山田隆英の発言 (内閣委員会)

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○政府委員(山田隆英君) 海上保安庁といたしましては、今回の事故直後、ただいま先生からお話ございましたような海上自衛隊の救助の状況についていろいろ新聞紙上等で批判がございましたので、それらの事実について捜査を行ったわけでございます。
 まず、船員法十三条では、船長は人命の救助義務があるわけでございまして、その義務に違反しているんではないかということが再々言われまして、その点につきましてまず捜査を行ったところでございます。
 捜査の結果によりますと、「なだしお」艦長は衝突直後溺者救助部署を発動いたしまして、ゴムボートを降下し、また泳者を派遣するなどいたしまして、同鑑付近を漂流中の遭難者三名を救助しておりまして、当時の状況に応じまして人命救助を行ったものというふうに承知をしているわけでございます。
 それからさらに、新聞報道で非常に大きな影響を与えましたのが、今申し述べられましたような溺者――溺者というか、おぼれる者を目の前にして海上自衛隊は何もしなかったんではないかというような報道がなされたわけでございまして、これにつきましても私どもとしては関係者からの事情聴取等を行ったわけでございます。
 その結果によりますと、第一富士丸の女性乗組員が報道関係者に発言をいたしましたのは七月二十五日の夕方、自衛隊の横須賀病院での記者会見時のみとのことでございます。そのときの発言ぶりと、それから報道関係の事実関係について本人に確認いたしましたところ、潜水艦と私との間の距離は十メートルほどであった。と言いますのは、衝突直後のことでございまして、海に投げ出され海面に出た際に見たときの距離で、その後、潜水艦に向かって助けてくれと叫びましたのはそれから三十秒もたってからということでございます。また叫んだ回数も、当時は興奮しておりましたのではっきり覚えていないということでございました。
 投げ出されてから三十秒ぐらいたちますと、そのころ「なだしお」は機関を後進としておりましたので、衝突直後から足しますとその間に相当距離が離れているということになりまして、「なだしお」側が女性乗組員の声や姿を確認することは困難であったというふうに考えられるところでございます。
 また、何人もの人が助けてくれと言いながら海の中に沈んでいったという証言がございますが、これにつきましては、衝突後海面に浮いている人が二、三人海中に沈んでいったのを見たと言ったことを報道されたものと思われるわけでございます。それに対しまして、当女性乗組員が言っておりますのは、今思えば漂流者の人の頭が波間に入ったり出たりしていたものを、当時は事故後日が浅かったので、また興奮していて、次々に沈んでいったように感じて言ったもので、私の言ったことは間違っていたと思う旨を述べておりまして、当時本人が興奮しておりましたための誤解によることであったことが判明したわけでございます。
 このように、目の前でおぼれている者がいるのに自衛隊側が何ら救助をしなかったというような報道は事実ではなかったというふうに承知しております。

発言情報

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発言者: 山田隆英

speaker_id: 6344

日付: 1988-10-11

院: 参議院

会議名: 内閣委員会