法務委員会
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会
会議録情報#0
昭和六十二年五月十五日(金曜日)
午前十時六分開議
出席委員
委員長 大塚 雄司君
理事 井出 正一君 理事 今枝 敬雄君
理事 太田 誠一君 理事 熊川 次男君
理事 保岡 興治君 理事 稲葉 誠一君
理事 中村 巖君 理事 安倍 基雄君
逢沢 一郎君 赤城 宗徳君
上村千一郎君 木部 佳昭君
佐藤 敬夫君 小澤 克介君
坂上 富男君 山花 貞夫君
橋本 文彦君 冬柴 鉄三君
安藤 巖君
出席国務大臣
法 務 大 臣 遠藤 要君
出席政府委員
内閣法制局第一
部長 関 守君
法務大臣官房長 根來 泰周君
法務大臣官房会
計課長 則定 衛君
法務大臣官房司
法法制調査部長 清水 湛君
法務省民事局長 千種 秀夫君
法務省刑事局長 岡村 泰孝君
法務省矯正局長 敷田 稔君
法務省保護局長 俵谷 利幸君
法務省人権擁護
局長 野崎 幸雄君
法務省入国管理
局長 小林 俊二君
委員外の出席者
警察庁刑事局捜
査第一課長 小杉 修二君
警察庁刑事局捜
査第二課長 古川 定昭君
警察庁刑事局保
安部生活経済課
長 上野 治男君
警察庁警備局公
安第二課長 鹿嶋 正之君
総務庁行政管理
局管理官 伊原 正躬君
経済企画庁国民
生活局消費者行
政第二課長 吉田 博君
科学技術庁原子
力安全局原子炉
規制課長 岡崎 俊雄君
外務省アジア局
中国課長 槇田 邦彦君
国税庁直税部法
人税課長 瀧川 哲男君
厚生省保健医療
局感染症対策室
長 伊藤 雅治君
厚生省保健医療
局精神保健課長 小林 秀資君
資源エネルギー
庁公益事業部原
子力発電安全審
査課長 山本 欣市君
郵政省電気通信
局電気通信事業
部電気通信技術
システム課長 小嶋 弘君
建設省建設経済
総務課長 丸田 哲司君
最高裁判所事務
総局総務局長 山口 繁君
最高裁判所事務
総局民事局長 上谷 清君
最高裁判所事務
総局刑事局長 吉丸 眞君
法務委員会調査
室長 末永 秀夫君
―――――――――――――
委員の異動
三月二十五日
辞任 補欠選任
坂上 富男君 関山 信之君
同日
辞任 補欠選任
関山 信之君 坂上 富男君
四月十四日
辞任 補欠選任
冬柴 鉄三君 大久保直彦君
同日
辞任 補欠選任
大久保直彦君 冬柴 鉄三君
同月十五日
辞任 補欠選任
冬柴 鉄三君 坂口 力君
同日
辞任 補欠選任
坂口 力君 冬柴 鉄三君
―――――――――――――
三月二十六日
民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八
一号)
刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八
二号)
刑事確定訴訟記録法案(内閣提出第八七号)(
予)
五月六日
下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出第五二号)
同月十三日
外国人登録法の一部を改正する法律案(内閣提
出第六二号)
三月二十七日
外国人登録法の改正に関する請願(稲葉誠一君
紹介)(第一二九七号)
四月十五日
外国人登録法の改正に関する請願(井上一成君
紹介)(第一六六七号)
同月十六日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(五十嵐広三君紹介)(第一八三
六号)
同(井上一成君紹介)(第一八三七号)
同外一件(伊藤茂君紹介)(第一八三八号)
同(池端清一君紹介)(第一八三九号)
同(佐藤徳雄君紹介)(第一八四〇号)
同(田口健二君紹介)(第一八四一号)
同外一件(山花貞夫君紹介)(第一八四二号)
同月二十日
外国人登録法の抜本的改正に関する請願(山花
貞夫君紹介)(第一九六二号)
同外一件(坂上富男君紹介)(第二〇三九号)
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(沢藤礼次郎君紹介)(第一九六
三号)
同(嶋崎譲君紹介)(第一九六四号)
同(安藤巖君紹介)(第二〇一八号)
同(石井郁子君紹介)(第二〇一九号)
同(浦井洋君紹介)(第二〇二〇号)
同(金子みつ君紹介)(第二〇二一号)
同外一件(金子満広君紹介)(第二〇二二号)
同(経塚幸夫君紹介)(第二〇二三号)
同(工藤晃君紹介)(第二〇二四号)
同(児玉健次君紹介)(第二〇二五号)
同(佐藤祐弘君紹介)(第二〇二六号)
同(柴田睦夫君紹介)(第二〇二七号)
同(城地豊司君紹介)(第二〇二八号)
同外一件(坂上富男君紹介)(第二〇二九号)
同(田中美智子君紹介)(第二〇三〇号)
同(辻第一君紹介)(第二〇三一号)
同(中島武敏君紹介)(第二〇三二号)
同(野間友一君紹介)(第二〇三三号)
同(東中光雄君紹介)(第二〇三四号)
同(藤田スミ君紹介)(第二〇三五号)
同(村上弘君紹介)(第二〇三六号)
同(矢島恒夫君紹介)(第二〇三七号)
同(山原健二郎君紹介)(第二〇三八号)
外国人登録法の抜本改正に関する請願(山花貞
夫君紹介)(第二〇一七号)
同月二十四日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(竹内猛君紹介)(第二一三六号
)
同(大原亨君紹介)(第二一九二号)
同(田中恒利君紹介)(第二一九三号)
同(稲葉誠一君紹介)(第二二一九号)
同外一件(小澤克介君紹介)(第二二二〇号)
同(緒方克陽君紹介)(第二二二一号)
同(寺前巖君紹介)(第二二二二号)
同(三野優美君紹介)(第二二二三号)
同(川崎寛治君紹介)(第二二七三号)
外国人登録法の改正に関する請願(稲葉誠一君
紹介)(第二二一八号)
外国人登録法の抜本的改正に関する請願外一件
(伊藤茂君紹介)(第二二二四号)
同(稲葉誠一君紹介)(第二二二五号)
同月二十七日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(高沢寅男君紹介)(第二三八三
号)
五月八日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(岡田利春君紹介)(第二七〇二
号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
四月八日
司法制度の近代化に関する陳情書
(第七六号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八
二号)
裁判所の司法行政、法務行政、検察行政、国内
治安及び人権擁護に関する件
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前十時六分開議
出席委員
委員長 大塚 雄司君
理事 井出 正一君 理事 今枝 敬雄君
理事 太田 誠一君 理事 熊川 次男君
理事 保岡 興治君 理事 稲葉 誠一君
理事 中村 巖君 理事 安倍 基雄君
逢沢 一郎君 赤城 宗徳君
上村千一郎君 木部 佳昭君
佐藤 敬夫君 小澤 克介君
坂上 富男君 山花 貞夫君
橋本 文彦君 冬柴 鉄三君
安藤 巖君
出席国務大臣
法 務 大 臣 遠藤 要君
出席政府委員
内閣法制局第一
部長 関 守君
法務大臣官房長 根來 泰周君
法務大臣官房会
計課長 則定 衛君
法務大臣官房司
法法制調査部長 清水 湛君
法務省民事局長 千種 秀夫君
法務省刑事局長 岡村 泰孝君
法務省矯正局長 敷田 稔君
法務省保護局長 俵谷 利幸君
法務省人権擁護
局長 野崎 幸雄君
法務省入国管理
局長 小林 俊二君
委員外の出席者
警察庁刑事局捜
査第一課長 小杉 修二君
警察庁刑事局捜
査第二課長 古川 定昭君
警察庁刑事局保
安部生活経済課
長 上野 治男君
警察庁警備局公
安第二課長 鹿嶋 正之君
総務庁行政管理
局管理官 伊原 正躬君
経済企画庁国民
生活局消費者行
政第二課長 吉田 博君
科学技術庁原子
力安全局原子炉
規制課長 岡崎 俊雄君
外務省アジア局
中国課長 槇田 邦彦君
国税庁直税部法
人税課長 瀧川 哲男君
厚生省保健医療
局感染症対策室
長 伊藤 雅治君
厚生省保健医療
局精神保健課長 小林 秀資君
資源エネルギー
庁公益事業部原
子力発電安全審
査課長 山本 欣市君
郵政省電気通信
局電気通信事業
部電気通信技術
システム課長 小嶋 弘君
建設省建設経済
総務課長 丸田 哲司君
最高裁判所事務
総局総務局長 山口 繁君
最高裁判所事務
総局民事局長 上谷 清君
最高裁判所事務
総局刑事局長 吉丸 眞君
法務委員会調査
室長 末永 秀夫君
―――――――――――――
委員の異動
三月二十五日
辞任 補欠選任
坂上 富男君 関山 信之君
同日
辞任 補欠選任
関山 信之君 坂上 富男君
四月十四日
辞任 補欠選任
冬柴 鉄三君 大久保直彦君
同日
辞任 補欠選任
大久保直彦君 冬柴 鉄三君
同月十五日
辞任 補欠選任
冬柴 鉄三君 坂口 力君
同日
辞任 補欠選任
坂口 力君 冬柴 鉄三君
―――――――――――――
三月二十六日
民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八
一号)
刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八
二号)
刑事確定訴訟記録法案(内閣提出第八七号)(
予)
五月六日
下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出第五二号)
同月十三日
外国人登録法の一部を改正する法律案(内閣提
出第六二号)
三月二十七日
外国人登録法の改正に関する請願(稲葉誠一君
紹介)(第一二九七号)
四月十五日
外国人登録法の改正に関する請願(井上一成君
紹介)(第一六六七号)
同月十六日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(五十嵐広三君紹介)(第一八三
六号)
同(井上一成君紹介)(第一八三七号)
同外一件(伊藤茂君紹介)(第一八三八号)
同(池端清一君紹介)(第一八三九号)
同(佐藤徳雄君紹介)(第一八四〇号)
同(田口健二君紹介)(第一八四一号)
同外一件(山花貞夫君紹介)(第一八四二号)
同月二十日
外国人登録法の抜本的改正に関する請願(山花
貞夫君紹介)(第一九六二号)
同外一件(坂上富男君紹介)(第二〇三九号)
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(沢藤礼次郎君紹介)(第一九六
三号)
同(嶋崎譲君紹介)(第一九六四号)
同(安藤巖君紹介)(第二〇一八号)
同(石井郁子君紹介)(第二〇一九号)
同(浦井洋君紹介)(第二〇二〇号)
