前島英三郎の発言 (社会労働委員会)

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○前島英三郎君 わかりました。
 恐らくその数字は大変な数字であろうと思うんです。何千億という単位のものではなくて、その上の兆という数字がやっぱりそのあたりにはひらめくだろうというふうに思うんです。
 次に、被爆者年金の問題についてお伺いしたいんですが、被爆者援護法案におきましては、すべての被爆者に対し年金を支給することとされております。そもそも年金は、多分に生活保障的な性格を有するものであります。高齢や障害で働くことができない、あるいは生活に必要な収入がない、そのような場合に年金が支給されるものであります。そして、今日、一般国民に対しましては公的年金制度が既に確立しておりまして、一定の年齢に達するなどの場合にはすべての人に年金が支給されることになっております。
 被爆者の皆さんに対してのみ一般社会保障に加えてさらに特別に年金を支給するというのは、どういうお考えに基づくものであろうかということであります。被爆者であれば障害の有無や稼得能力にかかわらず年金を支給するというのは、どうも説得力がないように思うのであります。
 提案者が類似制度として挙げられる戦傷病者戦没者遺族等援護法、すなわち雇用関係というまさに特別な関係にあった人々に対する施策である戦傷病者戦没者遺族等援護法においてさえ、現状では障害のない人に対しては何らの施策も行われていないのであります。被爆者の皆さんであれば、健康障害があってもなくても年金を支給するという画一的な平等主義は、援護対策の必要度の高い被爆者の皆さんに対する適切妥当な対策を行うことへ困難をもたらすだけでなく、他の戦争犠牲者はもとより一般国民との間に著しい不均衡を来し、社会的公正が確保できなくなるおそれがあるのではないかと私は思っておるわけであります。
 そこで、年金を被爆者の皆さん全員に支給するのはどういう理由によるものか。これは生活の保障なのか、放射線による健康障害に対する給付なのか、その性格が極めてこの法案ではあいまいだと思うのであります。国家補償の名のもとにただ給付ということであるとするならば、これはいかがなものであろうかということを感ぜずにはいられません。その辺はいかがでございましょうか。

発言情報

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発言者: 前島英三郎

speaker_id: 8273

日付: 1989-12-12

院: 参議院

会議名: 社会労働委員会