梶山静六の発言 (商工委員会)
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○国務大臣(梶山静六君) 我が国は、従来から輸入拡大、それから自由貿易体制の維持強化に全力を挙げてまいってきておりますし、その成果は着実に上がっているという認識を持っております。こうした努力にもかかわらず、今回スーパー三〇一条の対日適用が行われたということは極めて遺憾と言う以外には言いようがございません。この制裁措置を背景に交渉を行うというスーパー三〇一条の枠組みは、ガットの精神にも反しますし、ウルグアイ・ラウンドにおける各国の努力にも悪い影響を与えるものだというふうに認識をいたしております。
我が国といたしましては、スーパー三〇一条の枠組みのもとでは交渉には応じられず、ガット等の場で議論をすべき問題だというふうに考えておりますし、過般行われましたOECDの閣僚会議に当時の宇野外務大臣、三塚通産大臣が出席をいたしましたし、それから四極の貿易大臣の会合にも村岡審議官が出まして本件について問題提起を行い、ヨーロッパ各国のむしろ同調を得ながら、アメリカの行った行為に対していわば批判が行われたことは御案内のとおりであります。その後も下田で次官級の会議が持たれましたけれども、このスーパー三〇一条の中身の具体的な問題については触れられなかったというふうに報告を受けております。
しかしながら、相手の非をなじるだけで私どもの責任が果たせるというか、問題の解決になるわけではございません。我が国としては、今先生御指摘のとおり、経済大国との認識のもとに、今後とも輸入拡大に全力を挙げていかなければならないという気がいたしますし、日米が感情的に対立することは絶対避けなければならないと思います。何よりも大切なのは、御指摘のとおり、日米関係が良好であることでございますので、何ゆえにアメリカがいら立っているか、そのいら立ちの根源を我々は分析をし、理解をし、そして現在の自由貿易体制を維持拡大するためにいかなる措置をとればいいか、そのことが何よりも大切だという気がいたします。
いずれにしましても、アメリカの貿易赤字の半分が日本によって占められているという現実、これは理論は理論として、さはさりながら、いずれにしても自国の利益あるいは存立を基盤に考えることが国会としては当然でございますから、アメリカの議会が大変先鋭的にあおっているという問題も一部には言われますけれども、やはり国益というものを考えれば、そういう議論が分かれることもまた当然でございます。私たちの感覚からいいますと、経済の合理生、経済の採算性というものにすべての物差しを置いて議論をいたしておりますが、経済以外の価値、そういうものに思いをいたさなければ、このアメリカの心情をまた理解することも不可能なのではないか、こういう気もいたしますので、とにかく現実的には輸入大国を目指しながら、拡大均衡の中でアメリカとのいわば貿易インバランスの解消やそのいら立ちの基本にあるもの、こういうものを考えあわせながら冷静に対処いたしていかなければならないと考えております。