同(金子みつ君紹介)(第二〇二一号)
同外一件(金子満広君紹介)(第二〇二二号)
同(経塚幸夫君紹介)(第二〇二三号)
同(工藤晃君紹介)(第二〇二四号)
同(児玉健次君紹介)(第二〇二五号)
同(佐藤祐弘君紹介)(第二〇二六号)
同(柴田睦夫君紹介)(第二〇二七号)
同(城地豊司君紹介)(第二〇二八号)
同外一件(坂上富男君紹介)(第二〇二九号)
同(田中美智子君紹介)(第二〇三〇号)
同(辻第一君紹介)(第二〇三一号)
同(中島武敏君紹介)(第二〇三二号)
同(野間友一君紹介)(第二〇三三号)
同(東中光雄君紹介)(第二〇三四号)
同(藤田スミ君紹介)(第二〇三五号)
同(村上弘君紹介)(第二〇三六号)
同(矢島恒夫君紹介)(第二〇三七号)
同(山原健二郎君紹介)(第二〇三八号)
外国人登録法の抜本改正に関する請願(山花貞
夫君紹介)(第二〇一七号)
同月二十四日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(竹内猛君紹介)(第二一三六号
)
同(大原亨君紹介)(第二一九二号)
同(田中恒利君紹介)(第二一九三号)
同(稲葉誠一君紹介)(第二二一九号)
同外一件(小澤克介君紹介)(第二二二〇号)
同(緒方克陽君紹介)(第二二二一号)
同(寺前巖君紹介)(第二二二二号)
同(三野優美君紹介)(第二二二三号)
同(川崎寛治君紹介)(第二二七三号)
外国人登録法の改正に関する請願(稲葉誠一君
紹介)(第二二一八号)
外国人登録法の抜本的改正に関する請願外一件
(伊藤茂君紹介)(第二二二四号)
同(稲葉誠一君紹介)(第二二二五号)
同月二十七日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(高沢寅男君紹介)(第二三八三
号)
五月八日
法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
に関する請願(岡田利春君紹介)(第二七〇二
号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
四月八日
司法制度の近代化に関する陳情書
(第七六号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八
二号)
裁判所の司法行政、法務行政、検察行政、国内
治安及び人権擁護に関する件
――――◇―――――
大
大塚雄司#1
○大塚委員長 これより会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
本日、最高裁判所山口総務局長、上谷民事局長、吉丸刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、お諮りいたします。
本日、最高裁判所山口総務局長、上谷民事局長、吉丸刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
大
大
大塚雄司#3
○大塚委員長 裁判所の司法行政、法務行政、検察行政、国内治安及び人権擁護に関する件について調査を進めます。
この際、法務行政等の当面する諸問題について、遠藤法務大臣から説明を聴取いたします。遠藤法務大臣。
この発言だけを見る →この際、法務行政等の当面する諸問題について、遠藤法務大臣から説明を聴取いたします。遠藤法務大臣。
遠
遠藤要#4
○遠藤国務大臣 委員各位には、平素から法務行政の適切な運営につき、格別の御尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。
この機会に、法務行政に関する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
昨年、当委員会において就任のごあいさつをいたしました際にも申し述べたところでございますが、私は、法務行政に課せられた使命は、法秩序の維持と国民の権利の保全にあると考えております。国民生活の安定を確保し、国家社会の平和と繁栄を図るためには、その基盤ともいうべき法秩序が揺るぎなく確立され、国民の権利がよく保全されていることが極めて肝要であると存じます。私は、常にこのことを念頭に置き、全力を傾注して国民に親しまれ、真に国民の期待する法務行政の推進に努めてまいりたいと存じております。
以下、当面の重要施策について申し述べます。
第一は、最近の犯罪情勢とこれに対処する検察態勢についてであります。
最近における我が国の犯罪情勢を見ますと、犯罪発生件数が漸増の傾向を示しているだけでなく、内容的にも、保険金目当ての殺人・放火事件、身の代金目的の誘拐事件、流通過程にある食品への毒物混入や組織暴力団の対立抗争に起因する銃器による殺傷事件などの凶悪事犯が多発しているほか、一般大衆を被害者とする経済取引を仮装した詐欺事件、地方公共団体の首長による汚職事件、大規模かつ巧妙な租税逋脱事件その他の不正事犯もその後を絶たず、また、覚せい剤を初めとする薬物の乱用が引き続き一般国民の間に拡散しつつあると認められるのであります。さらに、過激派集団は、新東京国際空港第二期工事阻止等を呼号し、過般の東京サミットの際における迎賓館等に対する手製弾発射事件に見られるように、悪質なゲリラ事犯を相次いで敢行しており、他方、右翼諸団体による不法越軌行動も一段と尖鋭化の度を強めている状況にあります。特に、このたびの朝日新聞社阪神支局員に対する殺傷事件は、現に警察当局において厳正な捜査を行っていると承知しておりますが、これは、まれに見る凶悪な事件であり、もしそれが言論封殺を企図したものであるとするならば、それは民主主義の根幹を破壊しかねない重大な事件と言わなければなりません。加えて、次代を担うべき少年の非行は、依然高水準を維持しているのでありまして、今後における犯罪の動向には、引き続き厳戒を要するものがあると申さなければなりません。
私は、このような事態に的確に対処するため、検察態勢の一層の整備充実に意を用いるとともに、関係諸機関との緊密な連絡協調のもとに、適正妥当な検察権の行使に遺憾なきを期し、もって良好な治安の確保と法秩序の維持に努めてまいりたいと存じております。
なお、刑法の全面改正につきましては、これが国の重要な基本法に関するものでありますので、真に現代社会の要請にかなう新しい刑法典の制定を目指し各般の努力を重ねてきているところであり、引き続き所要の作業を進めてまいりたいと存じておりますが、一方で、最近におけるコンピューターによる情報処理組織の著しい発展及び普及に伴い、刑法等従来の罰則によっては的確な対応の困難なコンピューター関連の反社会的行為の発生を見るようになり、この種反社会的な行為は今後増加することが予想されますので、緊急にこれらに対処するための立法措置を講ずる必要があり、また、最近の国際的なテロ活動を反映して、我が国としても国際的に保護される者(外交官を含む。)に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約及び人質をとる行為に関する国際条約を早急に締結することが国際的にも要請されるに至っており、これらの条約の義務の履行の上で必要とされる国外犯処罰規定の新設等の刑法その他の関係法規の整備を行うことが必要と認められることから、これらの点について、法制審議会の調査審議を願い、本年二月二十六日答申を受け、これに基づいて刑法等の一部を改正する法律案を取りまとめ、今国会に提出したところであります。十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
また、一昨年の第百二回国会において刑事の確定訴訟記録の保管に関する法律の制定を求める請願が採択されましたことにもかんがみ、その立案作業を行ってまいりましたが、これについても、今国会に刑事確定訴訟記録法案として提出したところでありますので、十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
第二は、犯罪者及び非行少年に対する矯正処遇と更生保護活動についてであります。
犯罪者及び非行少年の改善更生につきましては、広く国民の理解と協力を得つつ、刑務所、少年院等における施設内処遇と保護観察等の社会内処遇を一層充実強化し、相互の有機的連携を図る等、その効果を高める措置を講じてまいりたいと存じております。
そのためには、まず施設内処遇につき、時代の要請にこたえ得る適切な処遇の実現に努めるとともに、仮釈放のより適正妥当な運用を図り、また、保護観察等の社会内処遇において、保護観察官と保護司との協働態勢及び更生保護会における処遇態勢を一層充実強化し、関係機関・団体との連携をさらに緊密にするなど、現下の情勢に即した有効適切な更生保護活動を展開してまいりたいと考えております。
また、監獄法の全面改正を図るための刑事施設法案につきましては、第九十六回国会に提出しましたところ、第百回国会において衆議院が解散されたことに伴い廃案となったのでありますが、その後、法務省では、同法律案の修正を求める動きのあった日本弁護士連合会と合計二十六回の会議を持って、意見の交換を行うとともに、留置施設法案を所管する警察庁と意見調整を図り、必要な修正を加えた上、去る四月三十日、今国会に同法律案を再提出したものであります。
同法律案は、もはや時代に適合しなくなった現行監獄法を全面的に改めるもので、刑事施設の適正な管理運営を図り、被収容者の人権を尊重しつつ、収容の性質に応じた適切な処遇を行うことを目的として、被収容者の権利義務に関する事項を明らかにし、その生活水準の保障を図り、受刑者の改善更生に資する制度を整備するなど、被収容者の処遇全般にわたって大幅な改善を行おうとするものでありますので、十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
第三は、一般民事関係事務の処理、人権擁護活動及び訟務事件の処理についてであります。
一般民事関係事務は、登記事務を初めとして量的に逐年増大し、また、質的にも複雑多様化の傾向にあります。これに対処するため、かねてから人的物的両面における整備充実に努めるとともに、組織・機構の合理化、事務処理の能率化・省力化等に意を注ぎ、適正迅速な事務処理体制の確立を図り、国民の権利保全と行政サービスの向上に努めてまいったところであります。特に、我が国経済の発展に伴って逐年増加を続けている登記事務の関係では、昭和六十年度に創設された登記特別会計の趣旨に即して、事務処理の適正円滑な遂行を図るため、登記事務のコンピューター化を初めとする登記事務処理体制の抜本的改善に努めてまいりたいと存じます。
