宮里松正の発言 (沖縄及び北方問題に関する特別委員会)
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○宮里委員 海邦国体の成果の一つに、選手、役員を受け入れた民泊、民宿との海邦国体後の交流の面が語られております。私も何度かそういう方々のお話を承って、幾つかの事例を承知しておりますが、例えば宜野湾あたりで民泊をされた選手諸君は、今なお民泊の方々と文書などによる交流をしておりまして、何かしら国体を通して沖縄と全国の方々との心の交流が非常に盛んになってきた、こういうことが言われているところであります。
これなども、この国体をしてよかったな、しかも復帰して十五年という節目に、長官が先ほど言われましたように、その間に社会経済も大変発展をしてまいりまして、地元の人々も心にある程度の余裕ができて、それがまた本土からお越しいただいた選手、役員の方々との温かい交流というふうになったと思うわけであります。これからもその実績を踏まえて、今沖縄県では県当局並びに関係団体等、何としてでもこの成果を次の県づくりにつなげていこう、こういう運動が起こっているところであります。その辺のことも踏まえられて、ひとつこれからの施策の展開にも役立てていただきたいと思います。
次に、前回の委員会でも御質問を申し上げたのでありますが、海邦国体後の振興計画の推進についてお尋ねをいたしたいと思います。
前回は主として、国体が終わると公共事業を初めとして国庫支出金が削減をされ、地元の経済が冷え込むのではないかという不安が県民の間にありました。したがって国体後も振興計画の推進については特段の御配慮をお願いしたい、こういう趣旨でお尋ねをしたわけであります。幸い六十三年度の予算は、県民のそのような不安などにも配慮をいただきましてかなり積極的なものを組んでいただきましたので、そのような懸念はある程度解消したかというふうに思います。その点、心から感謝を申し上げるところであります。
ところで、沖縄開発庁は昭和四十七年以来、本土とのもろもろの格差を是正し、かつ経済社会の自立的発展の基礎条件を整備するという目標を掲げて沖縄県の振興開発計画を推進してこられました。この振興開発計画を推進するために、昭和四十七年度から昭和六十二年度までの十五年間に沖縄開発振興事業費として投入された国庫支出金は、産業投資特別会計への社会資本整備勘定分を含めて総額で二兆四千六百六十四億四千五百万円であります。
その内訳は、公共事業関係では治山治水事業費が千三百億六千九百万円、道路整備事業費が八千六百八十四億三千万円、港湾漁港空港整備費が三千九百三十六億五千三百万円、住宅建設事業費が千七十七億五千八百万円、下水道環境衛生施設等の整備費が四千三十四億二千八百万円、農業基盤整備事業費が二千四百八十七億五千三百万円、林道工業用水施設等の整備費が四百六十二億一千九百万円、そして公共事業関係の推進調査費がそのほかに十二億三千百万円計上されまして、公共事業関係の合計が二兆一千九百九十五億四千百万円となっております。
また、非公共事業関係では教育振興事業費が二千七十億一千九百万円、保健衛生事業費が百五十五億三千九百万円、農業振興事業費が四百四十三億四千六百万円、合わせて二千六百六十九億四百万円となっております。
この事業項目別に支出された振興開発事業費の金額を見ますと、国がこの十五年の間に公共事業関係では道路、港湾、漁港、空港、下水道及び農業基盤の各整備事業に力点を置き、また非公共部門では教育の振興に特に力を入れてこられたことがだれの目にも一目瞭然であります。そして実際にも、道路、港湾、漁港、空港、下水道及び学校教育施設などは、この十五年の間に毎年目に見えて整備をされてまいりました。復帰前にはあらゆる面で軍事優先政策が貫かれておりました。道路も港湾も空港も上下水道も、米軍のための軍用道路、軍用港湾、軍用空港、軍用上下水道しかまともなものはなかったことを思いますと、実に目覚ましい発展ぶりであります。
この十五年の間にはこれら社会資本が急速に整備されたばかりでなく、本土各地との間の航空路や自動電話網なども整備され、県民の生活が一段と便利になってまいりました。そして、最近は人口も百二十万台にふえてまいりましたし、県外からの観光入域者も二百三十万人台を維持するようになってまいりました。
このように沖縄県は、昨年の海邦国体にも見られますように、二十一世紀の新しい時代の到来を間近に控え、ようやく将来にかすかな夢と希望が芽生えてきたような感じがいたします。そして、このかすかな夢と希望をただ夢と希望として終わらせるのではなく、これを現実の経済社会の繁栄に結実させていくためには引き続き道路、港湾、空港及び下水道などの社会資本の整備をさらに進めてまいりまして、その上で沖縄県の地域特性にマッチした、例えば国際的な海浜性リゾートでありますとかあるいは学術、文化の交流の面での施策でありますとかそういったものを積極的にこれからも推進していかなければならぬと考えているところであります。
前回は国体後の不安に対する御配慮をお願いしたのでありますが、今回はそのような観点からさらに積極的な施策を展開していくべきではないだろうか、こう考えておりまして、その点に関します長官の御所見を賜れば幸いであります。