宮澤喜一の発言 (大蔵委員会)

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○国務大臣(宮澤喜一君) 六十三年度の予算編成は先ほど申しましたようにまだ何カ月か後のことになるわけでございますが、一般論として六十三年度の税収というのは大変に悲観的かそれともやや楽観をしているかというお尋ねであるとしますと、経済状況等々から考えますと税収は少しは伸びてくれるのではないかということを私自身は、今、確たる根拠はございませんが、達観としては考えております。
 その場合、一番やはりそれだけ特例公債の発行を減らすことができるというふうにまず私としては考えるわけでございまして、御承知のように、昭和六十五年度には特例公債依存の体質から脱却したいという目標を政府はやはり持っておりますから、ある程度の自然増収があればそれだけ特例公債を減らせるということをやはりまず私としては考えます。
 しかし同時に、おっしゃいますように、今年度のただいま御審議いただいております所得税等々の減税は、これはいわば前倒しを覚悟してお願いをしておることでございますが、来年も当然この減税はそのまま続くわけでございますので、来年度のこれに見合う財源はどうなるのかということについては実はただいまのところ答えが出ていないわけでございます。
 本来、政府は、通常国会で廃案になりましたけれども、長期的な税制改革をいわば歳入中立的なものとして構想したわけでございますが、その中で売上税は御指摘のように廃案となりました。これについては政府もいろいろな反省をいたしておるわけでございます。その反面で、所得税についても法人税についてもいわば恒久的な税制改正を考えておりました。この直接税についての税制改正は、やはり何とかして実現をいたしたいと政府は今日でも考えております。考えておりますが、そのためには恒久財源を必要とするということもまた事実でございまして、まさに御指摘のとおりの問題を政府は苦しんでおるわけでございますが、そういたしますとそのような恒久的な直接税の税制、減税を実現可能ならしめるための恒久財源は何かということについて、十分確たる答えを実は持っておりません。
 事をややもう一つ複雑にいたしておりますのは、衆議院におきまして税制改革協議会というものが発足をいたしまして既に十数回の御討議をされました。そしてまたあるいは再開をされるのではないかと考えるわけでございますが、減税については恒久財源を必要とするということについてはほぼ会議参加者の間のコンセンサスがあったということを座長報告は述べておられるわけでございます。そういたしますと、恐らく税制改革協議会においてはただいままさに鈴木委員の御指摘になりましたような問題にこれから取りかかられる順序であろうかと思われます。他方、政府は年末までに来年度の歳入歳出につきましての決定をいたさなければならないわけでございますが、このような機関がまたそういう御検討をなさるというやさきでございますので、これは共産党を除いて各党が御参加であり、ああいういきさつで発足をいたしておりますから、いわゆる私的なものとは政府は考えておりません。政治的には非常に尊重しなければならない協議体であると考えておりますので、協議会におけるこれからの御検討、御討議をしばらく政府としては見守る、拝聴をするということになろうかと思います。
 どうも、この協議会ということを申し上げますと、殊にそれが衆議院にだけ設けられておるということがございますので、他の院におきましてそういうことを申し上げますことは私どもとしても大変に申し上げにくいことであるのは事実でございます。事実でございますが、現実に衆議院におきましてそういう共産党を除く各党間の御協議が今日まで行われまた行われようとしておるという事実は、政府としても軽々しく考えるわけにいかないということでもうしばらくその経緯を見守らせていただく、そうすべきであろうというふうに考えておるわけでございます。

発言情報

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発言者: 宮澤喜一

speaker_id: 13804

日付: 1987-09-16

院: 参議院

会議名: 大蔵委員会