なお、民事関係の立法につきましては、養子制度の改善合理化を図るための民法等の改正及びそれに伴う戸籍法の改正について、それぞれ法制審議会及び民事行政審議会の答申を得、その趣旨に沿って民法等の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであります。十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
次に、人権擁護活動につきましては、国民の基本的人権の保障をより確かなものとするため、各種の広報活動によって、国民の間に広く人権尊重の思想が普及徹底するよう努めるとともに、人権相談や人権侵犯事件の調査処理を通じ、関係者に人権思想を啓発し、被害者の救済にも努めてまいりたいと存じます。特にいじめの問題及び教職員による体罰の問題、さらには重大な社会問題となっております部落差別を初めとするあらゆる差別事象の問題につきましては、その根絶に寄与してまいりたいと考えております。
さらに、訟務事件の処理につきましては、国の利害に関係のある争訟事件は、複雑多様化した今日の社会経済情勢と国民の権利意識の変化を反映して、例えば、選挙訴訟、環境関係訴訟、原子力関係訴訟あるいは薬害訴訟等の例に見られるように、社会的にも法律的にも新たな問題を内包する重要かつ複雑な事件が増加しており、その結果いかんが直ちに国の政治、行政、経済等の各分野に重大な影響を及ぼすものが少なくありませんので、今後とも事務処理体制の充実強化を図り、事件の適正円滑な処理に万全を期するよう努めてまいりたいと存じます。
第四は、出入国管理事務の処理についてであります。
国際交流の活発化に伴い、我が国に出入国する内外人の数は逐年増大し、我が国に在留する外国人の活動の範囲や内容も一層複雑多様化しております。同時に不法入国、資格外活動、不法残留等の外国人による法違反行為、特に周辺アジア諸国から短期査証で入国した者による不法就労事犯は著しく増加している状況にあります。出入国管理事務は、このような情勢に適切に対応するとともに、国際協調の一層の進展に即応する責務を担っているのであり、その重要性はますます高まっておりますので、このような情勢を踏まえ、今後引き続き出入国及び在留外国人の管理に関する事務の迅速適正な処理及び組織・体制の充実強化に努めてまいりたいと存じます。
なお、かねて懸案となっておりました外国人登録法の見直しにつきましては、指紋押捺義務の緩和を含む外国人登録法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであります。十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
第五は、簡易裁判所の配置の適正化についてであります。
簡易裁判所は、昭和二十二年に少額軽微な事件を簡易迅速に処理することを目的として設立され、現在全国に五百七十五庁設置されております。簡易裁判所の配置は、創立以来約四十年の間、基本的な変更が加えられないまま現在に至っておりますが、その間の経済の発展等に伴い、人口の都市集中、交通事情の発達等、簡易裁判所の配置に関連する諸事情は大きく変動しております。その結果、一方ではほとんど利用されていない簡易裁判所がある反面、事件が激増し、非常に忙しい簡易裁判所もあるといった事件数の両極化現象が生じる等、裁判所の運営上種々の問題が生じ、もはや放置することができない状況となっております。
簡易裁判所の配置の見直しの問題は、国民の裁判を受ける利便に直接関係し、また、裁判所の配置という司法制度の基盤にかかわる問題でありますので、昭和六十一年二月、法制審議会に対し本問題の審議を求めましたところ、同審議会は、慎重な調査審議を経た上、同年九月十九日、全会一致で簡易裁判所の適正配置に関する答申をいたしました。
答申では、簡易裁判所の配置が社会の実情にそぐわなくなっているため裁判所全体の合理的な運営が困難になっているとし、現在の交通事情の改善等を考慮すると、事件数の少ない小規模な簡易裁判所については、答申に示された基準に従い、その相当数を統合し、また、事件の激増している大都市の簡易裁判所についてもできる限り統合することにより、簡易裁判所全体の充実強化を図るべきであるとしております。
法務省といたしましては、この答申の趣旨を尊重して最高裁判所とも十分協議をした上、簡易裁判所の適正配置の具体案を確定し、今国会に下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案として提案したところであります。十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
最後に、法務省の施設につきましては、昨年に引き続き整備を促進するとともに、事務処理の適正化と執務環境の改善に努めてまいりたいと考えております。
以上、法務行政の重要施策について所信の一端を述べましたが、委員各位の御協力、御支援を得まして、重責を果たしたいと考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。拍手
―――――――――――――
この発言だけを見る →この機会に、法務行政に関する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
昨年、当委員会において就任のごあいさつをいたしました際にも申し述べたところでございますが、私は、法務行政に課せられた使命は、法秩序の維持と国民の権利の保全にあると考えております。国民生活の安定を確保し、国家社会の平和と繁栄を図るためには、その基盤ともいうべき法秩序が揺るぎなく確立され、国民の権利がよく保全されていることが極めて肝要であると存じます。私は、常にこのことを念頭に置き、全力を傾注して国民に親しまれ、真に国民の期待する法務行政の推進に努めてまいりたいと存じております。
以下、当面の重要施策について申し述べます。
第一は、最近の犯罪情勢とこれに対処する検察態勢についてであります。
最近における我が国の犯罪情勢を見ますと、犯罪発生件数が漸増の傾向を示しているだけでなく、内容的にも、保険金目当ての殺人・放火事件、身の代金目的の誘拐事件、流通過程にある食品への毒物混入や組織暴力団の対立抗争に起因する銃器による殺傷事件などの凶悪事犯が多発しているほか、一般大衆を被害者とする経済取引を仮装した詐欺事件、地方公共団体の首長による汚職事件、大規模かつ巧妙な租税逋脱事件その他の不正事犯もその後を絶たず、また、覚せい剤を初めとする薬物の乱用が引き続き一般国民の間に拡散しつつあると認められるのであります。さらに、過激派集団は、新東京国際空港第二期工事阻止等を呼号し、過般の東京サミットの際における迎賓館等に対する手製弾発射事件に見られるように、悪質なゲリラ事犯を相次いで敢行しており、他方、右翼諸団体による不法越軌行動も一段と尖鋭化の度を強めている状況にあります。特に、このたびの朝日新聞社阪神支局員に対する殺傷事件は、現に警察当局において厳正な捜査を行っていると承知しておりますが、これは、まれに見る凶悪な事件であり、もしそれが言論封殺を企図したものであるとするならば、それは民主主義の根幹を破壊しかねない重大な事件と言わなければなりません。加えて、次代を担うべき少年の非行は、依然高水準を維持しているのでありまして、今後における犯罪の動向には、引き続き厳戒を要するものがあると申さなければなりません。
私は、このような事態に的確に対処するため、検察態勢の一層の整備充実に意を用いるとともに、関係諸機関との緊密な連絡協調のもとに、適正妥当な検察権の行使に遺憾なきを期し、もって良好な治安の確保と法秩序の維持に努めてまいりたいと存じております。
なお、刑法の全面改正につきましては、これが国の重要な基本法に関するものでありますので、真に現代社会の要請にかなう新しい刑法典の制定を目指し各般の努力を重ねてきているところであり、引き続き所要の作業を進めてまいりたいと存じておりますが、一方で、最近におけるコンピューターによる情報処理組織の著しい発展及び普及に伴い、刑法等従来の罰則によっては的確な対応の困難なコンピューター関連の反社会的行為の発生を見るようになり、この種反社会的な行為は今後増加することが予想されますので、緊急にこれらに対処するための立法措置を講ずる必要があり、また、最近の国際的なテロ活動を反映して、我が国としても国際的に保護される者(外交官を含む。)に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約及び人質をとる行為に関する国際条約を早急に締結することが国際的にも要請されるに至っており、これらの条約の義務の履行の上で必要とされる国外犯処罰規定の新設等の刑法その他の関係法規の整備を行うことが必要と認められることから、これらの点について、法制審議会の調査審議を願い、本年二月二十六日答申を受け、これに基づいて刑法等の一部を改正する法律案を取りまとめ、今国会に提出したところであります。十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
また、一昨年の第百二回国会において刑事の確定訴訟記録の保管に関する法律の制定を求める請願が採択されましたことにもかんがみ、その立案作業を行ってまいりましたが、これについても、今国会に刑事確定訴訟記録法案として提出したところでありますので、十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
第二は、犯罪者及び非行少年に対する矯正処遇と更生保護活動についてであります。
犯罪者及び非行少年の改善更生につきましては、広く国民の理解と協力を得つつ、刑務所、少年院等における施設内処遇と保護観察等の社会内処遇を一層充実強化し、相互の有機的連携を図る等、その効果を高める措置を講じてまいりたいと存じております。
そのためには、まず施設内処遇につき、時代の要請にこたえ得る適切な処遇の実現に努めるとともに、仮釈放のより適正妥当な運用を図り、また、保護観察等の社会内処遇において、保護観察官と保護司との協働態勢及び更生保護会における処遇態勢を一層充実強化し、関係機関・団体との連携をさらに緊密にするなど、現下の情勢に即した有効適切な更生保護活動を展開してまいりたいと考えております。
また、監獄法の全面改正を図るための刑事施設法案につきましては、第九十六回国会に提出しましたところ、第百回国会において衆議院が解散されたことに伴い廃案となったのでありますが、その後、法務省では、同法律案の修正を求める動きのあった日本弁護士連合会と合計二十六回の会議を持って、意見の交換を行うとともに、留置施設法案を所管する警察庁と意見調整を図り、必要な修正を加えた上、去る四月三十日、今国会に同法律案を再提出したものであります。
