葉梨信行の発言 (本会議)

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○国務大臣(葉梨信行君) 地方税法改正の基本的な考え方についてお答えを申し上げます。
 最近におきます社会経済情勢の著しくかつ急激な変化を背景といたしまして、税制に関しさまざまなゆがみ、ひずみが指摘されてきておりまして、国民の税に対する不満感が高まってきております。今回の税制改正法案は、このような税制全般にわたる改革の必要性を十分に踏まえた上で、その一環として、税制改革協議会の論議を念頭に置きながら、当面早急に実施しなければならない住民負担の軽減及び合理化等を行うものであります。
 その主な内容でございますが、個人住民税につきましては、平年度六千六百億円の減税を行います。道府県民税として利子割を創設し、老人等に係るものを除く利子等につきまして、都道府県が一定の税率で分離課税を行うことといたしまして、その五分の三を各市町村へ交付いたします。地方たばこ消費税につきましては、税率等の特例措置の適用期限を昭和六十三年三月三十一日まで延長するほか、住民税について土地税制の見直しを行うこととしている次第でございます。
 昭和六十二年度に住民税が減税できない理由でございますが、昭和六十二年度におきます住民税減税の実施につきましては、住民税の課税の仕組み上、課税事務の全面的なやり直しが必要でございますが、これにつきましての市町村の対応が非常に難しいということと、給与支払い者の事務処理量が膨大となる等の問題がございまして、実際問題として不可能であると考えるところでございます。
 住民税減税を二段階で行うこととした理由でございますが、今回の改正におきます住民税減税のための恒久財源は、恒久財源としての利子割収入が平年度化するまでには何年かかかることでございまして、昭和六十三年度に直ちに最終的に予定しております利子割の収入が見込めるものとはなっておらないのでございます。そのために、住民税の減税規模は、平年度ベースではおおむね利子割の収入に見合う規模とするものの、現下の地方財政の状況も考慮しまして、昭和六十三年度にはその第一段階として約五千億円規模の減税を行い、昭和六十四年度から約六千六百億円規模の減税を行うこととしたものでございます。
 住民税減税の補てん財源についてでございますが、この減税の減収分は利子割の創設によります増収分を充てることとしておりますが、利子割の収入が平年度化するには数年かかるために、その間は減収分が利子割の増収分を上回ることとなるわけであります。この差額の財源といたしましては、最近の経済情勢にかんがみ、今後の税収の動向によっては自然増収を充てることも可能ではないかと考えておりますが、いずれにいたしましても、歳入歳出を通ずる地方財政運営全体の中で対処すべきものと考えているところでございます。昭和六十三年度の地方財政対策を講ずるに際しましては、この点を十分に念頭に置きまして、地方団体の財政運営に支障の生じないよう適切に対処したいと考えております。
 昭和六十三年度の土地の評価がえについてお答え申し上げます。
 昭和六十三年度の土地の評価がえにつきましては、現在課税団体におきまして作業が進められておりますが、自治省におきましても全国的な観点から適正な評価が行われるよう調整を行っているところでございます。その場合に、大都市の中心商業地等で見られるような特異な地価の状況にも十分配慮しながら、課税団体と調整を図ってまいりたいと考えております。
 なお、今後の固定資産税の負担と評価の問題につきましては、昨年十月の税制調査会の答申におきまして、「その評価に当たって引き続き均衡化、適正化に努め、中長期的に固定資産税の充実を図る方向を基本とすべきである。この場合、多くの納税者に対し毎年課税されるという固定資産税の性格を踏まえて、負担の急増を緩和するためなだらかな増加となるような配慮が必要である。」とされておりまして、この趣旨を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
 所得税減税等に対処しての本年度の地方交付税額の確保についてでございますが、地方団体におきましては、既に示されました地方財政計画等を参考にして本年度の財政運営を進めております。また、補正予算によります追加公共事業等の円滑な執行を図るためには、その地方負担の財源に充てるための三千五百億円の地方交付税の増額は必要不可欠であると考えられることから、今回の見直しによりまして確保することといたしました総額十兆二千三百九十四億円の地方交付税につきましては、今後、御指摘のような所得税等の歳入の予算補正措置がとられた場合にあっても、ぜひとも確保していくことが必要であると考えているところでございます。
 地方債の元利償還金についてでございますが、御指摘のように、地方財政は全体として六十四兆円に上る借入金残高を抱えておりまして、公債費の負担が年々過重なものとなってきているところであります。こうした状況にかんがみまして、今回の補正予算によります公共事業の追加に伴う地方負担につきましては、全額地方債によることなく、一般財源としまして地方交付税三千五百億円を措置することとしているところでございますが、なお地方債の発行が多額に上りますので、地方団体の事業の円滑な執行に支障が生じることのないよう、今後その元利償還金の一定部分を普通交付税の基準財政需要額に算入してまいりたいと考えております。
 普通交付税の八月決定につきましてお答えを申し上げます。
 地方公共団体におきましては、通常九月補正予算をもって公共事業等の追加や肉づけを行っているところでございまして、仮に地方財源の大宗をなします普通交付税が八月末までに決定されない場合には、九月補正予算のめどが立たず、地方の財政運営や今回の公共事業の追加によります内需拡大に大きな支障を来すものと考えられるところであります。したがいまして、自治省といたしましては、普通交付税の額の決定を例年どおり八月末までに行う必要があると考えておりまして、関係法案の早期成立を切望しているところであります。
 普通交付税の額の決定につきまして最後にお答え申し上げます。
 自治大臣が毎年度地方団体に交付すべき交付税の額を決定するに当たりましては、交付税総額が確定していること、並びに基準財政需要額及び基準財政収入額の合理的な算定をなし得ることが必要であります。したがいまして、地方団体の基準財政収入額の合理的な算定を行うためには、これらを内容といたします地方税法改正案等が確定していることが必要でありますので、先ほど総理からの答弁もございましたが、私からも、関係法案の早期成立をぜひともお願いしたいと存ずる次第でございます。(拍手)
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発言情報

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発言者: 葉梨信行

speaker_id: 14748

日付: 1987-08-18

院: 衆議院

会議名: 本会議