天野光晴の発言 (建設委員会)

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○国務大臣(天野光晴君) 建設行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し述べます。
 最近の我が国経済の課題は、行財政改革を推進する一方、内需を中心とした景気の持続的拡大を図り、雇用の安定と地域経済の活性化を積極的に図っていくことにあります。
 このため、昭和六十二年度の建設省関係予算については、歳出規模を厳しく抑制するという予算編成方針のもとではありましたが、道路特定財源の全額確保、財政投融資資金の積極的活用、民間活力の活用、補助率の暫定的引き下げ等の措置を講ずることにより、事業費の確保に努めたところであります。
 また、昭和六十二年度の税制改正については、民間活力を活用するための税制の創設、土地譲渡益課税の改善等が行われることとなっております。
 御承知のとおり、国土建設の目標は、住宅。社会資本の整備を通じ、国土の均衡ある発展を促進し、活力ある経済社会と安全で快適な国民生活を実現することにありますが、我が国の住宅。社会資本の整備はいまだ立ちおくれた状況にあります。
 このため、昭和六十二年度においては、民間活力の活用による都市開発の促進のための新たな施策の展開等を図り、住宅・社会資本の整備を強力に推進していく所存であります。
 以下、当面の諸施策について申し述べます。
 第一に、都市対策であります。
 これからの都市整備に当たっては、本格的な都市化、情報化、産業構造の高度化等に適切に対応するとともに、それぞれの地域の特性を生かしながら、安全で個性と魅力ある都市を形成することを目標として、長期的展望のもとに、総合的、計画的に都市政策を推進していくことが必要であります。
 このような観点に立って、都市計画を適切、有効に推進するとともに、街路、公園、下水道等の都市基盤施設については、五カ年計画に基づき、計画的かつ効率的にその整備を進めてまいりたいと存じます。
 さらに、内需の拡大、都市機能の高度化等に資するため、市街地開発事業等の一層の拡充、推進を図るとともに、新たに地方都市等に配慮した民間事業者による都市開発を推進するための制度の創設を図ることとしております。
 また、都市近郊集落の計画的整備を進めるための措置を新たに講ずるとともに、都市の防災構造化の促進、都市緑化の積極的推進と国際花と緑の博覧会の準備の推進を図ってまいります。
 第二に、住宅・宅地対策と建築物の整備であります。
 住宅は、国民の生活の基盤であり、家族の団らんの場であります。本年は国際居住年にも当たっており、内需拡大の要請にもこたえながら、第五期住宅建設五カ年計画に基づき、総合的な施策を展開してまいる所存であります。
 このため、住宅金融公庫の貸付条件の改善及び住宅税制の拡充等を図るとともに、大都市地域等における公共賃貸住宅の的確な供給、既成市街地における良質な市街地住宅の供給、既存住宅ストックの有効活用、高齢者対策の充実、地域に根差した住まいづくりの推進、木造住宅の振興等の施策を推進してまいりたいと存じます。
 また、宅地対策については、地価の安定に留意しつつ、良質な宅地の供給を促進するため、公的宅地開発の推進、政策金融の活用、関連公共公益施設の整備等を図るとともに、特に、線引きの見直しの促進、開発許可制度の適切な運用、土地関係税制の改善等に重点を置いて各般の施策を総合的に推進してまいりたいと存じます。
 さらに、建築物の整備については、技術開発等の推進、総合設計制度等の一層の活用を図るとともに、建築規制に関し、経済社会の変化に対応した適切な見直しを図ってまいりたいと存じます。
 第三に、国土の保全と水資源の開発であります。保我が国の国土は、洪水、土石流等に対して極めて弱い体質を持っておりますが、その保全施設の整備は、いまだ立ちおくれております。
 このため、新たに昭和六十二年度を初年度とする第七次治水事業五カ年計画を策定し、重要水系の河川の整備、土石流・地すべり対策等を計画的かつ強力に推進するとともに、海岸事業及び急傾斜地崩壊対策事業をそれぞれの五カ年計画に基づき積極的に推進してまいる所存であります。
 また、災害対策の充実を図るため、新たに災害関連緊急事業の制度を創設し、その着実な実施に努めてまいります。
 さらに、安定した水供給を図るため、多目的ダムの建設等による水質源の開発を促進してまいる所存であります。
 なお、地域に密接した豊かで潤いのある河川の整備を一層促進するため、河川の整備に市町村長が参加できることとする等の方策を講ずる所存であります。
 第四に、道路の整備であります。
 道路は、国土の均衡ある発展、活力とゆとりある地域社会の形成及び安全で快適な生活環境の確保を図るために欠くことのできない基本的な公共施設であります。
 しかしながら、我が国の道路整備はいまだ質量ともに立ちおくれております。
 このため、第九次道路整備五カ年計画に基づき、高速自動車国道から市町村道に至る道路網を体系的に整備していくとともに、多様化し、高度化する国民の要請にもこたえてまいる所存であります。
 特に、高速自動車国道に対する国の助成措置の強化を図るなど有料道路事業の推進を図るとともに、全国的な高規格幹線道路網の計画を早期に策定する所存であります。
 なお、民間活力を活用しつつ、東京湾横断道路及び明石海峡大橋の建設を推進するとともに、新たに伊勢湾岸道路の建設に着手することとしております。
 第五に、建設産業、不動産業の振興であります。
 建設産業については、建設業の許可基準の見直し、許可審査事務の厳正化、元請・下請関係の合理化、中小建設業者の育成、建設労働・資材対策等その健全な発展を図るための施策を中長期的展望に立って展開してまいる所存であります。
 不動産業については、その一層の振興を図るため、高度情報化社会に対応した不動産流通市場の整備を初めとする各種施策を推進してまいりたいと存じます。
 また、経済・技術協力等によって開発途上国の経済社会基盤施設の整備等建設分野における国際交流の一層の推進に努めてまいる所存であります。
 このほか、高速自動車国道等のネットワークを活用した高度情報通信網の整備、高度情報化に対応した都市整備及び建築物整備の推進等を図るとともに、豊かな自然環境と都市機能の調和のもとに、人々が憩い、学ぶことのできる複合的なリゾート地域の整備、先端技術の活用等による建設技術の研究開発について積極的に推進してまいる所存であります。
 以上、私の所信を申し述べましたが、その推進に当たっては、所管行政の合理化、効率化を図るとともに、綱紀の保持に努め、国民の信頼と期待にこたえる考えであります。
 委員長を初め委員各位の御指導と御鞭撻をお願いいたします。

発言情報

speech_id: 110814149X00419870522_004

発言者: 天野光晴

speaker_id: 6193

日付: 1987-05-22

院: 参議院

会議名: 建設委員会