同法律案は、もはや時代に適合しなくなった現行監獄法を全面的に改めるもので、刑事施設の適正な管理運営を図り、被収容者の人権を尊重しつつ、収容の性質に応じた適切な処遇を行うことを目的として、被収容者の権利義務に関する事項を明らかにし、その生活水準の保障を図り、受刑者の改善更生に資する制度を整備するなど、被収容者の処遇全般にわたって大幅な改善を行おうとするものでありますので、十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
第三は、一般民事関係事務の処理、人権擁護活動及び訟務事件の処理についてであります。
一般民事関係事務は、登記事務を初めとして量的に逐年増大し、また、質的にも複雑多様化の傾向にあります。これに対処するため、かねてから人的物的両面における整備充実に努めるとともに、組織・機構の合理化、事務処理の能率化・省力化等に意を注ぎ、適正迅速な事務処理体制の確立を図り、国民の権利保全と行政サービスの向上に努めてまいったところであります。特に、我が国経済の発展に伴って逐年増加を続けている登記事務の関係では、昭和六十年度に創設された登記特別会計の趣旨に即して、事務処理の適正円滑な遂行を図るため、登記事務のコンピューター化を初めとする登記事務処理体制の抜本的改善に努めてまいりたいと存じます。
なお、民事関係の立法につきましては、養子制度の改善合理化を図るための民法等の改正及びそれに伴う戸籍法の改正について、それぞれ法制審議会及び民事行政審議会の答申を得、その趣旨に沿って民法等の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであります。十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
次に、人権擁護活動につきましては、国民の基本的人権の保障をより確かなものとするため、各種の広報活動によって、国民の間に広く人権尊重の思想が普及徹底するよう努めるとともに、人権相談や人権侵犯事件の調査処理を通じ、関係者に人権思想を啓発し、被害者の救済にも努めてまいりたいと存じます。特にいじめの問題及び教職員による体罰の問題、さらには重大な社会問題となっております部落差別を初めとするあらゆる差別事象の問題につきましては、その根絶に寄与してまいりたいと考えております。
さらに、訟務事件の処理につきましては、国の利害に関係のある争訟事件は、複雑多様化した今日の社会経済情勢と国民の権利意識の変化を反映して、例えば、選挙訴訟、環境関係訴訟、原子力関係訴訟あるいは薬害訴訟等の例に見られるように、社会的にも法律的にも新たな問題を内包する重要かつ複雑な事件が増加しており、その結果いかんが直ちに国の政治、行政、経済等の各分野に重大な影響を及ぼすものが少なくありませんので、今後とも事務処理体制の充実強化を図り、事件の適正円滑な処理に万全を期するよう努めてまいりたいと存じます。
第四は、出入国管理事務の処理についてであります。
国際交流の活発化に伴い、我が国に出入国する内外人の数は逐年増大し、我が国に在留する外国人の活動の範囲や内容も一層複雑多様化しております。同時に不法入国、資格外活動、不法残留等の外国人による法違反行為、特に周辺アジア諸国から短期査証で入国した者による不法就労事犯は著しく増加している状況にあります。出入国管理事務は、このような情勢に適切に対応するとともに、国際協調の一層の進展に即応する責務を担っているのであり、その重要性はますます高まっておりますので、このような情勢を踏まえ、今後引き続き出入国及び在留外国人の管理に関する事務の迅速適正な処理及び組織・体制の充実強化に努めてまいりたいと存じます。
なお、かねて懸案となっておりました外国人登録法の見直しにつきましては、指紋押捺義務の緩和を含む外国人登録法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであります。十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
第五は、簡易裁判所の配置の適正化についてであります。
簡易裁判所は、昭和二十二年に少額軽微な事件を簡易迅速に処理することを目的として設立され、現在全国に五百七十五庁設置されております。簡易裁判所の配置は、創立以来約四十年の間、基本的な変更が加えられないまま現在に至っておりますが、その間の経済の発展等に伴い、人口の都市集中、交通事情の発達等、簡易裁判所の配置に関連する諸事情は大きく変動しております。その結果、一方ではほとんど利用されていない簡易裁判所がある反面、事件が激増し、非常に忙しい簡易裁判所もあるといった事件数の両極化現象が生じる等、裁判所の運営上種々の問題が生じ、もはや放置することができない状況となっております。
簡易裁判所の配置の見直しの問題は、国民の裁判を受ける利便に直接関係し、また、裁判所の配置という司法制度の基盤にかかわる問題でありますので、昭和六十一年二月、法制審議会に対し本問題の審議を求めましたところ、同審議会は、慎重な調査審議を経た上、同年九月十九日、全会一致で簡易裁判所の適正配置に関する答申をいたしました。
答申では、簡易裁判所の配置が社会の実情にそぐわなくなっているため裁判所全体の合理的な運営が困難になっているとし、現在の交通事情の改善等を考慮すると、事件数の少ない小規模な簡易裁判所については、答申に示された基準に従い、その相当数を統合し、また、事件の激増している大都市の簡易裁判所についてもできる限り統合することにより、簡易裁判所全体の充実強化を図るべきであるとしております。
法務省といたしましては、この答申の趣旨を尊重して最高裁判所とも十分協議をした上、簡易裁判所の適正配置の具体案を確定し、今国会に下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案として提案したところであります。十分な御審議を経て、速やかに成立に至るようお願いする次第であります。
最後に、法務省の施設につきましては、昨年に引き続き整備を促進するとともに、事務処理の適正化と執務環境の改善に努めてまいりたいと考えております。
以上、法務行政の重要施策について所信の一端を述べましたが、委員各位の御協力、御支援を得まして、重責を果たしたいと考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。拍手
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大
冬
冬柴鐵三#6
○冬柴委員 終戦後四十年、灰じんの中から我が国は驚異の再建を遂げ、今日本国民は、人類がかつて手中にしたことのない豊かさと、そして平和と自由とを享受していると思います。それは、民主、人権、平和の三原理に立脚した日本国憲法を戦後一貫して厳護してきた国民の不断の努力に淵源するところが大であると信じております。
本年五月三日は、このような日本国憲法施行四十年の佳節を刻む意義深い祝日でありました。その夕刻、朝日新聞社西宮支局に覆面の暴漢が押し入り、談笑する記者二名の背後から、誰何するなどしてその何人かを確認することもなく、突然猟銃二発を発射し、一名を殺害、一名に瀕死の重傷を負わせるという重大事件が発生しました。本日は、この事件に巻き込まれて逝去された小尻知博記者の朝日新聞社社葬の日であると伺っています。この際、私は、小尻記者の御冥福をお祈りして弔意を表するとともに、御遺族に対し心よりお悔やみを申し上げたい、そのように存ずる次第でございます。
この事件が憲法記念日における言論機関に対する問答無用の凶行であるだけに、私は、日本国憲法秩序そのものに対する公然たる挑戦であると考え、強い衝撃とともに込み上げる怒りを抑えることができない気持ちなのでございます。このような狂気の犯行によって言論の自由がいささかの制肘も受けてはならない、筆は曲げられてはならない、このように強く願うものでありますが、この事件に対する法務大臣の所見を伺いたいのでございます。
この発言だけを見る →本年五月三日は、このような日本国憲法施行四十年の佳節を刻む意義深い祝日でありました。その夕刻、朝日新聞社西宮支局に覆面の暴漢が押し入り、談笑する記者二名の背後から、誰何するなどしてその何人かを確認することもなく、突然猟銃二発を発射し、一名を殺害、一名に瀕死の重傷を負わせるという重大事件が発生しました。本日は、この事件に巻き込まれて逝去された小尻知博記者の朝日新聞社社葬の日であると伺っています。この際、私は、小尻記者の御冥福をお祈りして弔意を表するとともに、御遺族に対し心よりお悔やみを申し上げたい、そのように存ずる次第でございます。
この事件が憲法記念日における言論機関に対する問答無用の凶行であるだけに、私は、日本国憲法秩序そのものに対する公然たる挑戦であると考え、強い衝撃とともに込み上げる怒りを抑えることができない気持ちなのでございます。このような狂気の犯行によって言論の自由がいささかの制肘も受けてはならない、筆は曲げられてはならない、このように強く願うものでありますが、この事件に対する法務大臣の所見を伺いたいのでございます。
遠
遠藤要#7
○遠藤国務大臣 ただいま先生お尋ねの件にお答えする前に、凶弾によってとうとい生命を失われた朝日新聞社員に対して、私からも心から御冥福をお祈りいたし、かつまた、この真相の究明と犯人検挙に捜査当局とともに努力してまいることをまずもってお誓い申し上げたいと思います。
お尋ねの事件については、現在捜査当局において捜査中と承知をいたしております。この真相が明らかではございませんけれども、犯行の手段方法がどこから見ても凶悪な事件であることは申し上げるまでもないと思っております。この種の暴力事犯は目的のいかんを問わず許されないところでございますけれども、もしそれが先生のお話のように報道機関、言論封殺を意図されたものであるということになりますれば、それは民主主義の根幹を破壊しかねない、極めて重大な事件であると私は思います。そのような点で速やかな真相の解明を期待しておるところでございますが、検察としても厳正に対処していきたい。そうしてこそ初めて民主主義社会の保持ができ、平和な国家が形成される、こう信じております。
この発言だけを見る →お尋ねの事件については、現在捜査当局において捜査中と承知をいたしております。この真相が明らかではございませんけれども、犯行の手段方法がどこから見ても凶悪な事件であることは申し上げるまでもないと思っております。この種の暴力事犯は目的のいかんを問わず許されないところでございますけれども、もしそれが先生のお話のように報道機関、言論封殺を意図されたものであるということになりますれば、それは民主主義の根幹を破壊しかねない、極めて重大な事件であると私は思います。そのような点で速やかな真相の解明を期待しておるところでございますが、検察としても厳正に対処していきたい。そうしてこそ初めて民主主義社会の保持ができ、平和な国家が形成される、こう信じております。
