小川仁一の発言 (建設委員会)
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○小川仁一君 委員派遣報告を申し上げます。
去る九月十二日から三日間、対馬委員長、吉川理事、井上委員、野別委員、白浜委員、上田委員、それに私小川は、北海道における建設諸事業の実情を調査してまいりましたので、その概要を御報告申し上げます。
まず、北海道開発の現状について簡単に申し述べます。
北海道の経済は、個人消費、民間設備投資を中心とする内需の好調と公共事業の下支えを背景に六十二年から緩やかながらも拡大傾向をたどりつつありますが、なお有効求人倍率は全国一・二四に対し〇・六一と半分以下であり、相次ぐ炭鉱の閉山などで依然として厳しい状況に置かれております。現在、六十三年度に策定された第五期北海道総合開発計画及び道の新長期総合計画に基づき、新千歳空港における国際エアカーゴ基地構想、青函インターブロック構想、富良野、大雪等の大規模リゾート構想、医療と先端産業の複合化を図るHIMEX構想、航空宇宙産業基地構想等、各種プロジェクトを核として懸命に産業構造の転換を図る努力がなされておりますが、その効果が出てくるまでにはかなりの時間を要しますので、その間、国の強力な支援が求められておりました。
特に、北海道においては建設業が総生産の一三・六%を占め、公共事業の果たす役割は大きなものがあり、予算の増額確保とともに、ゼロ国債による公共事業費の追加補正措置によって、積雪寒冷地における公共事業の効率的な執行が可能となるよう引き続き配慮されたい旨強く要望されておりました。なお、平成元年度の北海道開発予算は国費ベースで七千九百三十億円余、事業費ベースで一兆二千五百四十九億円余となっております。
次に、北海道における高速道路の整備について申し述べます。
北海道における国土開発幹線自動車道については、函館市と稚内市とを結ぶ北海道縦貫自動車道及び黒松内町と根室市、網走市とを結ぶ北海道横断自動車道の建設が予定されておりますが、このうち既に供用されているのは、今回視察中に開通した道央自動車道滝川—深川間を含め二百三十三・五キロにすぎず、供用延長の割合は一七・
一%と全国の三八・九%に比較して著しく整備が立ちおくれております。広大で都市間の距離が離れている北海道では、経済活動の基幹である高速道路の整備に対する熱意は極めて高く、一般国道の自動車専用道路も含めた北海道における高規格幹線道路網一千八百十三キロの整備促進が地元関係者の一致した強い要望となっておりました。なお、現在建設中の札幌自動車道札幌西インターから札幌インターまでの工事を視察いたしましたが、この区間は札幌自動車道と道央自動車道を結び、また札幌市北側の外郭環状道路として都市高速道路の機能も果たす重要な区間で一日も早い完成が待たれておりました。
次に、産炭地域の現状と地域振興策について申し述べます。
昭和三十年代に八十鉱もあった空知地方には現在、主要五鉱があるだけとなり、六十二年度から実施されている第八次石炭政策のもとで初年度に二つの炭鉱が閉山となったのに加え、存続している炭鉱も大幅な合理化が進むなど、産炭地域は押しなべて人口が大幅に減少し、町は活気を失い疲弊し切っている状況にありました。
そのため、空知地方では、産炭地域振興の工業団地造成等の事業が実施されており、また地域の活性化のため、種々な工夫を行っておりますが、砂川市では、石狩川の洪水対策のための遊水地造成事業に合わせ、遊水地掘削により発生する砂利の売却利益を活用して遊水地周辺を公園化し、オアシスパークとする一石二鳥の事業が計画されており、また高速道路に隣接した道営の子供の国と高速道路のパーキングを結びつけるハイウエーオアシス事業が実施されておりました。これら事業が完成し、地域の活性化が図られることを期待いたします。
また、三笠市でも、折から北炭幌内炭鉱の閉山が確実となり、雇用の確保、地域振興策等が大きな問題となっており、これに関連して現在ほぼ完売している三笠工業団地に隣接して新たに第二工業団地を造成し、炭鉱離職者の地元における雇用の確保を図っていく必要性が強く訴えられておりました。
さらに、夕張市では、最盛期の人口十二万が今や三万を切っているとのことでありましたが、早くから石炭が有限資源であることを認識し、石炭依存の町から多角的産業構造の町づくりを目指し、企業誘致、観光開発、メロンを初めとする農業振興等の施策により地域の振興に努めているとのことでありました。しかしながら、第八次石炭政策による雪崩的な閉山の影響は深刻であり、閉山後の地域振興策について、北海道横断自動車道の整備、大夕張ダムの建設等の基盤整備の促進に努めるなど、国としても積極的に支援の手を差し伸べていただきたい、また観光開発を進めていく上で下水道等の生活環境整備が不可欠であるので、その促進方をお願いしたいとのことでありました。
次に、室蘭、苫小牧地区の現状と地域整備について申し述べます。
室蘭は天然の良港の室蘭港を中心に高度経済成長期に栄えた鉄鋼、造船等各社の立地する典型的な企業城下町でありましたが、二度に及ぶオイルショックで造船業界が勢いを失い、続いて最近の円高不況で新日鉄室蘭製鉄所の最後の高炉が来年休止と決まるなど、その合理化により市の人口もピーク時の十六万人台から十二万人台へと減少しており、地域の活性化対策が強く求められております。
地元では、本州の先端企業の誘致や首都圏と結ぶフェリーや国際コンテナ船の就航等で室蘭港の流通港湾への脱皮を図る努力がなされておりましたが、不況地域にもかかわらず、過去の実績にとらわれ誘導地域の指定が受けられない原因となっている工業再配置促進法を見直してほしいとの強い要望がなされておりました。また、室蘭港の湾口をまたぎ東西の市街地を連絡して新しい町づくりの核となる白鳥大橋の建設工事が進んでおりますが、市当局は、この橋を生かしたマリンレジャー構想の実現に町の再生をかけており、早期完成を強く希望しておりました。
苫小牧では、北海道の立ちおくれた産業構造の高度化を目指し、国家的プロジェクトとして、苫小牧東部工業基地の大規模開発が行われております。この事業は、苫小牧市東部の太平洋に臨む約一万ヘクタールの勇払原野に、掘り込み港湾を核とした臨海性の基幹資源型工業と関連工業の立地を推進するもので、この開発を具体的に推進するために、四十七年に第三セクターである苫小牧東部開発株式会社が設立され、また、港湾の建設は国の直轄事業として五十一年から本格着工にかかっており、既に電力、石油備蓄、自動車等が立地、操業しておりますが、企業の立地は大幅におくれており、計画の見直しが必要な状況となっております。
第五期北海道総合計画においては、経済社会の動向に合わせ新たな視点に立って段階的に事業の推進を図ることとされており、今後は、都市的機能の向上等を図りつつ、苫小牧東港の臨海性と新千歳空港に近接する臨空性を生かし、ハイテク関係企業の立地促進に努めたいとのことでありました。
以上のほか、北海道唯一の国営公園である滝野すずらん丘陵公園、小樽市の水がめとして期待されている道営の朝里ダム建設工事、水辺空間を生かし新しい観光名所となった小樽臨港線道路などを視察いたしましたが、その詳細は省略させていただきます。
以上が調査の概要でありますが、調査に御協力いただきました方々に厚くお礼を申し上げまして、報告を終わります。