尾身幸次の発言 (決算委員会)

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○尾身委員 日本の今の国際関係及び日本の国内の関係を総合的に考えてみますと、私は幾つかの特徴があると思うのです。一つは、日本の経済力が非常に強くなったということでありまして、例えばGNPの一人当たりの水準が世界最高になったということが一点、それから二点目は世界のトップ水準の技術力を持つようになったということ、三点目は世界最大の資金力があり最大の債権国になったということ、四点目は先ほどの話のように年間九百億ドルの大幅な黒字が続いているという現状であります。こういう現状が世界の中における日本の位置づけという観点から見てあるわけでありますけれども、他方日本の国内はどうかといいますと、道路や下水道や住宅などのインフラが世界の先進国の中で見れば最低水準にある。平均労働時間はどうかと言えば先進国の中で一番長い。物価水準は総じて言えば世界一高い。内外価格差も極めて大きいものがある。そしてまた、特に都市部においては平均的サラリーマンが一生かかっても満足する住宅を買えないほど土地の値段が高い。つまり、国際的における資金、技術面における日本の地位の高さと国内における本当の国民生活のあり方というものを考えると、そこに非常に大きなアンバランスがある。そしてまた、同時にその裏返しとして、貿易収支の黒字、それに伴う対外関係が非常に危機的状況にあるというふうに私は思うわけであります。この日本の内外の体制というものを本気で直していかないと大変なことになる。国内的な問題も大変なことになりますし、それから世界の政治、外交、さらに経済関係におきましても、先ほどの外務大臣のお話のように二十一世紀に向かって我が国が孤立化するおそれがある。日本は資源が乏しい、国土が狭い、そして防衛問題にしても日米安保条約を基軸として安全保障が確保されているような現状から見て、二十一世紀に向かって日本が世界の各国の中から孤立するということは、日本の将来が非常に危ないということにもなるわけであります。
 したがいまして、私は、この貿易黒字問題につきましては、単に経済問題だけではなしに、日本の社会、政治、あらゆる問題の一つの焦点としてとらえて、日本経済社会の体質を改善するということも含めて海部総理が最大の輸入大国になると言っておられますけれども、同時に、日本の全体の構造を直すという抜本的な問題も含めて真剣に取り組んでいただかなければならない課題であるというふうに考えているわけでございますが、これに対しまして通産大臣及び外務大臣から一言ずつ御決意のほどをお伺いいたしたいと思います。

発言情報

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発言者: 尾身幸次

speaker_id: 1221

日付: 1989-10-31

院: 衆議院

会議名: 決算委員会