冬
冬柴鐵三#8
○冬柴委員 話は変わりますが、近年大胆不敵な犯行を敢行した上で、犯行後、犯行声明やあるいは脅迫状を送りつけてくるという異常な事件が多発している、このような点が憂慮されるのでございます。朝日新聞西宮支局襲撃事件もその範疇に入らなければいいが、このようにも思いますが、何といってもその典型はグリコ・森永脅迫事件であろうかと思います。このような事件が未解決のまま経過する場合、国民の法秩序に対する信頼感が損なわれることは言うまでもございませんが、これを模倣し、あるいは便乗する新たな犯罪を生ずる、そのようなことが危惧されるわけでございます。
ちなみに、グリコ事件は発生以来ことしの三月で三年目を迎えたようでございますが、これを模倣した食品企業に対する恐喝事件の認知立件状況、そのようなものについて御説明をいただきたい、このように思います。
この発言だけを見る →ちなみに、グリコ事件は発生以来ことしの三月で三年目を迎えたようでございますが、これを模倣した食品企業に対する恐喝事件の認知立件状況、そのようなものについて御説明をいただきたい、このように思います。
小
小杉修二#9
○小杉説明員 お答えをいたします。
御指摘のように、重大犯罪の犯人が検挙されませんと治安上多様な問題点が生ずることともなりかねないことは、過去にも幾多の例があるところであります。グリコ・森永事件を世上模倣したとされているところの食品企業に対する恐喝事件につきましては、大変多発をいたしまして、昭和五十九年、これはグリコ事件が発生した年でありますが、五十一件、昭和六十年に至りまして百一件、昭和六十一年は二百二十二件と倍増をいたしたところでありまして、警察といたしましても、この事件の社会的な悪影響等を十分認識をいたしまして厳正に対処いたしてまいりまして、多数の事件を検挙、解決したこともございまして、この事件は本年に入りましては大変ペースダウンをいたしまして、五月十五日現在、きょう現在で二十一件と非常に少なくなっている状況でございます。
この発言だけを見る →御指摘のように、重大犯罪の犯人が検挙されませんと治安上多様な問題点が生ずることともなりかねないことは、過去にも幾多の例があるところであります。グリコ・森永事件を世上模倣したとされているところの食品企業に対する恐喝事件につきましては、大変多発をいたしまして、昭和五十九年、これはグリコ事件が発生した年でありますが、五十一件、昭和六十年に至りまして百一件、昭和六十一年は二百二十二件と倍増をいたしたところでありまして、警察といたしましても、この事件の社会的な悪影響等を十分認識をいたしまして厳正に対処いたしてまいりまして、多数の事件を検挙、解決したこともございまして、この事件は本年に入りましては大変ペースダウンをいたしまして、五月十五日現在、きょう現在で二十一件と非常に少なくなっている状況でございます。
冬
小
小杉修二#11
○小杉説明員 検挙の状況を年次別に御参考に申し上げますと、昭和五十九年中の五十一件に対しては三十一件検挙しております。六十年は百一件に対して七十二件、六十一年が二百二十二件に対して百十九件、本年が二十一件に対して十三件という状況でありますが、この中身をよく検討してまいりますと、未検挙の事件のうち七割ぐらいはいたずらと見られるものがある。たった一回こっきりの脅迫で後動きがないとか、あるいは大変荒唐無稽な要求を掲げる。ビルの屋上から金をばらまけとか、そういったような点を判断いたしますと、未検挙の七割ぐらいはいたずらではなかったかというふうに見ておりますので、ただいま申し上げた検挙の状況は実質的に非常に高いと私どもは見ているところであります。
この発言だけを見る →冬
冬柴鐵三#12
○冬柴委員 このように凶悪事件につきましても、それを検挙することによって次の犯罪の発生を防圧することができる、そういうことは言うまでもないわけでございまして、今回の朝日新聞社の事件につきましても、このような事件こそ一日も早く犯人を逮捕してその背後関係を明らかにすることによって再犯を防止し、そして模倣犯を防圧する、そのようなことができる、このように思うわけでございまして、捜査当局からもこの朝日新聞社事件についての決意を伺いたい、このように思います。
この発言だけを見る →小
小杉修二#13
○小杉説明員 本件につきましては、先生御指摘のように社会的な重要性あるいは凶悪性というものを私ども十分認識をいたしまして、地元兵庫県警のみならず全国警察の所要の捜査力を結集して鋭意捜査に当たっているところであります。私どもとしても一日も早い検挙とその事案の全容の解明に努めてまいる所存であります。
この発言だけを見る →冬
冬柴鐵三#14
○冬柴委員 また話は変わりますが、首都東京のど真ん中、有楽町で早朝衆人環視のもとで行われた有楽町三億円強奪事件、こういうものも、かつて昭和四十三年府中市で行われた、そしてまた起訴時効が完成したと言われる三億円の強奪事件の模倣でなければいいが、このような考えを持つものではありますけれども、このような事件の共通する点と申しますか、それは高速で移動する、自動車の利用ということでございます。ひっきょう都道府県境を越えた捜査を必要とするのでございます。そのように考えてまいりますと、今の犯罪地を所管する警察署に捜査本部を置く、そして都道府県境界を越えた場所に、その関連した事件の犯罪、犯人あるいはその犯罪に供せられたブツ等がそういうところで出た場合には、管外は共助事件として捜査をしておられるのではないか、このように思うわけでございますが、現在の犯罪が凶悪化し、そして広域化し、ついには国際化している、このような時代にこのような犯罪捜査に対する警察の対処、その辺はどのようなものになっているのか、その点について具体的に伺っておきたいと思います。
この発言だけを見る →小
小杉修二#15
○小杉説明員 お答えをいたします。
お尋ねのように重要事件の発生に際しましては、捜査本部体制として発生地を管轄する警察署に設置をするのが通例ではございますが、その活動は単に当該警察署の管轄区域だけに限られるものではないのでありまして、その当該府県内で捜査をし得ることはもちろんでありますが、事件の内容あるいは態様に応じて他の都道府県警察と十分な連携協力のもとに捜査を推進することができるような仕掛けになっているわけであります。
また、御指摘のように現在犯罪の広域化あるいは国際化、スピード化、多様化、こういったことが叫ばれているわけでありますが、これに対する対応については、刑事警察としては極めて重要な今日的課題と認識しておりまして、例えば昨年十月に、今後の刑事警察運営上の指針として刑事警察充実強化対策要綱というものを定めまして、広域捜査力の充実あるいは科学捜査力の強化あるいは国際捜査力の強化、こういったことを図るために、体制の整備充実あるいは捜査用の装備、食器材の充実等、いろいろの対策を目下鋭意進めているところでございます。したがいまして、今や御指摘のような捜査に関して警察署の壁であるとかあるいは都道府県警察の壁であるとか、そういったことは一切ないものと私どもは認識をしているところであります。
この発言だけを見る →お尋ねのように重要事件の発生に際しましては、捜査本部体制として発生地を管轄する警察署に設置をするのが通例ではございますが、その活動は単に当該警察署の管轄区域だけに限られるものではないのでありまして、その当該府県内で捜査をし得ることはもちろんでありますが、事件の内容あるいは態様に応じて他の都道府県警察と十分な連携協力のもとに捜査を推進することができるような仕掛けになっているわけであります。
また、御指摘のように現在犯罪の広域化あるいは国際化、スピード化、多様化、こういったことが叫ばれているわけでありますが、これに対する対応については、刑事警察としては極めて重要な今日的課題と認識しておりまして、例えば昨年十月に、今後の刑事警察運営上の指針として刑事警察充実強化対策要綱というものを定めまして、広域捜査力の充実あるいは科学捜査力の強化あるいは国際捜査力の強化、こういったことを図るために、体制の整備充実あるいは捜査用の装備、食器材の充実等、いろいろの対策を目下鋭意進めているところでございます。したがいまして、今や御指摘のような捜査に関して警察署の壁であるとかあるいは都道府県警察の壁であるとか、そういったことは一切ないものと私どもは認識をしているところであります。
冬
冬柴鐵三#16
○冬柴委員 次の質問に移りますが、五月十日に帝銀事件の死刑囚である平沢貞通元被告が死亡いたしました。判決確定から三十二年、逮捕から実に三十八年余という異例の長期拘置であったと認識しております。私は、先哲が「命と申すものは一切の財の中に第一の財なり。三千大千世界に満てて候財も命にはかえぬことに候なり。」このようにおっしゃっていられること、あるいは我が日本国憲法第十三条にも生命は「立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」このように宣言していること等に照らしまして、死刑制度というのは、いつの日にか国民の広範なコンセンサスを得て廃止すべきものである、このように私は考えているのでございます。しかし、現行法上死刑という制度が現存して、かつ最終有権判断としての最高裁判所判決において死刑が確定した以上、三十二年間という長期間なぜその執行がなされなかったのか、この点について強く疑問に感ずるのでございます。
これに関連いたしまして、死刑というものを考える上から若干答弁をいただきたいのですが、昭和三十年、四十年、五十年、この三十年間に死刑が確定した判決は一体何件あったのか、そしてその確定判決によって三十年代、四十年代、五十年代にそれぞれ何件が執行されたのか、多少どぎつい質問ではございますけれども、この点についてまずお答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →これに関連いたしまして、死刑というものを考える上から若干答弁をいただきたいのですが、昭和三十年、四十年、五十年、この三十年間に死刑が確定した判決は一体何件あったのか、そしてその確定判決によって三十年代、四十年代、五十年代にそれぞれ何件が執行されたのか、多少どぎつい質問ではございますけれども、この点についてまずお答えいただきたいと思います。
岡
岡村泰孝#17
○岡村政府委員 死刑につきましては、これを執行いたしますとそのもたらす結果が重大でございますので、死刑の執行につきましては、個別の案件に応じましていろいろ慎重な配慮をいたしておるところでございます。
