塩出啓典の発言 (社会労働委員会)
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○委員以外の議員(塩出啓典君) ただいま前島先生から、今回の被爆者年金は福祉のばらまきになるのではないか、またほかの戦争被害者との不均衡があるのではないか、こういう御質問でございます。
私も広島におりまして、被爆者の方にもたくさんお会いするわけでございますが、なかなか被爆者の方が自分が被爆者であるということを余り言われない場合もある。今日まで四十数年の間にいろいろな、結婚に対する障害、あるいはまた子供さんたちは被爆二世と言われる。そういうような点で、必ずしも被爆者の実態というものが国民的に理解をされていない、そういう点はいろいろあったろうかと思います。
先般、昭和六十二年六月に厚生省が昭和六十年度原子爆弾被爆者実態調査の報告、さらには六十一年十二月に日本被団協が原爆被害者調査第一次報告、さらには六十三年の三月に原爆被害者調査第二次報告、原爆死没者に関する中間報告、その他のことをいろいろ発表いたしまして、被爆者の戦後四十年にわたる実態というものがいろいろ明らかにされてきておるわけでありますが、先ほど前島先生も御指摘になりました昭和五十五年の基本懇の答申においても、もちろん被爆者の方が見れば不十分な認識とはいえ、やっぱり晩発障害を持つ原子爆弾被害者の特殊性を認めておるわけであります。いろいろの調査では、四人に一人がこんな苦しみを受けるぐらいなら死んだ方がましだと、そういうような意見もあるわけでございます。
そういう点で、この法案におきましては、一つには原子爆弾の傷害作用による後遺症のため、稼得能力や生活能力が劣っている。二番目には、原爆に起因する痛苦から解放されないばかりか、健康管理、栄養補給、再発の防止など、傷病に伴う出費を要するものが多い。三番目には、いつ発病するかもしれないという生活不安、さらには二世、三世に関する遺伝的不安を常に持たざるを得ない等の状況下にあることに着目をいたしまして、国家保障の精神に基づき支給するものでありまして、こうした被爆者の特殊な状況を考えるならば、私たちは給付のばらまきとは考えませんし、社会的公平が保たれていないということはない、こういう点は十分国民の皆さんの御理解は得られるものであると、このように考えておるわけでございます。