吉川芳男の発言 (予算委員会)
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○吉川芳男君 予算委員会委員派遣第二班の調査について御報告いたします。
第二班は、林、野田、橋本の各理事、北、広中の各委員、そして私吉川の計六名で構成され、九月二十八日から三十日までの三日間、北海道の経済産業の動向を中心に地域開発及び地方財政の状況並びに自衛隊の現況等を調査してまいりました。
まず、北海道の経済産業の動向、地域開発及び道財政の概況について申し上げますと、北海道は一次産業の比率が高く二次産業が低い産業構造から、域際収支が大幅な入超で、これを公共投資等の財政資金で補てんするなど財政依存度の高い経済体質が特徴であります。最近の鉱工業生産活動は、五十五年の水準に達しないものの、個人消費、住宅投資が好調で、また公共事業の増加等から生産が上向いておりますが、鉄鋼、造船、石炭などの縮小、閉山から雇用情勢は悪化しております。
北海道総合開発については、十カ年計画が本年度で終わろうとしておりますが、六十年度までの実績から見ますと計画目標の達成は困難な状況にあります。これは計画出発後の社会経済及び財政事情の変化によるものですが、現地では高速道路網の整備や産炭地域等の特定地域対策の強化等社会資本の充実や産業基盤整備は今後とも不可欠であり、国の助成を強く要望しております。
北海道の道財政は、国に依存するウエートが高く一般財源の比率も低い等、自主財源に乏しく脆弱な財政構造となっております。特に近年は景気の低迷から地方税の税収も伸び悩み、それを補う地方債の増発が目立っております。他方、歳出面では、公共投資重視型となっておりますが、人件費や扶助費等の比重も高く、これらと公債費を合わせた義務的な経費は四五%を超えており、今後財政の硬直化が危惧される状況にあります。
次に、北海道経済の問題について四人の関係者から意見を聴取いたしました。
それによりますと、まず、景気底入れの兆しと地域経済の諸問題では、北海道経営者協会会長武井正直氏より「北海道経済の不況が改善されたのは公共投資の追加、物価安定による消費の回復、低金利による住宅投資の増加によるが、雇用情勢は厳しく、特に構造不況業種を抱える特定地域の失業率は高い。今後、円高メリットによる灯油の値下がりや飼料価格や食料品価格の低下で、経済に好影響を期待している」との意見があり、次に、構造調整と雇用問題について、新日鉄室蘭製鉄所の北村卓夫氏より「室蘭製鉄所も昭和六十四年に高炉を休止すると社員及び協力企業に約四千人の余剰人員が生ずるので、他の製鉄所への移動や新事業への転換に努力している。しかし、高炉を休止しても生産工程を残すなど室蘭地域への悪影響をできるだけ少なくしたい」と述べられ、また一方、雇用される立場から、全北海道労働組合協議会議長森尾曻氏は「北海道の失業率は四・五%で最悪の状況である。数年来の公共投資の削減、円高不況、国鉄民営化による職員の大量退職が原因であり、これを改善するには減税と公共投資の拡大が不可欠であるが、さらに現在政府が進めている営林局の統廃合や新規採用のストップ、定員削減の実施を凍結してもらいたい」と述べ、最後に、石炭不況地域の諸問題について、北海道産炭地域振興協議会会長中田鉄治氏より「政府の第八次石炭政策発足後、砂川、真谷地炭鉱が閉山し、他の炭鉱も雪崩閉山のおそれがある。自治体として石炭にかわる経済構造の転換に努力してきたが、軌道に乗らず、人口減少を食いとめられなかった、今後地域の活性化のため新産業基盤をつくるよう努力するが、脆弱な財政のため十分な対策が困難であるので現在の過疎債の枠内で産炭地振興の地方債の発行を認めてほしい」と述べられました。
さらに、陸上自衛隊第一特科団の現況、知床原生林の択伐、根室区域の新酪農村建設事業等を視察、関係者の意見を聴取してまいりましたが、その詳細は文書報告に譲らせていただきます。
なお、委員長の手元に詳細な派遣報告を提出いたしましたので、本日の会議録に載せていただくよう委員長においてお取り計らいをお願い申し上げます。
以上で口頭報告を終わります。