中曽根康弘の発言 (予算委員会)

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○中曽根内閣総理大臣 四兆五千億となると非常な大金でございますから、これは相当しっかりとした税でないと、とてもそれだけはカバーできないと思うのです。
 それで、野党の皆さんの代案を我々の方でもいろいろ検討しましたけれども、ある党はグリーンカードと富裕税をやろう、あとは不公平税制とか、もっと税を厳しく取れというのもありますね。ある党はグリーンカードを復活しよう、ある党は富裕税をやろう、グリーンカードはやめよう、そういう案が我々の目の前につく。
 その党のパンフレットを拝見していろいろ検討しましてみたところ、我々の方で試算をさしてみました。そうしますと、例えば横山町の場合を見ますと、ある党の案では百坪の住宅地はかけない、それ以外商店や何かにはかかる。そういう計算で、それで一%かけよう、あるいは二、三%かけよう、そういう案が幾つかあります。そういうものを中心にやってみますと、横山町で五十坪の店舗を持っておるものを見ますと、これでいろいろ計算してみて、それを今度は、相続税の実際の例がありましたから、それで検証してみたのです。
 それで確かめてみた結果を見ますと、五十坪横山町で持っておる商店で見ますと、純財産が八億九千八百万というのが大体の例で出てくる。これで一億円の基礎控除をやって一%かけるとすると、七百九十八万毎年払わされる。それから、基礎控除を三億円にして税率を二%にした場合には千百九十六万払わせられる。
 上野の場合を見ますと、同じようなケースで見ますと、九百四十一万あるいは千四百八十二万。それから心斎橋の場合を見ますと、これは千九十三万ないし千七百八十六万取られる。これは収益を生んできて取られるのじゃなくて、持っている財産から毎年毎年利益がなくても取られるという性格のものですから、これは大変な税金だ。とてもこれは、横山町の方でも上野の方でも心斎橋の方でも、これを知ったら大反対するのではないか、そう思いますね。
 それからグリーンカードについては、あれはまあいいだろうといってやってみたのですけれども、結局国民総背番号制で、国家権力で人間を統制する形にいくであろう。それから、あれでみんな名寄せをやりますから、結局は国税庁の中央の大コンピューターに日本じゅうの人がみんなコンピューターへ入って、ある銀行へいく、ある郵便局へいくのがみんなこっちへ入ってきて、これはダブってないかというのを検査するわけです。それをやるとなると、結局日本人全部が背番号制で仕分けができて、国家権力がそれをつかむという危険性が出てくる。それから、そういうふうにして財産の関係がわかってきます。あっちへいった、こっちへいったというのもありますから。わかってくるから、これはもう財産がみんな逃げ出して、外国へいくとか土地や株式に移るとか、そういう危険も出てくるわけです。それで民社党の春日一幸さんなんかが非常に力強く反対を叫んで、我々もこれはやめた方がいいというのでやめたわけですね。
 ですから、そういう面から見れば、グリーンカードとか富裕税でかわりをとろうというのは私は無理ではないかと思うのであります。結局、まあいろいろ議論がありますが、ここで野党の皆さんの御主張も承って、どれを一番国民が選ぶか、そういうことを国民の目の前で我々でいろいろ議論してみたい、そういうわけで野党の皆さんのお考えも聞かしていただきたいと思う次第でございます。

発言情報

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発言者: 中曽根康弘

speaker_id: 15356

日付: 1987-03-03

院: 衆議院

会議名: 予算委員会