平沢につきましては、既に御承知のことと思いますが、再審請求を十八回、恩赦の出願を五回行っていたところでございます。ほとんど切れ目なくこれらの請求や出願が行われておったというような事情もございまして、諸般の事情を慎重に検討を続けていた結果といたしましてその執行に至らなかったということでございます。
次に、死刑判決の確定件数とその執行件数について御説明いたします。
昭和三十年代の十年間に死刑の裁判が確定した者は、百九十四名でございます。その間の執行人員が二百二名。昭和四十年代の十年間に確定いたしました者九十名、その間の執行人員百六名。昭和五十年代の十年間の確定人員が三十名、執行人員が四十二名ということでございます。
この発言だけを見る →平沢につきましては、既に御承知のことと思いますが、再審請求を十八回、恩赦の出願を五回行っていたところでございます。ほとんど切れ目なくこれらの請求や出願が行われておったというような事情もございまして、諸般の事情を慎重に検討を続けていた結果といたしましてその執行に至らなかったということでございます。
次に、死刑判決の確定件数とその執行件数について御説明いたします。
昭和三十年代の十年間に死刑の裁判が確定した者は、百九十四名でございます。その間の執行人員が二百二名。昭和四十年代の十年間に確定いたしました者九十名、その間の執行人員百六名。昭和五十年代の十年間の確定人員が三十名、執行人員が四十二名ということでございます。
冬
冬柴鐵三#18
○冬柴委員 十年ごとにすごく減っているということは非常に喜ばしいことですが、しかし、数を聞きますとまだ相当な数があるということの感を深くするわけでございます。このような、通算しますと三百数十名の執行が片やなされているわけですが、その間、事情はあったとはいえ平沢元被告については執行がなされなかった。そのような、ある場合は執行が確定後間もなく行われ、またある場合は行われないということについて、何か合理的な、あるいは国民が理解できるような説明が欲しいわけでございますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
再審十八回、恩赦五回というのは確かに異常ですけれども、この三十年間に執行された死刑囚たちも、再審あるいは恩赦を再三出している事例を私も知っております。私の記憶によれば手続中に執行された例もあったわけでありますが、このような死刑執行についての何らかの内部規律といいますか、あれば差し支えない範囲で答えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →再審十八回、恩赦五回というのは確かに異常ですけれども、この三十年間に執行された死刑囚たちも、再審あるいは恩赦を再三出している事例を私も知っております。私の記憶によれば手続中に執行された例もあったわけでありますが、このような死刑執行についての何らかの内部規律といいますか、あれば差し支えない範囲で答えていただきたいと思います。
岡
岡村泰孝#19
○岡村政府委員 裁判の執行は、一般的に申しまして、裁判が確定いたしますれば速やかにこれを行うということが原則であるわけでございます。しかしながら、死刑の執行につきましては、やはりそれがもたらします結果の重大性というものを考えますと慎重な配慮が必要であるというふうに考えているところでございます。
裁判が確定いたしましてから死刑が執行されるまでの期間でございますが、これはやはり個々の案件に応じまして、諸般の事情を検討しつつ慎重にその時期を選定するということで対処をしてきたところでございまして、恩赦の出願あるいは再審の請求といったものがなされました場合は、やはりその推移を見守る等の配慮もなしてきたところでございます。ただ、そういった再審の請求なり恩赦の出願がなされているということも一つの事情として、諸般の事情を検討するということで対処をしてきたところであるわけでございます。死刑の執行につきましては、刑訴法上、裁判確定後六カ月以内にこれを執行せよという趣旨の規定がございますが、それ以上に具体的な基準と申しますか、そういったものは特にないわけでございます。
この発言だけを見る →裁判が確定いたしましてから死刑が執行されるまでの期間でございますが、これはやはり個々の案件に応じまして、諸般の事情を検討しつつ慎重にその時期を選定するということで対処をしてきたところでございまして、恩赦の出願あるいは再審の請求といったものがなされました場合は、やはりその推移を見守る等の配慮もなしてきたところでございます。ただ、そういった再審の請求なり恩赦の出願がなされているということも一つの事情として、諸般の事情を検討するということで対処をしてきたところであるわけでございます。死刑の執行につきましては、刑訴法上、裁判確定後六カ月以内にこれを執行せよという趣旨の規定がございますが、それ以上に具体的な基準と申しますか、そういったものは特にないわけでございます。
遠
遠藤要#20
○遠藤国務大臣 先生のお尋ね、これは、先生のみならず一般の国民の皆さん方がそういうふうな疑問を持たれておるのではないかなと、こう思っております。私も率直に、当委員会でこんなお話を申し上げるということは軽率かもしれませんけれども、私自身法務大臣を拝命する前は先生と同じような疑問を実は持っておったわけです。それで大臣に就任直後に、法務省の首脳部を招致して、一体どうなのかということで改めてただしたという経緯がございます。その結果、一つは、平沢死刑囚はやはり間違いなく真犯人であるということを私は再確認をいたしたということが一つと、なぜこんなに、今先生のお話しのように三十数年判決を行った後に放置しておったか、これは役所の怠慢ではないかというような考えも私自身持っておったわけでございますけれども、いろいろ調査をしてみると、今刑事局長のお話しのとおり、再審請求、そして恩赦ということで十八回、五回、二十三回ということになりますると、大体一つの再審に二年かかったとしても、先生御承知のように三十何年はたっぷりかかるという点がございます。
きのうも実は参議院の法務委員会で私の心境を率直に申し上げ、マスコミからもお褒めか御批判かわかりませんけれども御指摘を受けておるというような状態ですが、やはり長く刑の執行を行わないと何が不信感が持たれるということで、役所の怠慢のそしりを受けるということになると思います。一般の自由刑とか財産刑とか、そういうような問題は直ちに執行されますけれども、死刑執行は最終的に法務大臣によって決するということは、やはり当初に先生のお話しのとおり、人命尊重と申しましょうか、人の命というのはいかにとうとく重いものかというので、慎重に慎重を期せということが、そのような状態に法が定めておるのではないかなと、こう思っております。
一部マスコミや何かでは、法務大臣はその決裁をすることを回避しているというような話もございますけれども、私の立場から言うと、各大臣とも同じ心境だろうと思いますけれども、法務大臣として就任した限りは、やはり皆さん方にも常に強調しておるように、法の秩序保持ということを言うたら、法は皆さん方に守ってもらいたいと言うとき、大臣自身が法を守っていくということは当然なことで、法に私情を絡ませるというようなことは考えてはいかぬと、こういうような点は私は持っておるわけでございます。
平沢問題について、やはり再審請求が何回も時間を待たずしてすぐすぐということで出されると、途中でそれを打ち切った例も先生のお話のとおりございますけれども、もしもこれを打ち切って執行したということになると、一体国民の皆さん方からどういうふうな反応が、あれは口をふさぐために早くやったんだというようなことで一つの疑問を残すということも、やはり法のこれからの秩序保持のためには遺憾なことでもあるという点を考え、また怠慢のそしりとか、どうも判決に対して法務省自体が疑義を持っているんじゃないかというようにもとられるということになると、一体どうすればいいのかというようなことで、再審請求の制限などということも考えてみなければならぬのかなというようなことを、きのう法務委員会で実は率直に私の心境を申し上げたわけです。それが法務省で今検討中のような報道をされましたけれども、これは私だけの、そのときの質疑応答の中で、早くやれという、早くやって軽率、何か問題があるのを口ふさぎのために執行したというようなそしりを受けてもいかぬし、余り引き延ばして怠慢のそしりと判決に対する疑問を持たせてもいかぬというようなジレンマがあったということで、そのようなお話をきのう申し上げたというわけでございます。
私自身として、この死刑の執行ということは、これは繰り返すことのできない問題でございますし、それだけに慎重を期していかなければならぬと、こう思っておるわけでございますので、その点大変愚鈍な私でございますので、それをすぱっとどっちにするかと、右をとるか左をとるかと言われても、何とも申し上げかねる心境だということを御理解をちょうだいいたしておけば幸いだと思います。
この発言だけを見る →きのうも実は参議院の法務委員会で私の心境を率直に申し上げ、マスコミからもお褒めか御批判かわかりませんけれども御指摘を受けておるというような状態ですが、やはり長く刑の執行を行わないと何が不信感が持たれるということで、役所の怠慢のそしりを受けるということになると思います。一般の自由刑とか財産刑とか、そういうような問題は直ちに執行されますけれども、死刑執行は最終的に法務大臣によって決するということは、やはり当初に先生のお話しのとおり、人命尊重と申しましょうか、人の命というのはいかにとうとく重いものかというので、慎重に慎重を期せということが、そのような状態に法が定めておるのではないかなと、こう思っております。
一部マスコミや何かでは、法務大臣はその決裁をすることを回避しているというような話もございますけれども、私の立場から言うと、各大臣とも同じ心境だろうと思いますけれども、法務大臣として就任した限りは、やはり皆さん方にも常に強調しておるように、法の秩序保持ということを言うたら、法は皆さん方に守ってもらいたいと言うとき、大臣自身が法を守っていくということは当然なことで、法に私情を絡ませるというようなことは考えてはいかぬと、こういうような点は私は持っておるわけでございます。
平沢問題について、やはり再審請求が何回も時間を待たずしてすぐすぐということで出されると、途中でそれを打ち切った例も先生のお話のとおりございますけれども、もしもこれを打ち切って執行したということになると、一体国民の皆さん方からどういうふうな反応が、あれは口をふさぐために早くやったんだというようなことで一つの疑問を残すということも、やはり法のこれからの秩序保持のためには遺憾なことでもあるという点を考え、また怠慢のそしりとか、どうも判決に対して法務省自体が疑義を持っているんじゃないかというようにもとられるということになると、一体どうすればいいのかというようなことで、再審請求の制限などということも考えてみなければならぬのかなというようなことを、きのう法務委員会で実は率直に私の心境を申し上げたわけです。それが法務省で今検討中のような報道をされましたけれども、これは私だけの、そのときの質疑応答の中で、早くやれという、早くやって軽率、何か問題があるのを口ふさぎのために執行したというようなそしりを受けてもいかぬし、余り引き延ばして怠慢のそしりと判決に対する疑問を持たせてもいかぬというようなジレンマがあったということで、そのようなお話をきのう申し上げたというわけでございます。
