務委員会で実は率直に私の心境を申し上げたわけです。それが法務省で今検討中のような報道をされましたけれども、これは私だけの、そのときの質疑応答の中で、早くやれという、早くやって軽率、何か問題があるのを口ふさぎのために執行したというようなそしりを受けてもいかぬし、余り引き延ばして怠慢のそしりと判決に対する疑問を持たせてもいかぬというようなジレンマがあったということで、そのようなお話をきのう申し上げたというわけでございます。
私自身として、この死刑の執行ということは、これは繰り返すことのできない問題でございますし、それだけに慎重を期していかなければならぬと、こう思っておるわけでございますので、その点大変愚鈍な私でございますので、それをすぱっとどっちにするかと、右をとるか左をとるかと言われても、何とも申し上げかねる心境だということを御理解をちょうだいいたしておけば幸いだと思います。