中曽根康弘の発言 (本会議)
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○国務大臣(中曽根康弘君) 及川議員の御質問にお答えいたします。
まず最初のソ連の関係の御質問でございますが、今回、ソ連がとった措置はまことに遺憾であります。これは日ソ友好関係に水を差すものであると考えざるを得ません。このようなことが繰り返されないことを希望すると同時に、日ソの友好関係に悪影響を及ぼさないように強く希望しておる次第であります。
案件は、東京航空計器株式会社のフライト・マネジメント・システムの研究開発資料をソ連のポクロフスキー通商代表部代表代理が違法に入手したということに対して出頭要請を求めたのでございますが、その要請に応じなかったと、そういうことで今回の処置となったものでございます。
一方において、我が国の竹島防衛駐在官の行為は諜報活動であると指摘された由でありますが、そのような活動を行ったことは全くなく、事実無根であるという報告を受けておるのでございます。
いずれにせよ、我が国がとった措置というものは、対抗措置とか報復措置という性格のものではございません。日ソ関係についてこれ以上の悪影響が出ないように我々としては強く希望し、期待しておるものであります。我が国は、我が国としての主権の範囲内において正当なる行動をとっておるものであると御承知願いたいと思うのであります。
NTT事業の現状認識の問題でございますが、電気通信制度改革の趣旨は、公社制度をやめて民間的手法の経営形態に変えて効率化、合理化を進めるということと労使の自主責任体制を確立する、これが大きな眼目でこのような改革が実行されたと思うのであります。これに対して新しい事業者との間で競争関係が成立しておりますが、低廉かつ良質なサービスを提供する競争が起きているということは我々が期待しているとおりのことであり、好ましい結果であると思います。
NTTは種々の効率化方策を今行っておりまして、成果を上げておると確信いたしております。引き続き制度改革の趣旨を踏まえまして、国民の要望にこたえることを強く期待いたしております。
また、NTTは、今まで法的に独占を保障された公社時代に形成した全国的電気通信網を承継している一方、新規参入事業者は全く新たに設備投資を行ってサービスを提供するという点、また、NTTは今まで築いた人的、物的、技術的蓄積を生かして、両方切磋琢磨を行いつつ、これに耐え得る十分な態勢にあるものと我々は考えて、さらにNTTがその効率を上げることを期待しておるものであります。
株式売却益の使途につきましては、現下の経済情勢を見ますと、国民のニーズに応じた社会資本の整備充実を図ることによりまして、内需拡大の要請にもこたえ、地域の活性化に資することが緊要な課題となっております。
このために、NTT株式売却収入については、国債整理基金の円滑な運営に支障の生じない範囲内において、一時的に収入実績の一部を活用して社会資本の整備の促進を図るということにしたものであります。
このNTTの株式というものは、国民共有の大事な財産でございます。したがって、この大事な財産につきましては、共有の負債の償還に片っ方では使う。と同時に資産的に残るものにこれは使いたい、そういう考えに立ちまして、社会資本の整備の経費としてこれを充当するという考えに立ったもので、ほかに他意はございません。
減税の財源にこれを使ったらどうであるかという御質問でございますが、NTTの株式売却代金というものは一時的なものであります。したがいまして、恒久的に永続的に行われなければならない減税というようなものについて、このようないずれ収入が見込めなくなってしまうという一時的な財源を使うことは必ずしも適当でないと考えております。
また、昨年の選挙中の私の発言につきましては、いずれもこれは政府税調の結論を見守ることといたしたいということを締めの言葉として言っておるのであります。例示として国有財産の売却とか、NTTの株式とか、景気政策とか、いろいろ言っておりますが、いずれの場合にも政府税調の結論を見守ると言っておるので、公約違反ではありません。
次に、租税の解釈でございますが、租税は国や地方公共団体が公共サービスを提供するために必要な経費について国民に負担を求めるものであり、手数料などのように直接の反対給付を伴うものではないので、強制的に取り立てるとも言われておりますが、憲法に定める国民の納税義務や租税法律主義の原則に基づき、法律に従い賦課徴収しているものであります。
いずれにせよ、公共サービスを賄っていくための社会共通の費用である租税を、国民が公平感を持って納税することが大事であると考えております。
税制改革の進め方でございますが、戦後四十年
間にわたる社会経済情勢の大きな変化に即応して根本的な見直しを行い、また、二十一世紀を展望した新しい税制体系を確立して国民の満足感を得ようというのが今回の試みであり、今回提出した税制改正法案は、十二回にわたる税制改革協議会における議論も念頭に置きながら、個人所得課税の負担の軽減合理化、利子課税制度の改組等、内外の社会経済情勢の変化等に即応して、当面早急に実施しなければならない税制改革項目を取りまとめたものであり、今後税制協議会等の動向を見守りながら、税制改革の体系の一環として、とりあえず提出いたしまして、国会での御審議を通じ、国民の御理解をいただくために行っておるものでございます。
残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)
〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