私自身として、この死刑の執行ということは、これは繰り返すことのできない問題でございますし、それだけに慎重を期していかなければならぬと、こう思っておるわけでございますので、その点大変愚鈍な私でございますので、それをすぱっとどっちにするかと、右をとるか左をとるかと言われても、何とも申し上げかねる心境だということを御理解をちょうだいいたしておけば幸いだと思います。
冬
冬柴鐵三#21
○冬柴委員 このような死刑を考える上において非常に重要なことがここで起こりました。そこでお尋ねをしたいのですけれども、死刑制度の存廃ということは常に議論されるところでございますが、死刑制度の存続の根拠とされるところにいろいろな要素がありますけれども、その素朴で最も強い意見と申しますか、大方の支持を受けている論拠の中に、死刑というものは存在することによって一般的に威嚇をして、そして犯罪の抑止というものに役立つ、このような考え方があると思われますが、その点についてはどのようなお考えを持たれるのか、お答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →岡
岡村泰孝#22
○岡村政府委員 一般的に申し上げまして、刑罰は犯罪に対しまして一般的、特別的な予防効果を持っているものであるというふうに考えられているところでございまして、刑罰の一つであり、最高の刑罰でありますところの死刑につきましてもまたその例外ではないというふうに考えているのであります。このことは人類の長い歴史におきまして法的確信と言えるほどまでに広く認識されているところでございまして、現在の我が国の国民の多くもまたそのような確信を抱いているものであると思うのでございます。いろいろ死刑制度につきましては調査が行われているところでありまして、その調査結果を見ましても、死刑を廃止する必要がないという意見が過半数を占めている。時には七〇%を超えている場合もあるわけでございます。こういうような点から見まして、やはり死刑につきましては、犯罪に対します抑止力があるということ、そして現在の我が国におきましては死刑制度の存続が必要であるというふうに国民が理解しているというふうに私どもは考えているのでございます。
もっとも、いろいろこれに対しましては御意見もございまして、死刑の抑止力を否定するような意見があることは私どもも承知しているところでございまして、今後とも、国民の死刑に対します法的確信の動向などにつきましても十分留意してまいりたいというふうに考えているところでございます。
この発言だけを見る →もっとも、いろいろこれに対しましては御意見もございまして、死刑の抑止力を否定するような意見があることは私どもも承知しているところでございまして、今後とも、国民の死刑に対します法的確信の動向などにつきましても十分留意してまいりたいというふうに考えているところでございます。
冬
冬柴鐵三#23
○冬柴委員 今刑事局長触れられましたけれども、国民が全部見ていられるわけですから、このような考え方、死刑が刑罰として犯罪抑止力を持つか否かという点についてでありますが、御承知のとおり、アメリカ合衆国では死刑を廃止した州、それから死刑を存置している州、そのようなものがあるわけでございますけれども、その廃止した州が一般に存置した川よりも、殺人率というものを見ましたときにそこに有意な差がない。むしろ、文献では廃止したところは低いと言われているところもあります。そしてまた、ヨーロッパにおいても死刑を廃止した国は平均して低い、このようにも言われている。
そしてそういうような凶悪犯、死刑相当のような犯罪が行われるという要素は、そこに死刑という制度があるかないかということよりも、むしろその国の経済的、社会的環境の差異とか人口構成とか教育程度、文化程度、そのような面がはるかに重要な役割を果たしている、このように言われている。また、一九六七年の国連の死刑に関する報告書によりましても、死刑の廃止によって凶悪犯罪が増加したり、あるいはその復活によって減少するような事実は認められない、このようなことの報告もなされていることは御承知のとおりでございます。そのようなことにかんがみまして、死刑制度の存廃ということを国民全体で常に考えていく。今刑事局長からは、いろいろな統計で、あるいは七〇%までが死刑を存置すべきだ、このような考えを示されたということをおっしゃいましたけれども、時代によって随分変わっている。例えば、この死刑の確定判決の数が十年間ごとに半分あるいは三分の一も違うというようなことに照らしましても、死刑というものに対する国民あるいは法曹の見方、考え方というものがそこに大きな変化をしているのではないか。
犯罪件数は、先ほどの法務大臣の所信表明によりますと漸増の傾向にある、このように言われましたし、またそれだけじゃなしに、その犯罪の内容も凶悪化している、このようにおっしゃいましたとおりでございますけれども、三十年代の死刑の判決の確定数が先ほど言われたように百九十四人、四十年代は九十人、五十年代は三十人、こういうことで減っているということは、裁判官においても死刑を選択するということに相当慎重になっていらっしゃるのではないか、また社会がそれを是認しているのではないか、このようなことを考えるわけでございます。
そこで法務大臣に、いわゆる死刑制度の存廃ということにつきまして法制審議会に諮問する、このようなことのお考えについてお尋ねをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
この発言だけを見る →そしてそういうような凶悪犯、死刑相当のような犯罪が行われるという要素は、そこに死刑という制度があるかないかということよりも、むしろその国の経済的、社会的環境の差異とか人口構成とか教育程度、文化程度、そのような面がはるかに重要な役割を果たしている、このように言われている。また、一九六七年の国連の死刑に関する報告書によりましても、死刑の廃止によって凶悪犯罪が増加したり、あるいはその復活によって減少するような事実は認められない、このようなことの報告もなされていることは御承知のとおりでございます。そのようなことにかんがみまして、死刑制度の存廃ということを国民全体で常に考えていく。今刑事局長からは、いろいろな統計で、あるいは七〇%までが死刑を存置すべきだ、このような考えを示されたということをおっしゃいましたけれども、時代によって随分変わっている。例えば、この死刑の確定判決の数が十年間ごとに半分あるいは三分の一も違うというようなことに照らしましても、死刑というものに対する国民あるいは法曹の見方、考え方というものがそこに大きな変化をしているのではないか。
犯罪件数は、先ほどの法務大臣の所信表明によりますと漸増の傾向にある、このように言われましたし、またそれだけじゃなしに、その犯罪の内容も凶悪化している、このようにおっしゃいましたとおりでございますけれども、三十年代の死刑の判決の確定数が先ほど言われたように百九十四人、四十年代は九十人、五十年代は三十人、こういうことで減っているということは、裁判官においても死刑を選択するということに相当慎重になっていらっしゃるのではないか、また社会がそれを是認しているのではないか、このようなことを考えるわけでございます。
そこで法務大臣に、いわゆる死刑制度の存廃ということにつきまして法制審議会に諮問する、このようなことのお考えについてお尋ねをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
遠
遠藤要#24
○遠藤国務大臣 先生御承知のとおり、一般犯罪の判決というのは、死刑を除いては罪の償いをして社会復帰するというようなことでございますけれども、私からそんな話を申し上げてどうかと思いますけれども、死刑執行されて社会復帰は不可能であることは改めて申し上げるまでもないと思います。そのような点を考えると、一体死刑執行というのはどうかというこの疑問点は、確かに先生のお話のように一般国民の中においてもささやかれていることも私は承知をいたしております。しかし、この死刑という制度があって凶悪犯罪が抑止されればなということもあるわけで、よその国でいろいろ死刑というのを廃止して、逆に凶悪犯が減ったという国もあるように承知をいたしておりますけれども、それはやっぱりその国の国民性といったらいいか、人柄といったらいいか、それにも伴うのではないかなと、こう思っております。
そういうふうな点を考えると、また、今の現況では日本が、御承知のとおり、今先生からもお話のあったとおり、私の当初のあいさつの中にも申し上げておるように、凶悪犯が数が減らない、むしろ逆にふえている、そういうような点を考えると、やっぱりそういうふうな制度もあることがいいのではないかなという感じも持っております。そういうような点がございますけれども、いろいろこの世の中の情勢といいましょうか、社会の大勢といいましょうか、それ相応に、やはり社会に同じように法自体も同化していかなければならぬということは考えております。それで、私として今どうかといってお尋ねを受けると、今のところ、法制審議会にこの問題を諮問するという考えは現在はないということで御理解をちょうだいいたしておきたいと思います。
この発言だけを見る →そういうふうな点を考えると、また、今の現況では日本が、御承知のとおり、今先生からもお話のあったとおり、私の当初のあいさつの中にも申し上げておるように、凶悪犯が数が減らない、むしろ逆にふえている、そういうような点を考えると、やっぱりそういうふうな制度もあることがいいのではないかなという感じも持っております。そういうような点がございますけれども、いろいろこの世の中の情勢といいましょうか、社会の大勢といいましょうか、それ相応に、やはり社会に同じように法自体も同化していかなければならぬということは考えております。それで、私として今どうかといってお尋ねを受けると、今のところ、法制審議会にこの問題を諮問するという考えは現在はないということで御理解をちょうだいいたしておきたいと思います。
冬
井
中
中村巖#27
○中村(巖)委員 ただいま法務大臣の所信表明を伺ったわけでありますけれども、私は率直に申し上げて、この法務大臣の所信表明というものは余り感心しない、こういうふうに思っているのでございます。
