山内豊徳の発言 (決算委員会)
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○山内政府委員 ただいま国立公園の自然環境を守ることと、地域の振興と申しますか地元の市町村の期待との調整につきまして、非常に本質的な御指摘ではあると思います。先生お挙げになりました三つの事例が実はかなり性格が違った問題でございますので、ちょっとお時間をいただきまして説明だけさせていただきたいのでございます。
初めに、草原を畜産用の農地に変える話でございますが、これは実は、私もその後、所長にも具体的に直接聞きただしたのでございますが、農地に変えること自体をお断りしたというよりも、どうも全体的にここのところ農地に変えるヘクタールは年々非常にふえてきている、ことしは少し減ったようでございますが、そこまでは理解できるのだけれども、せっかく農地ということでお認めした土地が、計画段階ではございますけれども、いろいろな開発にさらに使われるような傾向がどうしてもあるので、実はこういった物事を決めますときに、やはり県知事、県庁の御意見も大事でございますから、県庁の方に、今後どの程度農地に変えていくのか、大体の見通しを教えてほしいと申し上げたところ、それについてはまだ計画がないということもありまして、余りはっきりした御答弁がなかったものですから、一応この御相談をお返しするという形をとったわけでございます。しかし、結論的には県の方からも十分な説明がございましたので、今回地元紙で問題になりました農地転用はお認めする方向で、また、将来につきましても県の農政当局ともよく御相談しながら物を運んでいこうということで、私どもとしては一応決着したと思っております。
二番目の建物の色なり高さでございますが、これは率直に申しまして、いろいろな公園で問題になることが多いのでございます。このレストランは、もちろん経営は実際は民間でございますが、自然公園の中の公園事業ということで、私ども自然環境保全審議会にかけまして、逆に言えば公園の中に一つ必要だということでつくらせていただいた事業でございますが、これにつきましては、やはりどこの国立公園でもある程度共通でございますけれども、余り華美なものあるいは高いものができますと収拾がつかなくなる経過もございますものですから、大体事務所には最小限の内規もございますので、地域によりましては地元とよく御相談しまして、そういったことを決める協定のようなものをつくった例もあるのでございます。阿蘇の場合はそういった形式をとった協定はございませんでしたが、従来の取扱指針の範囲内で、御申請のあった方と相談をして、これも所長は、一応自分としては理解してもらって結論を出したというふうに理解をしておりますが、新聞ではそこを、事務所が非常に強い態度に出たことを強調しておりますものですから、先生がお受け取りになったような受け取り方が地元にもあろうかと思いますけれども、私どもがきのうも図面に即して検討させていただきましたら、今回の所長の指導は私どもとしても十分お願いしなければいかぬ線の範囲内であるというふうに考えております。
三番目の、サーキット場という名前で言われております大規模な計画が、まだこれははっきりした形では事務所にも私どもにも御相談があったわけではございませんが、三つばかりあることは事実でございます。これにつきまして、先生おっしやいましたように、地元紙では所長が、言葉の上では「好ましくない」という言葉で出ているようでございますが、おっしゃるように、今の段階で所長が反対、賛成ととれるようなことを言うのはどうであったかという気もいたします。ただ所長にしますれば、言葉は正確に、まだ全く相談を受けていないけれども、ということで感想を述べたわけでございます。
ただ、先生御指摘のように、このことについては一般論として、反対するという住民の陳情なども、所長は直接お会いしておりませんけれども事務所の方にもそれがあったりしまして、地元の新聞取材においては、所長はどう思うかねということをどうしても聞かれるものでございます。その点、私はその言葉、表現の上で問題があったとは思いませんけれども、余り早い段階で意見めいたことを言うことは、先生御指摘のように確かに問題があろうかと思います。
念のためと思いまして、どのような計画があるか昨日も私、調べてみたのでございますが、三つある計画のうち、一つは確かに国立公園の中でございますけれども、あとの二つは公園区域の外でもございます。そうなりますと、今申しましたように余り早い段階で事務的に意見を申し上げるのはどうかという気もいたしますが、一つの公園区域内といたしましてはかなり広大なものであるだけに、所長としては、何と申しましても昭和九年以来お預かりしている阿蘇の国立公園という気持ちがありましたものですから、あえて尋ねられれば、自然環境の保全の上で慎重な上にも慎重を重ねてほしいというつもりで「好ましくない」という言葉を使ったと思いますが、その点は、何度も申しますように、今の段階で、申し上げた表現としては新聞に書かれているとおりだとしましても、ちょっと踏み込み過ぎかなと思います。
ただ、くどいようでございますけれども、伝統ある草原景観の典型である阿蘇を守るために、ある意味では所長を初め私どもも苦心、苦労しているつもりでございますので、意のあるところは御理解いただきたいと念願する次第でございます。