西廣整輝の発言 (内閣委員会)

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○政府委員(西廣整輝君) まず、第一のお尋ねの中期防が達成した際の能力ということでございますが、防衛能力というものにつきましては、正直申し上げて具体的な数値を申し上げるということが非常に難しいと同時に、かつある特定の状態というものを設定して申し上げるということになりますと、具体的な我が国の防衛能力というものがあからさまになってしまうということで、これまた大変差しさわりが多いといいますか、出すことを御遠慮させていただきたいという面があるわけであります。したがって、どうしてもある程度抽象的にならざるを得ないことをお許しいただきたいわけであります。
 前々から申し上げておりますように、大綱そのものの考え方というのが、限定的かつ小規模な侵略事態に独力で対応できることということになっております。それじゃ、その限定的かつ小規模とはどんなものだということ、これまた何度がお答え申し上げておりますが、まず、限定的というのは通常兵器による侵攻であるということが当然のことであります。しかも、それが地域的かつ時間的にも限定されたものということになりますから、相手方が大々的な準備あるいは他の地域から多くの軍事力というものを移動してきて侵攻するということではなくて、周辺の国等がそれなりに周辺に存在しておる軍事力を短期間に動員できる範囲で我が国に当ててくるという状況を想定しておりますので、数量的に細かく言うことは控えさせていただきますが、いずれにしましてもそう大きなものではない。陸で言えば数個師団程度のものプラス空挺であるとか空中機動の旅団であるとか、そういったものが付加されたもの程度である。航空機についても、所在する航空機の中の四分の一とかあるいは五分の一といったような数量のものが来得るのでないかというようなことを前提にして考えておるわけであります。
 そこで、能力ということになりますと、この中期防衛力整備計画におきまして、ともかく大綱水準を達成したいということで、中期防衛力整備計画は我が方からお願いをいたしました。そして、ごく一部のものを除いてはそれが達成されるものと我々は期待をしております。したがって、ごく一部のものをまず除く点から申し上げますと、一つは、着上陸侵攻等に対応するための洋上における阻止、あるいは上陸されてからの陸上部隊の陸上戦闘を支援するための支援戦闘機部隊というのがございます。これにつきましては、現在支援戦闘機の数というものが大綱所定の百機体制というもの、部隊配置百機体制というものが満たされないまま、七十機弱の形で今F1というものが配備されております。これに代替する航空機というものをこれから得なくちゃいけませんので、これをどうするかという問題が決まり、かつそれを整備していくということになりますと、この五カ年計画中には発注が終わり切らないという問題がありますので、この問題は若干後まで穴があいたまま残らざるを得ないという点がございます。
 それから、もう一点申し上げますと、中期防衛力整備計画の中で指摘されておりますように、空からの脅威の変化というものに伴って洋上における防空、いわゆる船舶の防空であるとか、あるいはレーダーサイト等に対するミサイル攻撃、そういった脅威というものが増大しておりますが、これについてはまだ十分な対抗手段というものが我々としては検討が終わっていない。この五カ年計画中に研究をするということになっておりますので、その種のものについての実際の施策というものはこの五カ年間で行われないという二点がございます。そういったものがございますが、概して言えば、大綱水準というものは私どもはこの五カ年計画が整々と実施されれば、達成できるというふうに考えております。
 それはどういうことかといいますと、まず着上陸侵攻について申しますれば、これをすべて水際までで小規模侵攻といえども撃退してしまう、一切国土内に入れないということは実際問題として不可能でございますが、相手方が仮に我が領土内に取りついたにしましても、相当な地域というものを確保してしまって既成事実をつくってしまうという状況がない程度に、常に国土の防衛戦闘というものが流動的な状態で維持される、あるいは相手方が取りついた地域というものがごく局所に限られるといった状態が保てる程度の能力は持ち得るのではないかというように考えております。
 それから、海上交通の安全保護の関連につきましては、これは従来から潜水艦による海上交通の破壊というものに主眼を置きまして、それにどう対抗するかという防衛力整備をしてきたわけでございますが、これにつきましても、相手方が引き続き潜水艦による我が国海上交通の破壊を続けるということが困難であるといいますか、相手方も相当な被害を受けますので、こちらの海上交通を完全に封鎖してしまうとか、あるいはそういう状況を長く続けることを困難ならしめる程度の対潜能力というものは、保持できるのではないかというように考えております。
 同様に、防空能力につきましても、相手方の航空攻撃というものが、地域によって我が方の防空能力にも差異は生じますけれども、全般として相手方の航空攻撃によって我が方が破滅的な状況に陥るということがない状態、要するに彼我拮抗している状態というものが継続できる状況が維持できるのではないかというように考えておる次第であります。
 次に、中期防の所要経費の関係についてお答え申し上げますが、御承知のように、中期防衛力整備計画ということで閣議決定されておるものにつきましては、当然のことながら、まず正面については細部まで積み上げて一応財政当局等と調整はいたしております。ただ、閣議として決定されたものというものは、そのうちの主要なものについて数量等を決定しております。と申しますのは、五カ年分について金額なりあるいは個々の事業内容というものを閣議で決定してしまうということは、年度年度の財政の裁量権といいますか、財政当局を中心とした予算編成権といったものまで手を縛ってしまうということになりますので、事務的には一応詰めた上で確定的な閣議として決めた数量というものは、ごく主要なものについての数量、それと全体としての十八兆四千億という天井、上限を示したという形になっております。
 そこで、先生お尋ねのそれでは後方等の中身がどうなっておるかということでございますが、いずれまた資料等をもって十分御説明したいとは思いますけれども、まず人件費等につきましては、六十年度時点に既におる人間、これらがベースアップ等そういう要素を除きまして通常の昇給をしていく、そしてある者は退職をし新しい人間が入ってくる、そういった状況を計算をしまして、五カ年間の人件費というものが積み上げてある。それにさらに、この五カ年計画を実施していくに当たって必要な現在お願いしております増員あるいは充足率の向上、そういったものに充て得る人件費というものが、余分に枠組みとして追加されておるというようにお考えいただきたいと思います。
 なお、後方経費につきましては、その内容は多岐にわたります。大口としては、まず例えば施設庁の経費、あるいは研究開発の経費ということでありますが、それ以外のものは修理費であるとか、あるいは光熱水料であるとか、さらには燃料であるとか、そういったもろもろのものがあります。さらに言えば、非常に細々とした通信機その他の機材等もございます。したがって、それらを個々の物品別に積み上げるということは不可能でございますので、過去における修理費なり、そういったものの全体予算の中に占める比率があるとか趨勢であるとか、そういったものをにらんで枠組みとして後方経費というものが決められておるというように御理解をいただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 110914889X00519870910_025

発言者: 西廣整輝

speaker_id: 10647

日付: 1987-09-10

院: 参議院

会議名: 内閣委員会