山口哲夫の発言 (社会労働委員会,地方行政委員会連合審査会)
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○山口哲夫君 その指導の理念が、私、間違っていると思うんですね。
それで、まずその前に、この国民健康保険法の第四条の中では「都道府県は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように、必要な指導をしなければならない。」、こう「必要な指導」という言葉が出てくるんですけれども、これは別に市町村を指定しているんじゃないんですね。今までの法律を全部読んでみましたけれども、市町村を指導するというような言葉というのは一つも出てきてないんです。ということは、厚生省にこういう国民健康保険そのものに対して市町村を指導する権限というのはないわけですね。だから今まで指導という言葉も使っていないし、たまたまこの第四条の中で出てきても市町村という言葉は一切出てきていない。それが今度いきなりこの通知によると市町村を指導せいというそういう言葉が出てきているのです。今回が初めてなんです。今度の法改正によって初めて市町村を指導するという言葉が出てくるのです。
だから、国と地方自治体との関係の中で、団体事務に関してそういう指導する権限というのは一体政府にあるのかどうなのかということなんです。私は、そういうものはない、そういうふうに解釈しております。特に二百四十五条を読んでみますと、主務大臣または都道府県知事は「普通地方公共団体に対し、その担任する事務の運営その他の事項について適切と認める技術的な助言若しくは勧告をし、」と書いてある。助言または勧告にとどまっているんです。
しかも、この解釈を読んでみますと、あくまでもそれは技術的なものでなければならないと、こう書いているんです。それはなぜかといえば、明治憲法の中では国というのは地方自治体に対して後見的な監督権を持っていたのです。ところが、それじゃいけないということで、新しい憲法のもとに地方自治法が制定されて、国と地方自治体というのはあくまでも原則としては並立対等の立場でなければならないのだというところから、この監督権というものをなくしたし、指導という権限も与えないようにしているわけです。だから、助言あるいは勧告にとどまっているんです。
それを無視して、今度の通知のようにいきなり保険料の引き下げを行うなとか下げたら交付金を減額するぞとかそういうような通知を書くこと自体、私は厚生省の越権行為である、そういうふうに解釈するんですけれども、どうでしょうか。