中曽根康弘の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 笹川議員にお答えをいたします。
 まず、税制改革の基本的考え方でございますが、戦後四十年間にわたる社会経済情勢の著しい変化等に即応して、税制全般にわたり根本的な見直しを行うことによって、二十一世紀を展望した新しい税の体系を確立するという考えで、このことはぜひともなし遂げなければならないことであると考えております。
 御存じのように、シャウプ博士が日本へ参りましてから、いわゆるシャウプ税制のもとに三十七年間を経過いたしましたが、この間における税のひずみあるいは不公平感、そのほか問題が大変出てきております。特にサラリーマン中堅所得層における重税感というものは、もはや限界に来ているとすら考えておるわけでございます。したがいまして、これらのゆがみやひずみを是正して、大体国民の皆さん方が満足のいくような形の税体系に直すということは喫緊の急務であります。そういう観点に立ちまして我々は税の改革を提議申し上げた次第でございますが、先般の国会におきましてこれが実現を見なかったことは甚だ残念であり、我々の説明の不足や努力の不足を痛感しておるところでございます。
 今回の改正案は、このような税制全般にわたる改革の必要性にかんがみ、その一環として、所得課税の負担軽減及び合理化とその財源措置の観点を踏まえて、内外の社会経済情勢の変化等に即応して早急に実施すべき措置を講ずるために、所得税法等の一部改正を御提議申し上げている次第なのでございます。
 次に、地価高騰対策でございますが、国民の住生活の安定向上を図る上で地価対策は重要な問題でございます。東京等一部地域の地価高騰に対しては、地価対策関係閣僚会議において、土地取引規制の強化、国等が土地売買等の契約を締結しようとする場合の配慮、土地税制の見直し、土地関連融資の適正化等を内容とする対策を今推進しております。
 特に土地取引規制の強化については、前国会で国土利用計画法の一部改正法が成立いたしまして、監視区域制度を積極的に活用するよう地方公共団体を指導してまいっておるところでございます。また、税制については、超短期重課制度の創設等を含む土地税制の改正案を今国会に提出しておるところであります。また、先日、新行革審に対しまして、地価等土地対策に関する基本的かつ総合的な改革方策について提言願いたい旨を要請しておるところでございます。今後とも地価対策関係閣僚会議を積極的に開催する等、政府・与党一体となって効果的かつ総合的な地価対策を強力に推進してまいります。
 土地税制の見直しの問題でございますが、地価対策に関連した税制上の措置としては、今国会において、所有期間二年以下の超短期所有土地等に対する重課制度の創設等を内容とする改正案を提出しておるところであります。地価対策の緊要性にかんがみ、国会における速やかな御審議、成立をお願いいたしたいと思っております。
 今後の税制改革に対する取り組みでございますが、戦後四十年にわたる社会経済情勢の大きな変化に即応して、直接税、間接税等を通じた税制全般にわたり根本的な見直しを行うことによって、二十一世紀を展望した新しい税制を確立する、そういう考えに立って、今後とも粘り強く推進してまいります。税制改革協議会における議論もまた念頭に置きつつ、今回早急に実施すべき部分について法案を国会に提出いたしましたが、今後の税制改革の展望につきましては、さきの衆議院議長あっせんにおける、直間比率の問題もあり、税制改革は急務である旨の御指摘に基づき、税制改革協議会が検討を続けられるということでありますので、その推移を見守りながら今後の方針を具体的に決定してまいりたいと思います。言いかえれば、抜本改革の念願は捨てておるものではありません。時と所を得て、しかるべき手続のもとにこれを推進してまいりたいと考えております。
 残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕

発言情報

speech_id: 110905254X00919870818_010

発言者: 中曽根康弘

speaker_id: 15356

日付: 1987-08-18

院: 衆議院

会議名: 本会議