加戸守行の発言 (文教委員会)
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○加戸政府委員 初任者は就職した当初の時期でございまして、これはすべての職種についても言えることでございましょうけれども、特に教員の場合につきましては、採用されました教員としての自覚を高めますとともに、円滑に教育活動に入っていって、そして可能な限り自立して教育活動を展開していく、そういった素地をつくる上に非常に大切なことでもございます。一般の職種と違いまして、教員自身が一本立ちして一人で教壇で教えるという役目を負うわけでございますから、この時期に組織的あるいは計画的な研修を行いまして、一生涯にわたります教員としての職能成長について欠かせないものを身につけていくということをねらいとしているわけでございます。今回、初任者研修制度を創設して任命権者にその実施義務を課すこととしたのも、そのゆえんは今申し上げたところでございます。
具体的な内容でございますが、初任者研修制度におきましては、初任者が経験豊かな指導者の指導を受けながら当面する教育問題を究明してその改善策を工夫していくことが効果的である、そういった観点から、初任者は学校に配置いたしまして、それぞれ学級とかあるいは教科・科目をすべて他の先生と同様に持っていただきながら、かつ、一年間にわたる研修を受けるということといたしております。
具体的には、初任者は、校内における研修といたしまして年間七十日間程度の指導教員による具体的な指導を受けていただく、それから校外における研修といたしまして年間三十五日程度教育センター等におきます講義・演習あるいは実際の他の校種あるいは他の施設等の参観、そういった実地の経験を積んでいただくという二つのコンビネーションによってでき上がっているわけでございますけれども、そのほか一年間を通じましてそれぞれ毎日毎日が研修の場である、研修の時期であるという理解のもとに、例えば校内の指導体制に基づきまして、先輩教員から各般にわたる指導助言を仰ぎ、またそれをみずからのものとしていくということを想定しているわけでございます。
具体的には、今申し上げましたマン・ツー・マンの指導といたしましては、経験豊かな先輩教員から、それぞれの一年間の教育課程の流れに沿いまして、あるいは授業の進度、児童生徒の発達段階等を考慮し、あるいは個々の具体的な事例に即してアドバイスを受けながら研修をするという形になりますけれども、その場合には、なるべく教員の自主的な意欲ということでみずから取り組む課題を新任教員自身にも持っていただいて、そういった問題意識に応じて先輩教員から指導をする、そういう意味では、影の形に添うごとく先輩教員が温かい目で見守り、かつ、必要なアドバイスを与え、それが過度のアドバイスではなくて、新任教員が悩んでいることあるいは問題解決に取り組んでいるときのサゼスチョンを与える、そんな方法で指導教員による指導を展開していただけたらと思っているわけでございます。
それから、校外における研修といたしましては、これは教育センター等におきます、いろんな使命感なり教育技術なりいろんな理論的な講義、もちろん実践的な指導力の向上に資するような講義等を受けるわけでございますが、これも今申し上げた新任教員に対します指導教員の指導あるいは学校の進度等に連関させながら今のような理論講義を行っていただきますとともに、例えば宿泊研修等におきます集団の新任教員同士の悩みを打ち明けた意見交換なり、あるいは相互交流を図っていただく。さらには、社会福祉施設とかあるいは児童福祉施設あるいは社会教育施設といったいろんな諸施設、場合によりましては民間企業等の施設も参観いただきまして、学校以外の分野でどのような形で授業活動が展開されているのか、そこで働いている人たちがどんな取り組みをしているのかということを広い視野から受け取っていただくというようなことを考えているわけでございます。
さらに付加いたしますれば、今申し上げた事柄は、都道府県段階におきます任命権者の行う研修の主たる内容でございますが、これと並行いたしまして、国のサイドにおきまして、文部省としては全国的な洋上研修を企画いたしておりまして、新任教員のうちの一部が洋上研修に参加をしていただいて、その場におきまして広い知見を得ていただき、あるいは全国的な教員の相互交流も図っていただくという、いろいろな盛りだくさんな施策を考えているわけでございまして、結論的に申し上げますれば、メーンポイントは校内における七十日間のマン・ツー・マン指導による研修並びに三十五日間程度の校外における教育センターを中心としました研修、さらに付加的な意味で国と任命権者が協同して行います洋上研修、この三つが中核的な存在になりますけれども、もちろん三百六十五日が研修という意識で取り組んでいただくことを期待しているところでございます。