川崎寛治の発言 (予算委員会)
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○川崎(寛)委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、総理初め関係大臣に質問いたしたいと思います。
今回の国会は総理にとって締めくくりの国会である、こういうことで、衆参の本会議におきましてもそれぞれそうした議論が行われてまいりました。総理もそれぞれこれまでの四年半に及びます政治を背景にして述べておられるわけでありますが、今大変大きな転換期でございます。まさに転換期であります。それは日本だけではなくて、全世界が大きく揺れ動いておりますし、ベネチア・サミットは、私は総理の所信表明とは大分違う見解を持っておりますが、ともあれベネチア・サミットはアメリカのパクス・アメリカーナ、つまり覇権国家としてのアメリカが完全にその権威を失墜をした、そういう一つの歴史的な会議でもあったと思います。そういう意味では、世界並びに日本をめぐっておる大変大きな課題がございますので、私は中曽根政治を総括をいたしたい、内政、外交の主な点についてお尋ねをしてまいりたい、こういうふうに思います。
一九七二年、佐藤総理が、国民の世論また沖縄現地の大変な祖国復帰の願いに支えられまして沖縄返還ということになりました。ただ、基地の問題は、これは後ほど上原代議士からまた御質問をいたしますが、一つの節目がありました。同じ七二年に田中元総理が日中国交回復、周総理が井戸水を飲むときには井戸を掘った人の苦労を知れ、こう言っておられますが、大変多くの願いがここに結実をしたと思うのであります。そこで、そうなりますと沖縄返還、日中国交回復、そのときはベトナムの和平協定が翌年に成ります。大きく動いておるわけです。ヨーロッパの方はそれよりも早く、ブラント首相が東方外交を、アメリカの相当圧力がありましたけれども、ブラント首相は東方外交を進めていくわけですね。
そういう中でアジアはどうあるべきかというアジアの外交というのが、実は日中国交回復、沖縄返還というものからまいりますならば当然に朝鮮問題であり、日ソの問題である、北方領土の問題である、こういう方向でございましたが、残念ながらそれは今日まで進んでおりません。でありますから、私は、総理の戦後政治の総決算という安易な考え方には大変問題を感ずるわけであります。
それで朝鮮問題というのが、日中国交回復以後非常にそのころは動きました。南北両朝鮮自体が統一三原則というものを打ち出して動いておった時代でございます。私は当時、社会党の国際問題の責任者をいたしておりまして、当時の田中、中曽根通産大臣と御相談をして、そして北朝鮮との間の貿易、朝鮮民主主義人民共和国との周の貿易を進めよう、つまり、中国の方式をもう一遍朝鮮でも進めよう、こういうことで貿易代表部と話し合いをいたしてまいりました。特に朝鮮半島と日本とは非常に不幸な歴史があるわけでございますから、その歴史を考えますならば、南北朝鮮を差別しないで、南北朝鮮が当時統一という方向を出してきたのでありますから、どうこたえていくかというのは日本としての大きな使命であったと私は思います。
そこで、あなたと御相談をして、前の年は田中通産大臣と相談をいたしました。そして、それは、民間貿易はある程度進んでおりましたが、これではいかぬ、だから私は、日本の通産省から役人を出しなさい、向こうから役人を入れましょう、どうですか。あなたは、よかろう。金日成主席が受け入れるならば出すよというお話でございました。思い起こしていただきたいのです。そこで私は参りまして、金日成主席と話をしました。日本政府が出すならば受け入れましょう。そこで、帰ってきて私はあなたに報告をしました。わかった、検討しよう。しかし、これがだめになりました。七三年の八月の金太中さんの拉致がこれを全部ひっくり返したわけであります。歴史の歯車がひっくり返ったのです。それが今度韓国において民主化が進んで、金太中さんの復権ができたわけですね。
でありますから、私は総理にお尋ねをいたしたいのは、つまり韓国でそういう民主化が進んできた。日本の対応の仕方というのは大変大事だと思います。そしてそのことは朝鮮半島全体にこれからどう進んでいくか。アメリカももう相当動いておる、関係を深めておるという時期でございますから、残念ながら、あなたが政権をとられて最初に行かれたのが韓国でございましたけれども、それは分断を固定化したわけです。それだけに、今の歴史を振り返りますときに、私は、あなたには大変大きな責任がある、こう思います。
そこで、日本が、日中国交回復、沖縄返還、その後動けなかった。しかしブラント、ヨーロッパは動いていった。今日その開きは大変あると思います。全欧安保にも進みましたし、INFの全廃へと行く道筋も、やはりそこに東方外交というのが出発点でもあったわけですね。
そういたしますと、私が今申し上げました、そういうあなたと私もかかわった、そして社会党の多くの諸君がかかわってきましたそういう問題について、今韓国における民主化が進もうとしておるその時点においてどうお考えになるか、総理の御見解を伺いたいのであります。