藤永延代の発言 (税制問題等に関する調査特別委員会)
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○参考人(藤永延代君) 私は、大阪のしろきた市民生活協同組合で、現在は専務理事代行をしています藤永延代でございます。
私は、民主主義のルールを無視する強行採決や消費税に反対する圧倒的多数の消費者、国民の立場から意見を述べさせていただきます。
まず初めに、台所の立場、暮らしを預かる主婦の目で見て、この消費税が家計にどんな影響を与えるのか、私どもの生協がことしの九月に行いました「わが家の増、減税チェック」の集約の一部を参考に報告をさせていただきます。
今回の税制改革では、年収五百二十四万円のサラリーマン家庭で平均五万一千円の減税になると言われています。しかし、私たちのところに返ってきましたものでは、年収五百六十三万の片働き家庭で十一歳と七歳の子供二人の家庭では、八万三千七百二十円の増税になっています。この人は、税金の多さにびっくりした、その上まだ取られるなんて取るところが違っているんじゃない、これ以上サラリーマンを税金でがんじがらめにしないでと感想を書いています。また、年収六百八十万の片働き家庭で七歳と九歳、二人の子供を持つ家庭でも、年収六百七十万以上の減税対象世帯のはずだけれども、減税はわずか千二百八十円にしかならない、このことを実感しました。もし、五%になると七万八千円もの増税ですと言っています。一千万を超え、四人家族で五万円減税になる人でも、二人で働いている割に消費支出が少ないので減税に見えますけれども、ローンに追われ老後も不安で消費をふやせないだけですと書いています。それぞれに数字を出してみて改めてびっくりした、甘い言葉にごまかされてはいられないと感想を寄せてくれました。
家計簿をきちょうめんにつけている人は、収入の中に占める税金や社会保障費の比率の大きさをよく認識しています。「くらしからみた社会保障費しらべ」、この調査では、給与世帯では収入の三〇・九%が社会保障費、税金、医療費で占められて、大きな負担になっていることが浮き彫りになりました。これ以上取って一体何に使うの、台所の目が国家の予算案を見ますと、軍事費の増加が目立ちます。平和憲法を持つ日本で、高齢化社会に必要な財源だと言われるならここを削ればいいじゃありませんか。
私たち大阪の婦人は、九月二十一日、「なまえを変えてもいややねん消費税」、消費税法案の撤回を要求する大集会を持ちました。近畿二府四県はもとより、愛知からも広島からも四国からも、子供の手を引いたお母さんたちが七万二千人も集まったんです。消費税の内容を知るにつれ、何に使われるかを知るにつれ許せないと怒りを持って立ち上がったのです。
大粒のダイヤにも赤ちゃんの粉ミルクにも同率にかける悪税を許せない、黒いうわさの手で台所を直撃する消費税をごり押しする政治は許せない。何よりも間接税は導入しませんと約束した人たちが主権者国民をだまして導入しようとしている民主主義破壊を許せない、こんなことを許したら日本がむちゃくちゃになる、社会がむちゃくちゃになる、そんな思いのお母さんたちが、日差しの強い大阪城に七万二千人も集まったのです。消費税絶対反対の一致点で、消費者、事業者、市民百五十七団体、六百十七単位団体が集まりました。障害者の皆さんの姿もありました。短冊に消費税ノーの意思を託して五万個の風船を空に放ちました。あのときのどよめき、今も耳に残っています。
私は二人の子供の普通の母親でした。家事が大好きな専業主婦でした。その私が石油パニックのとき物不足で振り回されました。これではいけない、私たちの暮らしは私たち自身の手で守ろうと生活協同組合づくりに参加したんです。自分たちでお金を出して、仲間を誘って、みんなで分け合って、そんなことを通してたくさんのことを学びました。障害者のお友達もできました。障害者の福祉後退で障害者にどんなことが起こっているか御存じですか。私たちの生協のすぐそばに知恵おくれの子供たちの施設がありますが、軽度で少し仕事のできる子は職場実習に出かけます。そこでもらう四、五万の小遣いがあっても、二十過ぎた子はあらゆる措置をストップされるんです。親があろうがなかろうがストップされます。私たちの精米所で働くある子は、アパートとの約束で、極寒の冬の日でも電気あんか一つしか使わせてもらえません。厚い援助の要る子への補助はカットして、消費税はこの子からも取るのです。今、私たちはこの子たちの家をつくろうとカンパ活動を進めています。
今回の税制改革で、私たちが見過ごせない重大なことが隠れています。それは生協への課税強化です。私たち自身が暮らしを守ろう、生活を文化的に向上させようと小さな力と大きな知恵を寄せ合ってつくってきた生協、お母さんたちが生き生きと活動している生協、法人税減税のもとでなぜ生協にだけ課税強化をするのですか。大きな生協だけといいますけれども、組合員が五十万人いても百万人いても一万人でも、一人の組合員の利用高は同じです。願いは同じです。利益追求を目的とする一般企業の税金は引き下げて、お母さんの暮らしを守る事業に、ここだけになぜ課税強化をするのですか。こんな不公平なことは絶対許せません。
おしまいに、先ほど申しました消費税集会に参加したある組合員の感想文を読ませていただきます。
今の政治家は江戸時代から進歩していない。悪徳代官みたいだ。一人でどなっていても生活は変わらない。どなりたい人が七万二千人集まった。このパワーで庶民の暮らしを守る方法はないのか。私は考えた。炎天下で考えた。私たちの生活を守る唯一の方法は選挙だ。消費税に賛成した政治家には金輪際入れないことだ。婦人は子育てだけでなく政治家も育てよう。立派な政治家を育てれば庶民の暮らしは進歩する。
今、子供たちの中に国会への関心が高まっています。今どきの大人はと言って見ています。今私たちがどんな判断をするのか、子供たちがにらんでいます。国際化の時代、二十一世紀に向けて、もう政治は陰湿な駆け引きの場では済まされません。理論的で科学的で人間的で、そして正義まかり通る場でなければなりません。今このとき、きょう大阪の中之島中央公会堂で、私たちの仲間二千人が集まって、「消費税あくまでNO! 主権者・怒りの集会」を開いています。公約違反の消費税は断じて許しません。どうしても入れたいのなら解散をして国民に聞け、これがみんなの声です。
諸先生方に心から訴えます。子供たちのお手本となるような民主主義と、正義感あふれる政治活動を進めてください。それが今一番求められています。
終わります。