山口哲夫の発言 (税制問題等に関する調査特別委員会)
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○山口哲夫君 自然増収が出ると言うけれども、この間もちょっと触れましたけれども、自然増収というのは一体それじゃ何に使うべきかと言うんです。この間も言いましたけれども、交付税で特別会計から借金しているのが六兆円あるんですよ。それに利子が二兆六千億あるんです。財源対策債等償還金が何と十五兆円もあるんです。全部足しますと二十三兆円もちゃんと返してもらわなければ地方財政というのは健全化されないんですよ。総理、たしかきのうもお答えになったと思うんですけれども、ある程度そういった財源があればそれはまず借金を返すべきですと、こうおっしゃっていましたよね。地方財政だって同じですよ。それだけの収入、自然増収がふえたなら、まず借金を返すことから始めなきゃならない。
それともう一つあるんです。基準財政需要額というのがありますね。この基準財政需要額というのは、本来当然あるべき行政水準というものを想定していろんな細かな計算をしてつくっていきます。そのあるべき水準が全然今なってないんですよね。例えばたったの一例ですけれども、時間が余りないからごく簡単に申しましょう。
保育所の経費というものは、それぞれの市町村でどのぐらいかかるのかということで厚生省が物すごい細かな計算をするんです。一度その算定基準を見せてもらったら、大変私びっくりしたんですがね。三歳未満児は一カ月七千七百八十四円です。三歳以上児は五千二百七十円です。何で二千五百十四円の差があるのかと厚生省に聞きましたら、三歳以上の子供というのは弁当を持ってきてくれと言うんです。三歳未満以下の人は保育所で弁当を出す。何で三歳以上と三歳未満と分けるんですかと。何にも変わらないでしょうと。私は幸いに全国区ですから、随分いろいろなところを歩かしてもらって、保育所へ行くとほとんどみんなちゃんと出してますわね。三歳以上は家から弁当を持ってこいと、そんなことを言っているところはごくわずかですよ。どうしてですかと言って突っ込んでいったら、厚生省は、いや、財政的なことを考えてやらざるを得なかったと言うんです。そうすると、交付税の算定基準というものはあるべき水準というものを考えて計算するんですよ。ところがこれ、あるべき水準じゃないんですよ。金がないから三歳以上児だけは家から弁当持ってこいと言っているんですよね。こういう矛盾がたった一つですけれどもあるんです。
そのほかまだまだありますよ。当然法令を守らなきゃならないと言っている、国の基準を守らなきゃならないのに、その国の厚生省が出した基準さえ守らないで、そして人数を少なくして計算をするとか、ありとあらゆる中にそういう基準財政需要額の計算が出てくるんです。地方自治体の交付税をはじき出す基礎になる一番大事な基準財政需要額の計算、もっと細かく言うと単位費用ですよね。今言ったように、この子供には幾ら金かかりますかというそういう単位費用が、あるべき水準よりぐっと低く見積もっているんです。だから、地方財政というものは水準も上げなければならないとなれば、それだけ自治体の負担が多くなるということになっているんです。こういうからくりを大蔵省はやらせていると私は思うんです。
そういうことを考えたときに、こんなものは、私はやっぱりきちっと法律どおりあるべき水準のものをはじき出すためにも、やっぱり金はそっちの方に使うべきであって、自然増収がふえたからそれを埋めるなんということにはならないと、そんなふうに思うんですけれども、どうでしょうか。