堀昌雄の発言 (大蔵委員会)
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○堀委員 本日は、国鉄共済年金問題について一時間十分の時間で質問させていただきますが、橋本大蔵大臣は、かつて厚生大臣を歴任され、運輸大臣を歴任され、現在大蔵大臣でありますから、これらの三省にわたる本件については、恐らく現在の政府の中で最も詳しい政治家だというふうに私は認識をしております。
そこで、特に私がそのことについて触れますのは、かねてから御承知のように、先般も資料をお配りしまして、きょうは後でまた冊子になったものを委員長の御了解を得て配らせていただきますけれども、現在の行政機構は御承知のように縦割りになっておりますから、大蔵省、厚生省、運輸省、いずれもその省が所管をすることについて非常に熱心に詳しく勉強もし、同時にその立場に立ってこれを推進する、こういう傾向があるわけであります。しかし、今回の鉄道共済年金の問題というのは、まさに大蔵省の問題であると同時に、かつてこれを所管してきた運輸省に非常に大きな責任のある問題でありますし、同時に今、法案が提出されている中で、社労にかかるようでありますけれども、厚生年金から巨額の調整金を出すというのは、これは厚生省の所管の問題なんであります。要するに三省にわたるような問題は、どうしても広い視野で、同時に非常に長期的な展望に立って、年金でありますから二十年、三十年先を展望した上で実は物事を考えなければならぬ、私はこう考えているわけであります。
まあしかし、厚生大臣、運輸大臣、それも運輸大臣は国鉄の民営化のときに運輸大臣をしていらっしゃるし、現在大蔵大臣としてやっていただいておるという橋本大臣に、答弁はもう技術的な問題が多いですから事務方でいたしますけれども、最後に集約して、そういう意味で、視野が広く長期的な展望を、幹事長として大いに実力を発揮をされた橋本大蔵大臣の見解をひとつ最後に伺うということにして、まず、専らその前段の方の話を進めてまいりたい、こう考えるわけであります。
そこで、実はこの問題を私が最初に取り上げましたのは昭和六十年二月四日の予算委員会であります。そのときの経過をちょっと簡単に読み上げます。
○堀委員 そこで私は、きょうはまず最初に共済年金の問題を取り上げ、あわせて現在政府の進めておられる年金制度の問題を取り上げ、それとの関連で税制の問題を取り上げるという形で物を進めたいと思うのでありますけれども、要するに一つ一つの個別問題ではなくて、全体に関連のあるもの、包括的なシステムとして実はきょうは私はいろいろと問題提起をさせていただきたい、こういう考えでございますので、財政改革を含めて全体の一つのシステムの流れとして問題を次々と提起をしてまいりますから、どうかそういう御認識でひとつお聞きをいただきたい、こう考えるわけであります。
そこで、最初に国鉄共済年金の、国家公務員等共済年金の問題についてお伺いをいたします。実は今、国鉄問題は国鉄監理委員会でありますか何かで原案が作成中ということに聞いておりますが、私は、きょう国鉄問題を議論する気はないのでありますけれども、この国鉄共済の問題を解決するめどがつかない限り国鉄の再建問題はあり得ない、実はこういう基本的な認識でございます。そのことをこれから少し申し上げて、皆さんもおわかりをいただけると思うのでありますけれども、長期給付財政調整事業運営委員会というのが国家公務員等共済組合の運営の財政調整五カ年計画というのを実は提案をしておるわけでありまして、大蔵大臣は五十九年十月十六日にこの認可申請を受けておられるわけであります。御承知でしょうか、大蔵大臣。
○竹下国務大臣 承知いたしております。
○堀委員 その中でこういうことが言われているのであります。「従って今回策定した計画は、あくまでも昭和六十年度から六十四年度の五年間に限った当面の対応策にならざるを得なかった。仮に六十五年度以降も現行の財政支援体制であるとすれば最早支援は不可能であって、支援体制の拡充、強化が是非とも必要である。」非常に重要なのは「六十五年度以降も現行の財政支援体制であるとすれば最早支援は不可能」であるという断定が実は下されておるわけであります。「国鉄共済組合の昭和六十五年度以降の給付の増加は目を見張るものがあるが、長期的にみた給付と負担の不均衡の拡大は単に国鉄共済組合だけではなく、共済年金制度全体にも共通する問題である。各共済年金制度の健全なる財政運営を図って行くためには、現行の給付水準の抜本的見直しと大幅な保険料の引き上げとは避けて通ることができない状況であるが、自助努力にも限界があり、他方、これを放置しておけば各共済組合とも早晩財政破綻が生じる。従ってこれはただ単に財政上の問題だけではなく共済年金制度の存続にかかわる問題でもあり、ひいては公的年金制度全体に対する国民の信頼を失う恐れがある。」こういうふうに指摘をしているのであります。
