岡松壯三郎の発言 (商工委員会)
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○政府委員(岡松壯三郎君) 先生御指摘のとおり、繊維産業は、他の産業に比べますと、生産、流通構造が極めて複雑である、あるいは産地性を有しておりまして、先ほど御指摘の二百八十万人、約百七十の産地に展開されていると私ども考えておりますが、この産地で生産額の約六割を占めるということで、他の産業に比しても産地性が非常に高いというのが特徴でございます。また、企業の零細性につきましても、九三%ぐらいの企業が十九人以下ということで、この点においても際立ったものであり、また賃加工形態を持っているということも先生御指摘のとおりでございます。
これらがどういうふうに繊維産業にメリット、デメリットを及ぼしているかということについて若干考察してみますと、生産、流通構造の分断性ということは、一面では分業の利益を生かせるというメリットもございますが、他面、需要情報が上流、川上へ流れる、これがうまくいかない。そのために各段階で仮需依存の生産体制になっている。したがって、余分目、余分目につくっていかないと最終需要に適応できないという欠陥を有しているということでございます。
それから、産地性について考えてみますに、一カ所にまとまっているということは集積のメリットがある。例えば物流面、情報面につきましても非常に伝達しやすいというメリットはあるわけでございますが、逆に言いますと、企業の没個性化といいますか、過当競争性を同時に内包することになるという欠点もございます。
また、企業の零細性につきましては、やはり変化への対応力が損なわれるということは御賢察のとおりでございます。
それから、賃加工の点について考えてみますと、個別企業の限られた能力の範囲内で効率的な生産を追求するということができる。そこの点は賃加工のメリットでありますけれども、逆にこれは過度に依存するという親企業依存体質が出てしまうというような問題点があるわけでございまして、それぞれやはりメリット、デメリットがあるというふうに考えております。
今後、このような特性がどういうふうに変化していくかというのが御質問のポイントかと思うのでございますが、なかなか予測しがたいというのが率直なところでございますけれども、需要面、技術面の諸要因の変化によっていろいろ変化をしてくるというふうに思っておりますが、やはりこの繊維産業の特質というものは一朝一夕に変わるものではございませんので、そのメリットを生かし、デメリットを克服するという形で、しかも先ほど来出ております内外の環境変化に的確に対応できるような新しい繊維産業対策を今後とも積極的に推進してまいりたい、このように考えておる次第でございます。