宮澤喜一の発言 (決算委員会)
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○国務大臣(宮澤喜一君) 前にも何かの機会に何度か申しておることでございますが、私が承継と申しましたのは、中曽根前総理大臣がその政治の一つの大きな目標として行財政改革ということを掲げられた。これは戦後四十年になりまして、やはり戦後やってきた制度がいろんな意味で改められなければならない、いろいろひずみも生じておる、そういうことについてこの際根本的にやはり見直すべきであり、改めるべきものは改めるべきである、そういう行財政改革の路線についてこれを承継すべきであるということを申したのでございます。
他方で、今佐藤委員のお話しになられました問題について具体的に申しますと、実は中曽根内閣発足直後におきましては、不沈空母であるとか幾つかの発言がございまして、私は正直を申してちょっとその点を危ぶんだ段階がございました。しかし、その後に非常に中曽根さんはそれらの問題について慎重になられまして、むしろ後半はかなりその辺性いわば抑制をして、世論を聞きながら政治をやってこられたように思います。
御指摘になられました憲法の問題については、個人としては恐らく改憲論者でいらっしゃろうと思いますが、自分が総理大臣である間はこの問題を政治の日程に上せる気持ちはないということを明言せられまして、私はそれをもって十分であると考えたものであります。私自身は改憲ということを考えておりません。
それから、GNP一%と防衛費の関係でございますが、昭和五十一年に三木内閣があの決定をいたしましたころには、まだ我が国はかなり経済成長の高い国でございましたので、恐らくGNPの成長の方が当時二けたというようなことは比較的容易に考えられたものでございますから、これがこの一%ということを決めても現実の制約になることはないという認識が片方であったかと思われます。しかし、石油危機の影響がその後出てまいりまして、GNPの伸びが非常に小さくなった。ということは、分母の事情が思わない状況になってきたということがございますし、だんだん給与のウエートがやはり防衛費の半分を占めるようになった。しかも、毎年ベースアップが行われるといったようなこともございました。
それらの事情から、どうしても一%を超えてはならないということ自身は、私はそんなに意味のあることではないとかねて思っておったわけでございますが、昨年の暮れに予算編成をいたす段階で、いろいろな分子、分母の両方の事情からこれを守ることが現実に難しいということになりまして、改めて安全保障会議を開き、閣議を開きまして、かねての三木内閣の決定についての再検討を求めたわけでございます。
結果といたしましてやや一%を突破いたしましたが、しかし一月になりまして改めて閣議決定をいたしまして、今後とも専守防衛の立場に徹して、三木内閣の閣議決定そのものは、文言はこれに置きかえるわけでございますが、精神は尊重する、しかも十八兆四千億という中期防衛計画がございますので、これが十分な歯どめになる。制約になる、こういう認識のもとに新しい閣議決定をいたしました。私は、それをもって足りるのではないか、我が国がいわゆる軍事大国になるということはこの新しい閣議決定のもとで到底考えられないことは以前と同じことであろう、そういう認識をいたしておるものでございます。