これが実は長期給付財政調整事業運営委員会の委員長が答申をしている内容でございます。私は、まさに的確にこの問題の重要性を指摘していると思うのであります。
そこで、これだけではちょっと皆さんに国鉄年金の問題というのがおわかりにならないだろうと思いますが、この財政調整計画で今出されておりますのは、この前、国家公務員共済組合とそれから電電公社共済組合、専売公社共済組合を統合して国鉄救済のための国家公務員等共済組合というのができました。そうしてこの六十年から六十四年にかけて、ここで述べられておるのは約四百五十億円をみんなが出してひとつ国鉄の共済組合を支援しましょう、こういうことになっているわけですね。それはできる話として認可が申請されておる。ところが、六十五年から先の問題は今私が述べたようなことになっているわけです。
事務当局の答弁でひとつ六十五年以降、国鉄職員が今三十二万人、これは六十五年には大体何人になるのか、そうして七十年には何人になるのかという職員数を下敷きにしながら、六十五年からその他の三共済が支援を必要とする金額というのはどういうふうになるのか、国鉄側から答弁を求めます。
○仁杉説明員 お答えいたします。
六十五年度以降につきましては、大体二十五万五千ぐらいの数字を今考えております。こういうふうに組合員が減少してくるということ、それから追加費用の未払い分を六十四年度までに早く支払いまして国鉄の年金制度を維持したいということでございまして、六十五年以降はこの追加費用がなくなるという、共済組合の方に入る金がなくなるということがございまして、現在細かく試算するわけにもまいりませんが、平均といたしまして七十年度までを試算をいたしますと、一年当たり約三千億程度の不足額が生ずるというふうに計算しております。
○堀委員 大蔵大臣、あなたが国家公務員等共済組合の主務大臣でございますから、同時に大蔵大臣でございますから、昭和六十年度以降、なるほど四百五十億なら三つの共済組合協力できるでしょうけれども、三千億を超えるような膨大な支援を求められては、これはこの答申が言っておるように支援は不可能ですね。大蔵大臣、これはどうして対応されますか。
こういうふうに実は六十年二月に私はこの問題を提起いたしたわけであります。その答えが今提案をされている中身になってきているわけであります。
そこで、それでは今度の問題について責任の所在は一体どこにあるのかということをちょっと触れておきたいと思うのであります。
鉄道共済年金問題懇談会報告書というのが六十三年十月七日に実は出されているわけであります。その中にこういうふうに書かれています。
鉄道共済年金問題については、かねてからその財政運営について種々指摘がなされてきていたが、昭和五十年代に入って単年度収支の赤字が発生する等財政事情の悪化が顕在化するに至った。これに対して、鉄道共済年金においては、昭和五十九年度に至って既裁定年金のスライド停止等の措置、昭和六十年度からは国家公務員・NTT・たばこの三共済による財政援助の措置等が講じられたほか、積立金の充当により、当面、昭和六十四年度までの年金の支払いについては、支払不能といった事態に陥ることのないよう手当てされたところである。
こうなっているのであります。
そこで、この「赤字の原因」というところで、
鉄道共済年金の年金給付費のうち、昭和三十一年六月以前の恩給期間分の支給に充てられているいわゆる追加費用は、民営化以前は事業主たる旧国鉄の負担とされており、民営化後は日本国有鉄道清算事業団の負担とされている。戦後旧満鉄等からの大量採用に伴う年金の費用も主としてこの中に含まれている。従って、鉄道共済年金の昭和六十五年度以降年間三千億円にのぼると見込まれる赤字幅は、昭和三十一年七月の現行共済年金制度発足以降の期間分について生じていることとなる。
こういうふうになっていますけれども、この問題というのは、ここに書かれているように、赤字が始まったのは、単年度収支の赤字は昭和五十年代に入ってから始まっている、こういうことになっているわけですね。
昭和五十年度というのは、今からいうと大体十五年前の話ですね。そのときに単年度で赤字が出ているのに、当時これは日本国有鉄道でありますから、責任は運輸省、言うなれば内閣にあったと私は考えるわけであります。その内閣が、既に十五年前に単年度収支の赤字が出ているにもかかわらず、抜本的な対策も講じずに、安易に国家公務員、電電、専売の共済組合の支援を受けて四百五十億でつないできた、これ自身が私は大変誤った選択であった、こう考えているわけであります。
現在、後で詳しく聞きますけれども、次に問題になるのはたばこの共済じゃないですか。これが一番最初に出てくる問題。その目の前に来ておるたばこの共済組合から金を出させて、専売の共済が早くダウンすることを促進するようなことを政府は提案をしてやってきておるというのが現在の実態であります。
ですからそういう意味で、私は国鉄共済年金問題というのの一番の責任は内閣、政府にある、こう考えるのでありますが、これはひとつ大蔵大臣、御答弁をいただきたいと思います。