と申し上げるのは、私も当委員会に長くおりまして、前の鈴木法務大臣、さらにその前の嶋崎法務大臣、さらにその前の住法務大臣のいずれも所信の表明を伺ったわけでありますけれども、それらを対比をしてみますると、これは全くほとんど同じであるということでありまして、その骨格において全く同じであるのみならず、文章の大部分においてもそのとおり踏襲をされている、こういうことであります。ただ、一部、今国会に提案されております法案の中身について趣旨を説明をしている部分、これはそれぞれの国会において違うわけでありますから、違うわけですけれども、その他の部分については全く同じである。
例えて言うならば、一々読み上げませんけれども、「以下、当面の重要施策について申し述べます。 第一は、最近の犯罪情勢とこれに対処する検察態勢についてであります。 最近における我が国の犯罪情勢を見ますと、犯罪発生件数が漸増の傾向を示しているだけでなく、」云々、このくだりの文章は全く同じで、最後に来て「過激派集団は、」云々というところで、前の鈴木大臣は「国鉄関係施設に対する同時多発ゲリラ」ということを挙げるのに対して、遠藤大臣は「過般の東京サミットの際における迎賓館等に対する手製弾発射事件に見られるように、」そういうふうに変えるというだけでございまして、さらには「第二は、犯罪者及び非行少年に対する矯正処遇と更生保護活動についてであります。」ここのところでは、第一のパラグラフの中で鈴木大臣が「所存であります。」というのを「存じております。」と、こういうふうに変えたというにすぎない、こういうことでございます。
その他、最後に至りますまでそんな調子でございまして、こういうのは、それは確かに法務行政というものが朝令暮改であってはいかぬということは事実であって、継続性を持っていなければならぬということは事実でありましょうけれども、こういうような形で所信の表明がなされるということは極めて適切でないと私は考えております。それはそれなりに、それぞれの大臣が大臣に就任をされて、そして国会に臨む姿勢としてはいろいろなお考え方があり、それぞれの年度における重点施策というものがなければならない、こういうことだろうと思うわけでありますけれども、そういうふうになっておらない。確かにその年にこういう法案を出した、それがその年の施策であると言えばそれもそうでありましょうけれども、やはりそれぞれの大臣の個性というものもなければいかぬのじゃないか、このような気がいたしておるわけでありますけれども、その点について大臣としてはどういうふうにお考えになるのか。
それから、本年度特に大臣がおやりになりたい施策というのは何なのか、またどういう姿勢でもって法務行政に、他の法務大臣と違う姿勢でどういうふうに臨むのかということについてお考えを承りたいと存ずるものでございます。
この発言だけを見る →と申し上げるのは、私も当委員会に長くおりまして、前の鈴木法務大臣、さらにその前の嶋崎法務大臣、さらにその前の住法務大臣のいずれも所信の表明を伺ったわけでありますけれども、それらを対比をしてみますると、これは全くほとんど同じであるということでありまして、その骨格において全く同じであるのみならず、文章の大部分においてもそのとおり踏襲をされている、こういうことであります。ただ、一部、今国会に提案されております法案の中身について趣旨を説明をしている部分、これはそれぞれの国会において違うわけでありますから、違うわけですけれども、その他の部分については全く同じである。
例えて言うならば、一々読み上げませんけれども、「以下、当面の重要施策について申し述べます。 第一は、最近の犯罪情勢とこれに対処する検察態勢についてであります。 最近における我が国の犯罪情勢を見ますと、犯罪発生件数が漸増の傾向を示しているだけでなく、」云々、このくだりの文章は全く同じで、最後に来て「過激派集団は、」云々というところで、前の鈴木大臣は「国鉄関係施設に対する同時多発ゲリラ」ということを挙げるのに対して、遠藤大臣は「過般の東京サミットの際における迎賓館等に対する手製弾発射事件に見られるように、」そういうふうに変えるというだけでございまして、さらには「第二は、犯罪者及び非行少年に対する矯正処遇と更生保護活動についてであります。」ここのところでは、第一のパラグラフの中で鈴木大臣が「所存であります。」というのを「存じております。」と、こういうふうに変えたというにすぎない、こういうことでございます。
その他、最後に至りますまでそんな調子でございまして、こういうのは、それは確かに法務行政というものが朝令暮改であってはいかぬということは事実であって、継続性を持っていなければならぬということは事実でありましょうけれども、こういうような形で所信の表明がなされるということは極めて適切でないと私は考えております。それはそれなりに、それぞれの大臣が大臣に就任をされて、そして国会に臨む姿勢としてはいろいろなお考え方があり、それぞれの年度における重点施策というものがなければならない、こういうことだろうと思うわけでありますけれども、そういうふうになっておらない。確かにその年にこういう法案を出した、それがその年の施策であると言えばそれもそうでありましょうけれども、やはりそれぞれの大臣の個性というものもなければいかぬのじゃないか、このような気がいたしておるわけでありますけれども、その点について大臣としてはどういうふうにお考えになるのか。
それから、本年度特に大臣がおやりになりたい施策というのは何なのか、またどういう姿勢でもって法務行政に、他の法務大臣と違う姿勢でどういうふうに臨むのかということについてお考えを承りたいと存ずるものでございます。
遠
遠藤要#28
○遠藤国務大臣 大変所信表明が型どおりだというお話をちょうだいいたして、非常に、何と申し上げたらいいか、全く自分ながらも先生御指摘のとおりだ、こう正直に申し上げてもいいと思いますが、ただ、法務省として先生方に報告する点は報告し、お願いする点はお願いしなくてはいけないということになるとああいうふうな文章になってしまったということをひとつ御理解をちょうだいいたしたい、こう思います。それで、言葉なり文章においてはそのとおりかもしれませんけれども、例えば朝おはようございますと、こういうのはだれにでもすることだけれども、先生におはようと言うときは本当に心を込めて言っているんだということを、これまた御理解をちょうだいすればおわかり願えるのじゃないかな、こう思っております。
それで、法務大臣が特に推進したい施策は何かということになりますると、今先生のお話しのとおり、提出法案をぜひ、委員長にもお願いしなければならぬことですけれども、一つだの二つだのと言わないで、ひとつ何とか成立を皆さんのお力でしていただきたいということをまずお願いし、さらに、私としてこれからの法務行政を推進していくに当たって何とかしてこれを改善していきたいというのは、やはり検事に対する、何と言ったらいいか、志望率が非常に低下している、これをもっと何とか高めるような方途を講じたい。
これには先生方にもいろいろの面で御協力をお願いしなければなりませんけれども、今懇談会をつくらせていただいて、いろいろ学識経験者からの御意見をちょうだいいたしておりますけれども、毎年検事が減少するようでは、一体将来の日本というのが私は心配されるわけでございまして、改めて先生方に申し上げるまでもないのですけれども、検事の立場、使命というのはいかに重大かということをやはり国民の皆さん方に改めて認識をちょうだいいたしたい。よしそれではということで希望が高まってくるというような方法を何とかやったいということが、私のさしあたって、突然そういうふうな質問をちょうだいするとそういうふうな答えになるが、いろいろ欲はございますけれども、まずさしあたっては法案の成立、これはぜひ先生、法案の成立、聞き逃さないでひとつお聞き取りをちょうだいいたし、そしてやはり検事に対する希望を高めていくようなことをやらせていただきたいというようなことを申し上げておきたいと思います。
この発言だけを見る →それで、法務大臣が特に推進したい施策は何かということになりますると、今先生のお話しのとおり、提出法案をぜひ、委員長にもお願いしなければならぬことですけれども、一つだの二つだのと言わないで、ひとつ何とか成立を皆さんのお力でしていただきたいということをまずお願いし、さらに、私としてこれからの法務行政を推進していくに当たって何とかしてこれを改善していきたいというのは、やはり検事に対する、何と言ったらいいか、志望率が非常に低下している、これをもっと何とか高めるような方途を講じたい。
これには先生方にもいろいろの面で御協力をお願いしなければなりませんけれども、今懇談会をつくらせていただいて、いろいろ学識経験者からの御意見をちょうだいいたしておりますけれども、毎年検事が減少するようでは、一体将来の日本というのが私は心配されるわけでございまして、改めて先生方に申し上げるまでもないのですけれども、検事の立場、使命というのはいかに重大かということをやはり国民の皆さん方に改めて認識をちょうだいいたしたい。よしそれではということで希望が高まってくるというような方法を何とかやったいということが、私のさしあたって、突然そういうふうな質問をちょうだいするとそういうふうな答えになるが、いろいろ欲はございますけれども、まずさしあたっては法案の成立、これはぜひ先生、法案の成立、聞き逃さないでひとつお聞き取りをちょうだいいたし、そしてやはり検事に対する希望を高めていくようなことをやらせていただきたいというようなことを申し上げておきたいと思います。
中
中村巖#29
○中村(巖)委員 所信表明の中で前大臣と違う点というのを見ますと、冒頭のところで法務行政の使命ということについて述べられているわけでありますけれども、その中で前大臣は、「法秩序が揺るぎなく維持され、国民の権利がよく保全されていることが肝要と存じます。私は、常にこのことを念頭に置き、全力を傾注して国民の期待する法務行政の推進に努めてまいりたい」、こういうふうに言われているのに対し、やはり遠藤法務大臣もこういうことが肝要だと同じことを述べて、その上で「私は、常にこのことを念頭に置き、全力を傾注して国民に親しまれ、真に国民の期待する法務行政の推進に努めてまいりたい」。前大臣と違うところは「国民に親しまれ」という、この七文字を挿入したというところが違うわけでありますけれども、この特に「全力を傾注して国民に親しまれ、」と「国民に親しまれ」という七文字を挿入したということに何かの意味があるのか、どういうことをそれによってお考えになっておられるのか、それをお伺いをいたします。
〔井出委員長代理退席、委員長着席〕
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